【最新モデル試乗】真のラグジュアリーは個性から生まれる! すべてに「最高」を意識したBMW・X7のスーパーな存在感

BMW・X7・xドライブ35dデザインピュア・エクセレンス X7はラグジュアリー性を追求したフラッグシップSUV 大型キドニーグリルは7シリーズセダンと共通イメージ 全車3列シート仕様
BMW・X7・xドライブ35dデザインピュア・エクセレンス X7はラグジュアリー性を追求したフラッグシップSUV 大型キドニーグリルは7シリーズセダンと共通イメージ 全車3列シート仕様

BMW・X7・xドライブ35dデザインピュア・エクセレンス 価格:8SAT 1235万円 試乗記

BMWの新たなラグジュアリー・フラッグシップ。SUVの頂点となる3列シートモデル

 X7は、Xシリーズの最高峰、つまりBMWのフラッグシップSUVとしてデビューした。これまで「SUVの乗用車化」を牽引してきたのはBMWブランドだ。だが、従来の最高峰SUVはX5もしくはクーペのX6だった。これらはセダンでいうところの5シリーズ・クラスだ。

 一方、アウディやメルセデス・ベンツといったドイツのライバル勢は、Q7やGLSクラスといった「巨艦」を早々に送り出しており、ラグジュアリーSUVの「定番」として認知されていた。どうしてBMWに最上級クラス、つまり7シリーズに相当するSUVがなかったのか、そちらのほうが不思議なくらいだった。

 満を持して登場したX7は、BMWの新たなラグジュアリー性を表現するモデルにもなった。象徴的なのが巨大なグリルデザインだ。当初、このフロントマスクを見て嫌悪感を抱いたクルマ好きは少なくなかった。BMWファンの間にも賛否両論あった。ところが、ブランド首脳陣は「それでいい」という。八方美人ではなく、少数派でもいいから熱烈に支持されたい……真のラグジュアリーは個性から生まれる、という判断らしい。

全長×全幅×全高5165×2000×1835mm 車重2440kg 4輪エアサスは5段階/最大80mmの車高調節可能
全長×全幅×全高5165×2000×1835mm 車重2440kg 4輪エアサスは5段階/最大80mmの車高調節可能

重厚なライドフィール。速度を上げるほど快適さが際立つ!

 それにしてもその偉丈夫ぶりには恐れ入る。ボディサイズは全長×全幅×全高5165×2000×1835mm。グリルのみならず、全面的に大きい。プラットフォームはX5と共通ながら、3列シートSUVとしてスペース性を追求。スポーツブランドの超高級SUVが増える中、正統派の上質SUVとして目立つ存在になった。

 日本仕様には2種類のパワートレーンが用意される。3リッター直6ディーゼル(265ps/620Nm)の35dと、 4.4リッター・V8ツインターボ(530ps/750Nm)のM50iだ。販売の主力は35dだろう。

 果たして…… X7・35dの走りは、BMWのフラッグシップSUVにふさわしい仕上がりだった。
 インテリアの豪奢な雰囲気に目を見張ったのもつかの間、動き出した瞬間から重厚なライドフィールに感動する。重たいわけではない。十二分なトルク性能のおかげで大きなサイズを感じさせないドライブフィールだ。けれども、落ち着き払っている。密度の濃い走りとでもいおうか。

 速度を上げるとフラット感がどんどん増していく。4輪アダプティブエアサスとカメラで路面状況を先取りするエグゼクティブドライブプロの恩恵だ。あまりの心地よさに同グループのロールスロイス・カリナンを思い出してしまった。走りのたおやかさは、確実に7シリーズを上回る。

室内は重厚なデザイン 中央に12.3インチワイドディスプレイ装備 視界はワイドな見晴らし感覚 大柄なボディだが車両感覚が把握しやすく運転しやすい
室内は重厚なデザイン 中央に12.3インチワイドディスプレイ装備 視界はワイドな見晴らし感覚 大柄なボディだが車両感覚が把握しやすく運転しやすい
室内スペースはゆとりたっぷり シートはエクステンドレザーメリノ仕様標準 写真のインディビジュアル仕様はop(55万6000円) 乗り心地最上 乗車定員:6名
室内スペースはゆとりたっぷり シートはエクステンドレザーメリノ仕様標準 写真のインディビジュアル仕様はop(55万6000円) 乗り心地最上 乗車定員:6名
ラゲッジ容量は3列目を立てた状態で750リッター 最大2120リッター アレンジは多彩
ラゲッジ容量は3列目を立てた状態で750リッター 最大2120リッター アレンジは多彩
2992cc直6DOHC24Vディーゼルターボ 265ps/4000rpm 620Nm/2000~2500rpm 静粛性ハイレベル WLTCモード燃費:11.4km/リッター
2992cc直6DOHC24Vディーゼルターボ 265ps/4000rpm 620Nm/2000~2500rpm 静粛性ハイレベル WLTCモード燃費:11.4km/リッター
285/45R21タイヤ+アルミ標準 フロント275/40R22/リア315/35R22タイヤ+スポークアルミはop(24万7000円)
285/45R21タイヤ+アルミ標準 フロント275/40R22/リア315/35R22タイヤ+スポークアルミはop(24万7000円)
メーターは最新BMW共通意匠のフル液晶 多彩な情報を表示 ヘッドアップディスプレイ標準
メーターは最新BMW共通意匠のフル液晶 多彩な情報を表示 ヘッドアップディスプレイ標準
トランスミッションは8速AT シフト基部にエンジン始動ボタンや各種コントロール配置
トランスミッションは8速AT シフト基部にエンジン始動ボタンや各種コントロール配置

BMW・X7・xドライブ35dデザインピュア・エクセレンス 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=xドライブ35dデザインピュア・エクセレンス
価格=8SAT 1235万円
全長×全幅×全高=5165×2000×1835mm
ホイールベース=3105mm
トレッド=フロント1685×リア1705mm
車重=2440kg
エンジン=2992cc直6DOHC24Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=195kW(265ps)/4000rpm
最大トルク=620Nm(63.2kgm)/2000~2500rpm
WLTCモード燃費=11.4km/リッター(燃料タンク容量80リッター)
(市街地/郊外/高速道路=9.4/10.8/13.0km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=285/45R21+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=6名(2列目コンフォートシート仕様)
最小回転半径=6.2m
●主要燃費改善項目:筒内直接噴射/電子制御式燃料噴射/高圧噴射/過給機/充電制御/アイドリングストップ/電動パワーステアリング
●主要装備:ドライビングアシスト・プロフェッショナル(アクティブクルーズコントロール+ステアリング&レーンコントロールアシスト+車線逸脱警告+レーンチェンジウォーニング+アクティブサイドコリジョンプロテクション+前車接近警告+衝突回避・被害軽減ブレーキ+後車衝突警報機能+クロストラフィックウォーニング+トラフィックサインアシスト)/BMWコネクテッドドライブ・プロフェッショナル/BMWレーザーヘッドライト/パーキングアシストプラス(PDC+パーキングアシスト+トップ&3Dビュー+サイドビューカメラ+リアビューカメラ+リバースアシスト)/ランフラットタイヤ/4輪アダプティブエアサスペンション/ドライブパフォーマンスコントロール/サーボトロニック(車速感応パワーステアリング)/コンフォートアクセス/オートマチックテールゲートオペレーション/BMWライブコクピット(12.3インチメーターパネル+12.3インチワイドコントロールディスプレイ+HDDナビゲーション)/マルチファンクションレザースポーツステアリング/4ゾーンオートAC/コンフォートシート/クラフテッドクリスタルフィニッシュ/アンビエントライト/BMWジェスチャー&スピーチコントロール/ワイヤレスチャージング/ハーマンカードン16スピーカーシステム
●装着メーカーop:BMWインディビジュアル・カラーシート55万6000円/ウェルネスパッケージ14万6000円/22㌅マルチスポークアルミ24万7000円/エグゼクティブドライブプロフェッショナル35万6000円/アラームシステム6万7000円/アルミニウムランニングボード8万3000円/5ゾーンオートAC13万1000円/2列目コンフォートシート9万1000円/BMWインディビジュアル・アッシュグレインシルバーグレイファインウッドインテリアトリム8万9000円/スカイラウンジ・パノラマサンルーフ11万7000円/後席エンターテインメントシステムプロフェッショナル36万3000円/Bowers & Wilkinsダイヤモンドサラウンドサウンドシステム61万7000円/アルカンターラルーフライニング19万2000円
●ボディカラー:アークティックグレー・ブリリアントエフェクト
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万9170円

SNSでフォローする