新型レクサス「LC500コンバーチブル」が待望の市場デビュー。合わせてLC500h/LC500の一部改良を実施

レクサスが旗艦コンバーチブルモデルの新型「LC500コンバーチブル」を7月15日に発売すると発表。限定モデルの「LC500コンバーチブル“Structural Blue”」も設定。クーペモデルのLC500h/LC500の一部改良も行い、6月18日に発売

 トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは6月18日、旗艦オープンカーの「LC500コンバーチブル」を新設定し、7月15日に発売すると発表した。また、特別仕様車の「LC500コンバーチブル“Structural Blue”」も60台限定でリリース。合わせて、クーペモデルのLC500h/LC500の一部改良も行い、6月18日に発売した。

▲新設定のレクサス・LC500コンバーチブル(写真・右)は7月15日に発売。クーペモデルのレクサス・LC500h/LC500(同・左)の一部改良も行い、6月18日に発売した
▲新設定のレクサス・LC500コンバーチブル(写真・右)は7月15日に発売。クーペモデルのレクサス・LC500h/LC500(同・左)の一部改良も行い、6月18日に発売した

車種展開および車両価格は以下の通り。
■LC500コンバーチブル
LC500コンバーチブル:1500万円
LC500コンバーチブル特別仕様車“Structural Blue”:1650万円
■LC500
LC500:1350万円
LC500“L package”:1350万円
LC500“S package”:1450万円
■LC500h
LC500h:1400万円
LC500h“L package”:1400万円
LC500h“S package”:1500万円

▲レクサス・LC500コンバーチブル 価格:10SAT1500万円 全長4760×全幅1920×全高1350mm ホイールベース2870mm 車重2050kg 乗車定員4名 ソフトトップルーフと専用パッケージの採用により、流麗なシルエットとコンバーチブルならではの軽快な印象を具現化した
▲レクサス・LC500コンバーチブル 価格:10SAT1500万円 全長4760×全幅1920×全高1350mm ホイールベース2870mm 車重2050kg 乗車定員4名 ソフトトップルーフと専用パッケージの採用により、流麗なシルエットとコンバーチブルならではの軽快な印象を具現化した

 まず、約6年ぶりにフルモデルチェンジしたLC500コンバーチブルから解説していこう。レクサスの最上級コンバーチブルに位置づけられる同車は、クーペモデルのLC500/LC500hとともに、「LCらしさを追求し、常に進化を続ける」ということを念頭において開発された。

▲リアまわりではトランクの後端を跳ね上げるとともに横幅を広げることで、ワイド&ローなルックスを創出。パワートレインには2UR-GSE型4968cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(477ps)+Direct Shift-10ATを搭載する
▲リアまわりではトランクの後端を跳ね上げるとともに横幅を広げることで、ワイド&ローなルックスを創出。パワートレインには2UR-GSE型4968cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(477ps)+Direct Shift-10ATを搭載する

 エクステリアについては、フラッグシップコンバーチブルとしての存在感を、LC独自の世界観とともに表現したことが特徴だ。具体的には、造形美と空力性能/慣性諸元といった機能性との両立を徹底追求。また、ソフトトップルーフと専用パッケージの採用により、流麗なシルエットとコンバーチブルならではの軽快な印象を付与する。さらに、リアまわりではトランクの後端を跳ね上げるとともに横幅を広げることで、ダイナミックなサイドビューと後ろから見た際のワイド&ローな印象を創出した。

▲ソフトトップ格納時においても美しいシルエットを実現するためにトノカバー付きの電動ホールディング機構を採用。開閉時間は約15秒でこなす
▲ソフトトップ格納時においても美しいシルエットを実現するためにトノカバー付きの電動ホールディング機構を採用。開閉時間は約15秒でこなす

 ソフトトップ自体には、格納時においても美しいシルエットを実現するためにトノカバー付きの電動ホールディング機構を採用。また、ドアエンドのベルトラインをキックアップさせることにより、キャビンを包み込む適度なタイト感と新しいシルエットを演出する。さらに、ソフトトップを4層構造とすることで優れた室内静粛性を実現。同時に、材質や質感を吟味してシワの寄らない最適な張り具合にこだわることでクーペのような美しいルーフラインを構築した。

▲ソフトトップカラーはブラック(写真・上)とサンドベージュ(同・下)を設定する
▲ソフトトップカラーはブラック(写真・上)とサンドベージュ(同・下)を設定する

 外板色については、新規設定のブレージングカーネリアンコントラストレイヤリングとテレーンカーキマイカメタリックのほか、ホワイトノーヴァガラスフレーク/ダークグレーマイカ/ソニックシルバー/ソニックチタニウム/ブラック/グラファイトブラックガラスフレーク/ラディアントレッドコントラストレイヤリング/ネープルスイエローコントラストレイヤリング/ディープブルーマイカという計11色をラインアップ。ソフトトップカラーはブラックとサンドベージュを用意する。なお、ボディサイズは全長4770×全幅1920×全高1350mm/ホイールベース2870mmに設定した。

▲パームレスト内にあるソフトトップ開閉スイッチは、トップ開閉とスイッチを傾ける方向と合わせることで直感的な操作を可能とする
▲パームレスト内にあるソフトトップ開閉スイッチは、トップ開閉とスイッチを傾ける方向と合わせることで直感的な操作を可能とする
▲開閉作動中はマルチインフォメーションディスプレイにトップの動きをグラフィックで表示する
▲開閉作動中はマルチインフォメーションディスプレイにトップの動きをグラフィックで表示する

 内包するインテリアは、シート肩口のキルティングや穴径の異なる3種類のパーフォレーション加工によるグラデーションの表現、ヘッドレストの後部にさりげなく主張するLマークのエンボスなど、細部に至るまで入念な作り込みを実施する。トップの開閉時間は約15秒に設定。その動き方にもこだわり、書の三折法にヒントを得て、開閉動作を「動き出し」「途中」「動き終わり」の3ステップに分解し、動き出しと動き終わりには適度な“タメ”を持たせながらも極端な速度変化がないようリズム良く繋ぐことで、優雅で自然な動きを実現した。また、パームレスト内にあるソフトトップ開閉スイッチは、トップ開閉とスイッチを傾ける方向と合わせることで直感的な操作が可能。開閉作動中は、マルチインフォメーションディスプレイにトップの動きをグラフィックで表示することにより、作動状況がひと目でわかるようにアレンジする。なお、ルーフは走行時も50km/h以下であれば開閉できる仕組みだ。

▲コンバーチブルの醍醐味であるオープンエアを感じながら車内での会話を自然に楽しめるキャビン空間に仕立てる。内装カラーはオーカー(写真)/ブラック/フレアレッドの3色を用意
▲コンバーチブルの醍醐味であるオープンエアを感じながら車内での会話を自然に楽しめるキャビン空間に仕立てる。内装カラーはオーカー(写真)/ブラック/フレアレッドの3色を用意

 キャビンスペースの構成は、コンバーチブルの醍醐味であるオープンエアを感じながら、車内での会話を自然に楽しめる空間を作り上げるためにベルトラインやリアの造形など空力性能に徹底してこだわる。同時に、透過性のあるポリカーボネート製ウィンドディフレクターを設定することで、開放感はそのままに車内の不快な風の流れを抑制し優れた静粛性を実現した。アクティブノイズコントロール(ANC)による低周波ノイズの抑制、専用チューニングのサウンドシステム、エアコン/シートヒーター/ネックヒーター/ステアリングヒーターを自動制御するレクサスクライメイトコンシェルジュなどを採用したことも、新型LC500コンバーチブルのトピックである。

▲シート肩口のキルティングやパーフォレーションで表現したグラデーション、ヘッドレストの後部にさりげなく主張するLマークのエンボスなど、細部に至るまで入念な作り込みを実施した
▲シート肩口のキルティングやパーフォレーションで表現したグラデーション、ヘッドレストの後部にさりげなく主張するLマークのエンボスなど、細部に至るまで入念な作り込みを実施した

 基本骨格に関しては、レクサスならではの“すっきりとした奥深い走り”とコンバーチブルならではのドライビング体験を高次元で融合させるために、ボディ全体を新設計する。まずブレースの配置や形状を徹底的に見直し、リアサスペンションタワーブレースには形状自由度が高く、軽量かつ高剛性なアルミダイキャストを採用。加えて床下ブレースの採用やマグネシウムおよびアルミニウムなど軽量素材の最適配置により、高剛性化と軽量化を高次元で両立させた。ほかにも、ヤマハ発動機と共同開発したパフォーマンスダンパーなどを装備し、上質な乗り心地とドライバーの意図に忠実な優れた運動性能を実現する。後部に使い勝手のいいラゲッジスペースも確保してこともセールスポイントだ。

▲後部に使い勝手のいいラゲッジスペースを確保。約30リットルのスーツケースが2個、約60リットルのスーツケースが1個積載可能だ
▲後部に使い勝手のいいラゲッジスペースを確保。約30リットルのスーツケースが2個、約60リットルのスーツケースが1個積載可能だ

 パワートレインについては基本的にクーペのガソリンモデルと共通で、2UR-GSE型4968cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(最高出力477ps/7100pm、最大トルク55.1kg・m/4800rpm)+Direct Shift-10AT(電子制御10速AT)を搭載して後輪を駆動(FR)。自然吸気V8の官能的なエンジンサウンドをコンバーチブルでよりいっそう楽しめるよう、吸気音をキャビン内に共鳴させるサウンドジェネレーターや、より迫力のある排気音を演出する外装バルブを組み込んだ。

▲レクサス・LC500コンバーチブル特別仕様車“Structural Blue” 価格:10SAT1650万円 外板色には特定の波長の光を反射する構造発色の原理を持ち、唯一無二の鮮やかな青を実現した専用カラーのストラクチュラルブルーを採用する。販売台数は60台限定
▲レクサス・LC500コンバーチブル特別仕様車“Structural Blue” 価格:10SAT1650万円 外板色には特定の波長の光を反射する構造発色の原理を持ち、唯一無二の鮮やかな青を実現した専用カラーのストラクチュラルブルーを採用する。販売台数は60台限定

 特別仕様車の「LC500コンバーチブル“Structural Blue”」に話を移そう。通常モデルのLC500コンバーチブルをベースに、“青の洞窟”をモチーフとするカラーコーディネートで仕立てた同車は、外板色に海の青と同様、特定の波長の光を反射する構造発色の原理を持ち、唯一無二の鮮やかな青を実現した専用カラーのストラクチュラルブルーを採用。また、トップには専用カラーのマリーンブルーを組み合わせる。足もとにはポリッシュ仕上げ+ブラック塗装の鍛造アルミホイールと前245/40RF21+後275/35RF21サイズのランフラットタイヤを装着した。

▲足もとにはポリッシュ仕上げ+ブラック塗装の鍛造アルミホイールと前245/40RF21+後275/35RF21サイズのランフラットタイヤを装備
▲足もとにはポリッシュ仕上げ+ブラック塗装の鍛造アルミホイールと前245/40RF21+後275/35RF21サイズのランフラットタイヤを装備

 インテリアに関しては、白い海底に見立てた内装色のライムストーンを導入。外板色の青を際立たせ、自然が生み出す奇跡の現象を表現する。また、車両のネーミングを配した専用スカッフプレート(CFRP)やカラーヘッドアップディスプレイも特別装備した。

▲白い海底に見立てた内装色のライムストーンを採用。外板色の青を際立たせ、自然が生み出す奇跡の現象を表現する
▲白い海底に見立てた内装色のライムストーンを採用。外板色の青を際立たせ、自然が生み出す奇跡の現象を表現する
▲車両のネーミングを配した専用スカッフプレート(CFRP)を特別装備
▲車両のネーミングを配した専用スカッフプレート(CFRP)を特別装備

 なお、「LC500コンバーチブル“Structural Blue”」は60台限定で販売。60台の内40台はオーナー向けの先行商談を開始しており、20台を一般向けの抽選発売分として、6月18日からWeb上での商談公募を開始している。

▲クーペモデルのレクサス・LC500h/LC500の一部改良も実施。フロントのサスペンションロアアームのアルミ化やリアスタビライザーバーの中空化、コイルスプリングへの高強度材の採用などを行い、ばね下質量を約3.7kg軽量化した。写真はLC500h“S package”
▲クーペモデルのレクサス・LC500h/LC500の一部改良も実施。フロントのサスペンションロアアームのアルミ化やリアスタビライザーバーの中空化、コイルスプリングへの高強度材の採用などを行い、ばね下質量を約3.7kg軽量化した。写真はLC500h“S package”

 最後に、LC500h/LC500の一部改良の概要を紹介しよう。改良の主要テーマは、クルマと路面との対話が感じられる「一体感のある走り」をより明確化するための基本性能の向上だ。
 まず足回りでは、フロントのサスペンションロアアームのアルミ化やリアスタビライザーバーの中空化、コイルスプリングへの高強度材の採用、ディスクホイールの軽量化(21インチリアアルミホイールのみ)などを行い、ばね下質量を約3.7kg軽量化。また、バウンドストッパーの特性変更やAVS(Adaptive Variable Suspension system)によるショックアブソーバーの伸び側減衰力の独立制御により、路面変化に対する追従性の高い、しなやかなサスペンションの動きを具現化する。さらに、EPS(Electric Power Steering)の制御をより滑らかでリニアな応答とするなどチューニングを変更し、優れた操舵レスポンスやライントレース性を実現。同時に、アクセルを踏み込んだ際に発生しやすいアンダーステアを抑制するアクティブコーナリングアシスト(ACA)を新たに採用した。

▲ガソリンエンジンモデル(写真・右)では停止状態から100km/hあたりまでの常用域において、より気持ちの良い加速と強い伸び感、心地いいエンジンサウンドを創出。ハイブリッドモデル(同・左)ではバッテリーの使用領域を拡大することでモーターからのトルクアシストを増幅させ、駆動力をいっそう向上させた
▲ガソリンエンジンモデル(写真・右)では停止状態から100km/hあたりまでの常用域において、より気持ちの良い加速と強い伸び感、心地いいエンジンサウンドを創出。ハイブリッドモデル(同・左)ではバッテリーの使用領域を拡大することでモーターからのトルクアシストを増幅させ、駆動力をいっそう向上させた

 パワートレインに関しては、日常生活時の走行シーンにおいて、LCが持ち味とする滑らかでパワフルな加速性能を感じられる駆動力特性をさらに追求する。ガソリンエンジンモデルでは、停止状態から100km/hあたりまでの常用域において、より気持ちの良い加速と強い伸び感、心地いいエンジンサウンドを創出。ハイブリッドモデルでは、バッテリーの使用領域を拡大することでモーターからのトルクアシストを増幅させ、駆動力をいっそう向上させた。

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