【新型ハリアーのライバル】ボクサー4+4WD、無骨さが魅力。フォレスターはSUBARUの思想を体現した

SUBARUフォレスター・アドバンス アドバンスは2リッターエンジン(147ps)と小型モーター(13.6ps)を組み合わせたハイブリッド仕様 幅広い走行シーンでモーターがアシスト 標準モデルの2.5リッター車に比べ税金などランニングコストも安い
SUBARUフォレスター・アドバンス アドバンスは2リッターエンジン(147ps)と小型モーター(13.6ps)を組み合わせたハイブリッド仕様 幅広い走行シーンでモーターがアシスト 標準モデルの2.5リッター車に比べ税金などランニングコストも安い

SUBARUフォレスター・アドバンス 価格:7CVT 315万7000円 試乗記

大自然が似合うクルマ。悪路対応Xモードを標準装備

 フォレスターが、現行インプレッサから導入を始めた新世代のプラットフォーム「SGP」を採用して5thモデルに生まれ変わったのは、2018年6月。ボディサイズは全長×全幅×全高4625×1815×1715mm。旧型比でわずかに大型化したが、全長と全幅はハリアーに比べてひと回りコンパクト。その一方で正統派SUVらしく、全高は明確に高いという関係になる。2670mmのホイールベースは、ハリアー比で20mm短い。

 スタイリングは、よくいえばワイルド、言い方を変えれば無骨だ。都会派のハリアーとはキャラクターがはっきりと異なる。現行フォレスターの特徴は、歴代モデルの中でもクロスカントリーテイストが強い点だ。大自然が似合う。

 フォレスターがオフロード性能を強く意識していることは、メカニズム面でも明白。急坂での安定性を高めるヒルディセントコントロールとともに、4輪の駆動力を路面に応じて適正にコントロールするXモードを標準装備する。駆動方式は全車4WD。最低地上高は220mmとたっぷりと確保した。
 その一方で、オンロード性能をおろそかにしているわけではない。しなやかなフットワークとステアリングの正確性は、特筆レベルにある。

 最新のボディ骨格に低重心の水平対向エンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムを組み合わせた高い実力は、ライバル車を明確に凌ぐ。

全長×全幅×全高4625×1815×1715(ルーフレール装着車1730)mm 車重1640kg 駆動方式は4WD
全長×全幅×全高4625×1815×1715(ルーフレール装着車1730)mm 車重1640kg 駆動方式は4WD

eボクサーはマイルドハイブリッド仕様。アクティブ派にぴったりのSUV

 フォレスターには2.5リッター直噴エンジン(184ps)+CVTと、「eボクサー」と称する2リッター直噴エンジン(145ps)+モーター(13.6ps)+CVTのハイブリッドが設定されている。2種のうちでお勧めは、オールラウンド性に優れた2.5リッターだ。

 ハイブリッドのeボクサーは、搭載スペースの関係からモーター出力が低く抑えられている。標準車比100kg超という大きな重量ハンデを背負う一方で、パワーの上乗せ感や燃費の向上効果は限定的。発進時のモーター走行、加速時のモーターアシストなどの効果は確認できるが、メリットはさほどでもない。パワーフィールの自然さという点では、2.5リッター仕様にアドバンテージがある。
 フォレスターのeボクサーは、よくも悪くもマイルドハイブリッドという表現が適当だ。

 ハリアーのハイブリッド・システムとの実力差は大きいが、クルマ自体の完成度が高いだけに、パワーユニットはユーザーの好みしだい。ときにはオフロードに踏み込むというアクティブ派にぴったりのSUVである。

インパネはソフトパッド仕様 インパネ上部にマルチファンクションディスプレイを配置した機能重視の造形 良好な視界を追求
インパネはソフトパッド仕様 インパネ上部にマルチファンクションディスプレイを配置した機能重視の造形 良好な視界を追求
室内長2100mm シートは大型形状 アドバンスは合成皮革とファブリックのコンビシート標準 写真の本革はop設定
室内長2100mm シートは大型形状 アドバンスは合成皮革とファブリックのコンビシート標準 写真の本革はop設定
荷室は広い 後席使用時のラゲッジ長908mm 最大1547mmに拡大する
荷室は広い 後席使用時のラゲッジ長908mm 最大1547mmに拡大する
電動リアゲートはop 開口部はスクエアな大型サイズ
電動リアゲートはop 開口部はスクエアな大型サイズ
大型ガラスサンルーフはop 開放感を高めるアイテム
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LEDヘッドライトはステアリング連動機能付き フォグは縦型形状
LEDヘッドライトはステアリング連動機能付き フォグは縦型形状
225/55R18タイヤ+アルミ装着 最低地上高220mm 最小回転半径5.4m
225/55R18タイヤ+アルミ装着 最低地上高220mm 最小回転半径5.4m
1995cc水平対向4DOHC16V(145ps)+モーター(13.6ps)  WLTCモード:14.0km/リッター 2.5リッター自然吸気(184ps)も設定
1995cc水平対向4DOHC16V(145ps)+モーター(13.6ps)  WLTCモード:14.0km/リッター 2.5リッター自然吸気(184ps)も設定
CVTは7速マニュアルモード付き シフト基部にXモードスイッチ配置
CVTは7速マニュアルモード付き シフト基部にXモードスイッチ配置
メーターは見やすい2眼式 中央に液晶モニター配置
メーターは見やすい2眼式 中央に液晶モニター配置
センターディスプレイは安全情報などを表示する便利設計
センターディスプレイは安全情報などを表示する便利設計
アダプティブクルーズコントロールは的確な制御実現
アダプティブクルーズコントロールは的確な制御実現
ナビはディーラーop 車種専用設計で優れた機能を実現
ナビはディーラーop 車種専用設計で優れた機能を実現

SUBARUフォレスター・アドバンス 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=アドバンス
価格=7CVT 315万7000円
全長×全幅×全高=4625×1815×1715mm
ホイールベース=2670mm
トレッド=フロント1565×リア1570mm
最低地上高=220mm
車重=1640kg
エンジン=1995cc水平対向4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=107kW(145ps)/6000rpm
最大トルク=188Nm(19.2kgm)/4000rpm
モーター最高出力=10kW(13.6ps)
モーター最大トルク=65Nm(6.6kgm)
WLTCモード燃費=14.0km/リッター(燃料タンク容量48リッター)
(市街地/郊外/高速道路=11.2/14.2/16.0km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/55R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御/自動無段変速機/ロックアップ機能付きトルクコンバーター
●主要装備:アイサイトVer.3(プリクラッシュブレーキ+アクティブレーンキープ+AT誤発進&後進抑制制御+車線逸脱警報+ふらつき警報+全車速追従機能付きクルーズコントロール+先行車発進お知らせ機能)/アイサイトセイフティプラス(後側方警戒支援システム+アダプティブドライビングビーム)/ドライバーモニタリングシステム/サイドビューモニター/アクティブトルクベクタリング/7エアバッグ/Xモード/アクティブトルクスプリットAWD/SIドライブ(走行モード切替機構)/LEDヘッドランプ/前後フォグランプ/オートライト&ワイパー/マルチファンクションディスプレイ/パドルシフト/本革巻きステアリング/USB電源/前席電動調節シート/前後席シートヒーター/運転席シート自動後退機能/歩行者保護エアバッグ/オートAC
●装着メーカーop:アイサイトセイフティプラス(視界拡張)+パワーリアゲート+大型サンルーフ+ルーフレール+本革シート
●ボディカラー:セピアブロンズメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万910円 

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