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「最新モデル試乗」北欧生まれらしいナチュラルさ。48Vハイブリッドを搭載したボルボXC60・B5の先進性とは

Writer:河村康彦 Photo:小久保昭彦

ボルボXC60・B5・AWDインスクリプション 価格:8SAT 734万円

ボルボXC60・B5・AWDインスクリプション 価格:8SAT 734万円 48VハイブリッドのB5パワートレーンはXC60とXC90に設定 XC60はインスクリプションとモメンタム(634万円)の2グレード構成 駆動方式は全車4WD
ボルボXC60・B5・AWDインスクリプション 価格:8SAT 734万円 48VハイブリッドのB5パワートレーンはXC60とXC90に設定 XC60はインスクリプションとモメンタム(634万円)の2グレード構成 駆動方式は全車4WD

CO2削減は待ったなし! ボルボは積極的に電動化戦略を推進中

 ボルボXC60とXC90に48Vハイブリッド仕様のB5モデルが追加された。ボルボは現在、「2019年以降に発売するモデルには、すべてエレクトリックモーターを搭載する」という公約どおり、着々と電動化を進めている。B5はその一例だ。

 電動化は、ブランドイメージ向上につながる環境プロモーションとともに、より切実な理由がある。EU地域で量販を行うブランドには、NEDCテストモードで1km走行当たり95g(ブランド平均)というCO2排出量基準値が定められている。2021年からはCO2超過分に対して多額の「罰金」が課せられる予定。C02の削減(≒燃費の向上)は、販売の軸足をヨーロッパに置くモデルにとって、喫緊の課題そのものだ。

 時間の猶予がない排出ガス規制に対し、有効なソリューションとして注目されている技術が、低電圧で作動するマイルドハイブリッドシステムだ。減速時の回生力で起こした電力を小容量の専用バッテリーに一時的に蓄え、次の加速時に活用する。エンジンの負担軽減を図って燃費の向上(CO2の削減)につなげる──これが「省エネ」の基本的な考え方となる。
「ボルボ初の48Vハイブリッドパワートレーン」と紹介されるB5は、マイルドハイブリッドシステムを採用した1台。試乗車はXC60・B5の上級グレード、インスクリプションだ。

B5の魅力は静粛性 アイドリングストップからの再始動はISGM効果でスムーズ 全長×全幅×全高4690×1900×1660mm ホイールベース2865mm 車重1890kg

エンジンは気筒休止メカを新採用。エンジン始動は静かで滑らか

 ベルトによってスタータージェネレーター(ISGM=モーター機能付き発電機)と結ばれた2リッターガソリンエンジン(250ps/350Nm)は、ほぼB5専用設計。一定の軽負荷領域で作動するボルボ初の気筒休止メカを採用するほか、ターボチャージャー/排気系の変更やフリクションの低減、マウントの変更などを行った「ジェネレーション3」というユニットである。

 室内に乗り込み、センターコンソール上のノブを捻ってエンジンを始動する。既存モデルとの違いを実感させられるのが、通常の金属的なスターター音が耳に届かないこと。「プルン」と静かに滑らかにエンジンに火が入る。これは、スタータージェネレーターの持ち主ならでは。この動作は、アイドリングストップ状態からの復帰時にも繰り返される。

 一方、トヨタ車に代表されるストロングハイブリッドに慣れたユーザーからは「ちょっと予想とは違う」と指摘される可能性がありそうなのが、電動感が希薄な点だ。
 ブレーキペダルから足を離した瞬間にエンジンは例外なく始動をするし、走行モードの選択によっては、アイドリング運転の「コースティング」状態にはなるが、走行中にエンジンは停止しない。チャンスがあればエンジンを止めるアウディの48Vシステムほど技術的には凝っていない。

B5モデルの外観はエンブレム以外従来モデルと共通 フロントマスクはボルボ共通の大型センターグリル

すべてが自然なフィーリング。黒子に徹したメカニズムは大人の味わい

 減速時の回生エネルギーを効率よく回収することを主目的に、ブレーキシステムはバイワイヤ方式を採用した。これはボルボが「ツインエンジン」と表現するプラグインハイブリッドモデルと同じだ。

 複雑な制御を行うだけに、同類のシステムを備えたモデルの中には、ペダルフィールに違和感を抱くケースもある。XC60・B5の完成度はどうかと心配したが、杞憂だった。何も知らなければ「普通のブレーキ」と受け取るに違いない。それほど、自然なフィーリングを実現していた。
 自然なフィーリングという点では、気筒休止システムも「まったく違和感がない」と報告できる。不自然なショックは皆無。そもそも2気筒モード状態を示す表示は、どこにもない。試乗中、気筒休止を意識させられる場面はなかった。

 B5シリーズは今後、ボルボ各モデルの主力となる。とはいえ、48Vマイルドハイブリッド仕様を感じさせる「特別な演出」はいっさいなかった。
 新たに採用されたさまざまなシステムは、黒子に徹している。ドライバーにとっては旧型以上に静かでスムーズになった点が魅力だ。とくに街乗りシーンでの静粛性は、際立っていた。
 WLTCモード燃費は11.5km/リッター。全長×全幅×全高4690×1900×1680mmの大柄なボディと、1890kgの重量を考えると燃費はまずまず優秀。

 久しぶりにXC60をドライブして、パフォーマンス面でも快適性でも、そしてユーティリティや安全機能でも、このクラスを代表する高い実力車だと実感した。
 B5は、時代の要請に対して素早い対応を示した、最新のXC60である。

インパネ造形はシンプル 中央にインフォテイメントと各種車両設定に対応した縦型モニターを配置 視界はワイド 車両感覚が把握しやすく運転は楽
インスクリプションは上質なファインナッパレザーシート標準 シートカラーはアンバー(写真)/ブロンド/チャコールの3色を設定 乗り心地は快適
ラゲッジ空間は広く使い勝手に優れた設計 ワゴン作りに定評のあるボルボの伝統が生きる 後席は6対4分割
リアゲートはハンズフリー電動式 開閉動作はスムーズ 荷室地上高はやや高めの設定
ライトはLED ウインカー&デイライトはハンマーヘッド形状
235/55R19タイヤ+7.5Jスポークアルミ装着 最低地上高215mm
1968cc直4DOHC16Vターボ(250ps/350Nm)+モーター(10ps/40Nm) エンジンは気筒休止付き
マニュアルモード付き8SATのシフトセレクターはオレフォス社製クリスタル パドル未設定

ボルボXC60・B5・AWDインスクリプション 主要諸元と主要装備

グレード=B5・AWDインスクリプション
価格=8SAT 734万円
全長×全幅×全高=4690×1900×1660mm
ホイールベース=2865mm
トレッド=フロント1655×リア1655mm
車重=1890kg
エンジン=1968cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=184kW(250ps)/5400~5700rpm
最大トルク=350Nm(35.7kgm)/1800~4800rpm
モーター最高出力=10kW/3000rpm
モーター最大トルク=40Nm/2250rpm
WLTCモード燃費_=11.5 km/リッター(燃料タンク容量71リッター)
(市街地/郊外/高速道路=8.3/11.9/13.5km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=235/55R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m
●主な燃費改善対策:ハイブリッド/気筒休止機構/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/アイドリングストップ/電動パワーステアリング/ブレーキエネルギー回生システム
●主要装備:6エアバッグ/セーフティヘッドレスト/シティセーフティ(プリクラッシュブレーキ+歩行者&サイクリスト&大型動物検知機能+右折時対向車検知機能+衝突回避支援ステアリングサポート)/対向車線衝突回避支援機能/全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール/パイロットアシスト(車線維持支援機能)/ステアリングアシスト付きブラインドスポットインフォメーション/レーンチェンジマージエイド/レーンキーピングエイド/ドライバーアラートコントロール/クロストラフィックアラート/ロードサインインフォメーション/道路逸脱事故時保護機能/道路逸脱回避支援機能/フルアクティブハイビーム/360度ビューカメラ/パークアシストパイロット/車間警告機能/アドバンスドスタビリティコントロール/コーナートラクションコントロール/キーレスドライブ/ドライビングモードセッティング/電動パーキングブレーキ/LEDヘッドライト/前席電動パワーシート/前席ヒーター&ベンチレーション/ファインナッパレザーシート/後席分割可倒機構/ヘッドアップディスプレイ/9インチタッチスクリーンHDDナビゲーション/ハーマンカードン・プレミアムオーディオ/4ゾーンオートAC
●装着メーカーop:電動パノラマサンルーフ21万円/電子制御4輪エアサスペンション31万円
●ボディカラー:クリスタルホワイトパール(op12万円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万5720円

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