【最新モデル試乗】まさに万能! 人に優しくたくましい、ボルボV60クロスカントリーの骨太世界

ボルボV60クロスカントリーT5・AWDプロ ベース車のV60比で70mm高い全高とブラックフェンダーモールがクロスカントリーの特徴 駆動方式は電子制御4WD 最低地上高は210mm
ボルボV60クロスカントリーT5・AWDプロ ベース車のV60比で70mm高い全高とブラックフェンダーモールがクロスカントリーの特徴 駆動方式は電子制御4WD 最低地上高は210mm

ボルボV60クロスカントリーT5・AWDプロ 価格:8SAT 664万円 試乗記

最低地上高210mm。全高はタワーパーキングに対応

 V60クロスカントリーは、ボルボの主力ワゴン、V60のマルチパーパスモデルだ。1953年のPV445デュエット以来、ワゴン作りに長い経験を持つボルボの魅力を凝縮した実力派である。
 エクステリアは力強い。専用フェンダーアーチモールなど、「クロスカントリー」の名称にふさわしいアイテムを標準装備。伸びやかでタフな印象のスタイリングにまとめた。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4785×1895×1505mm。ベースとなった V60比で全長は25mm長く、全幅は45mmワイド、全高は70mm高い。大柄だが、日本の道路環境でも持て余さない絶妙な設定。中でも一般的なタワーパーキングに対応した全高は、「日本の駐車場事情を考慮した」という。
 最低地上高は210mmと余裕たっぷり。4WDシステムと相まって、雪道やオフロードにも適した高い実力の持ち主である。
 試乗車は、ファインナッパレザーシートやプレミアムサウンドオーディオシステムを標準装備した上級グレードのT5・AWDプロ。タイヤサイズは235/45R19。標準仕様の215/55R18よりひと回りファットだ。

全長×全幅×全高4785×1895×1505mm 車重1810kg 全高は一般的なタワーパーキングに対応した設定 ボディカラーは全7色
全長×全幅×全高4785×1895×1505mm 車重1810kg 全高は一般的なタワーパーキングに対応した設定 ボディカラーは全7色

滑らかな走りと上質キャビン。まさに大人の味わい

 パワーユニットは2リッター直4ターボ(254ps/350Nm)。走りは頼もしい。車重は1810kgとヘビー級だが、重さを感じさせることはない。スタートの瞬間から力強い加速を披露する。しかもアクセル操作に対する反応がいい。右足の踏み込みに応じて走りを自在にコントロールできるのは、大きな魅力。小気味いいパフォーマンスは印象的なほどだ。トランスミッションは、滑らかな変速フィールの8速ATを組み合わせている。
 静粛性も高水準。これが走りの好印象に大きく貢献している。エンジンノイズやロードノイズは効果的に抑え込まれ、市街地から高速道路まで、幅広いシーンで静かな印象が持続する。

 フットワークは滑らか。大径タイヤを装着しているが、ばね下重量が大きい、と意識させられるシーンはなかった。乗り心地はしなやかで上質。コーナリング時の安定性も優秀だ。サスペンションストロークをたっぷり確保した足回りは、大人の味わいが強い。
 上質なキャビンと、後席使用時にも529リッターの大容量を確保した使い勝手に優れたラゲッジスペースは、ボルボならではの特色。安全装備はクラストップ級を誇る。

 V60クロスカントリーは2021年モデルからパワーユニットが48Vマイルドハイブリッド仕様にリファインされる。今後ますます魅力的なワゴンとして、存在感を増すに違いない。

室内は落ち着いた雰囲気 インパネ中央に9㌅センターディスプレイ装着 作りは上質 室内基調色はアンバー(写真)/白/黒を設定
室内は落ち着いた雰囲気 インパネ中央に9㌅センターディスプレイ装着 作りは上質 室内基調色はアンバー(写真)/白/黒を設定
ファインナッパレザーシート標準 前席はヒーター&電動調節機構付き 乗り心地はしなやか 静粛性もハイレベル
ファインナッパレザーシート標準 前席はヒーター&電動調節機構付き 乗り心地はしなやか 静粛性もハイレベル
荷室は使いやすい 後席使用時の容量は529リッター 後席を倒すとフラット空間出現
荷室は使いやすい 後席使用時の容量は529リッター 後席を倒すとフラット空間出現
リアゲートは電動開閉式 荷室開口部は広い 重量物の積載を考慮した設計
リアゲートは電動開閉式 荷室開口部は広い 重量物の積載を考慮した設計
バンパー&フェンダーはブラックエクステンション付き ライトはLED  デイタイムランニング機能付き
バンパー&フェンダーはブラックエクステンション付き ライトはLED デイタイムランニング機能付き
235/45R19+8Jアルミ装着 足回りはV90CCと共通仕様
235/45R19+8Jアルミ装着 足回りはV90CCと共通仕様
1968cc㏄直4DOHC16Vターボ 254ps/5500rpm 350Nm/1500~4800rpm JC08モード燃費:11.6km/リッター 2021年モデルから48VマイルドHVに移行
1968cc㏄直4DOHC16Vターボ 254ps/5500rpm 350Nm/1500~4800rpm JC08モード燃費:11.6km/リッター 2021年モデルから48VマイルドHVに移行
メーターは視認性に優れたフル液晶 地図など多彩な情報が表示できる
メーターは視認性に優れたフル液晶 地図など多彩な情報が表示できる
トランスミッションは8速AT 変速は滑らか パドルシフト未設定
トランスミッションは8速AT 変速は滑らか パドルシフト未設定
バックカメラは俯瞰や後方など表示切り替え機構付き 安心設計
バックカメラは俯瞰や後方など表示切り替え機構付き 安心設計
クラス最高水準の安全・運転支援システムを標準装備
クラス最高水準の安全・運転支援システムを標準装備

ボルボV60クロスカントリーT5・AWDプロ 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=クロスカントリーT5・AWDプロ
価格=8SAT 664万円
全長×全幅×全高=4785×1895×1505mm
ホイールベース=2875mm
トレッド=フロント1640×リア1625mm
車重=1810kg
エンジン(プレミアム仕様)=1968cc直4DOHC16Vターボ
最高出力=187(254)kW(ps)/5500/rpm
最大トルク=Nm(kgm)/rpm 350(35.7)/1500~4800
JC08モード燃費=11.6km/リッター (燃料タンク容量60リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:インテグラル
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/45R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m
●主な燃費改善対策:筒内直接噴射/可変バルブタイミング/アイドリングストップ/電動パワーステアリング/ブレーキエネルギー回生システム
●主要装備:6エアバッグ/セーフティヘッドレスト/シティセーフティ(プリクラッシュブレーキ+歩行者&サイクリスト&大型動物検知機能+対向車対応機能+インターセクションサポート+ステアリングサポート)/全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール/レーンキーピングエイド/ステアリングアシスト付きブラインドスポットインフォメーション/レーンチェンジマージエイド/クロストラフィックアラート/ロードサインインフォメーション/フルアクティブハイビーム/360度ビューカメラ/道路逸脱事故時保護機能/パークアシストパイロット/電子制御4WD/ヒルディセントコントロール/ファインナッパレザーシート/前席電動調節&マッサージ&ベンチレーション&ヒーター機能/ドリフトウッドパネル/タッチスクリーンHDDナビゲーション/ハーマンカードン・プレミアムオーディオ/パワーテールゲート/4ゾーンフルオートAC/クロスカントリー専用エクステリア/ラゲッジフロアステンレストリム
●装着メーカーop:電動パノラマサンルーフ21万円/Bowers & Wilkinsプレミアムサウンド・オーディオシステム33万円
●ボディカラー:ペブルグレーメタリック(op9万2000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万5440円

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