SUBARUらしい走りを徹底追及。モデル末期なんて気にならない! 圧倒的な完成度を誇るWRX・S4は今が旬

SUBARU・WRX・S4・STIスポーツ・アイサイト WRXはWRC(世界ラリー選手権)で大活躍した1stインプレッサWRX以来の伝統を誇るスポーツ4ドア 2008年以降はニュル24時間レースに参戦し走りを磨く
SUBARU・WRX・S4・STIスポーツ・アイサイト WRXはWRC(世界ラリー選手権)で大活躍した1stインプレッサWRX以来の伝統を誇るスポーツ4ドア 2008年以降はニュル24時間レースに参戦し走りを磨く

SUBARU・WRX・S4・STIスポーツ・アイサイト 価格:8CVT 416万9000円 試乗記

現行WRXはS4・STIスポーツのモノグレード

 すでに2019年の12月で、SUBARUの走りを牽引してきたWRX・STIは受注を終了。「大人のスポーツセダン」をアピールしてきたWRX・S4も現在はグレードが絞られ、STIスポーツだけの設定……。つまり、フルモデルチェンジ間近であることは、公然の秘密である。

 STIスポーツは量産ラインで生産されるコンプリートモデル。デビュー当初は、WRX・S4シリーズの最上級グレードに位置づけられていた。狙いは多くのユーザーに「STIのブランド性」を伝えることであり、コアなファンに対しては「STIはこんな味付けもできる」という新たな提案だった。

 エクステリアは、「光り物」を抑えたシックな装い。ダークメタル塗装の専用グリル、ブラックカラーのサイドガーニッシュやトランクリップスポイラー、ダークメタリック塗装のアルミが特徴だ。
 インテリアは、STIスポーツ専用のボルドーカラーの内装、専用メーターやステンレス製サイドプレートに加えて、本革&ウルトラスエード(滑りにくい)仕様のレカロシートを装備。スポーツ性とプレステージ性を両立させている。

全長×全幅×全高4595×1795×1475mm 車重1540kg 4WDシステムは不等&可変トルク配分電子制御式
全長×全幅×全高4595×1795×1475mm 車重1540kg 4WDシステムは不等&可変トルク配分電子制御式

STIならではの走りの味わい。しなやかな足に感激

 パワーユニットは2リッター水平対向ターボ(300ps/400Nm)。駆動方式は4WD。パワースペックとドライブトレーンは標準車と共通だが、高剛性クランプスティフナー付き電動パワーステアリング、ビルシュタイン・ダンプマティック2&専用スプリングを採用。STIモデルならではの「強靭でしなやかな走り」を追求した。

「誰が乗っても高性能を感じられる」、「ハイスペックなのに乗りやすい」がコンセプトの標準仕様に対して、いちだんと運動性能と快適性をバランスさせた乗り味がポイントだ。
 具体的には無駄な動きが抑えられたクルマの挙動、滑らかな操舵フィール、硬めだが角が取れた乗り心地が印象的。STIの名に恥じない「味」がシッカリと実現されている。

 2019年に一部改良が行われた現行モデル(F型)は、おそらく最終進化系となるだろう。最新モデルは、ハイビームアシスト作動車速の引下げ(40→30km/h)や新色追加などを実施。メカニズムの変更はないはずだが、乗ると何かが違う……。
 乗り味は引き締まったセットアップ。作り込み精度が向上した効果か、常用域での足の動きがスムーズになっており、結果的に動的質感がアップ。直進安定性も増している。アイサイト・ツーリングアシストの精度も上がっているように感じた。
 新型に期待大だが、あえて熟成の現行モデルを選ぶという選択も悪くない。

STIスポーツは操作性を高めた本革巻きスポーツステアリング装着 各部上質なソフトパッド仕上げ 中央上部に5インチディスプレイ装備 ハンドリングは滑らか
STIスポーツは操作性を高めた本革巻きスポーツステアリング装着 各部上質なソフトパッド仕上げ 中央上部に5インチディスプレイ装備 ハンドリングは滑らか
レカロ製スポーツシートはサポート性としっかりとした乗り味を両立 素材はウルトラスエードと本革のコンビ 前席は電動調節機能標準 室内長2005mm
レカロ製スポーツシートはサポート性としっかりとした乗り味を両立 素材はウルトラスエードと本革のコンビ 前席は電動調節機能標準 室内長2005mm
1998㏄水平対向4DOHC16V直噴ターボ 300㎰/5600rpm 400Nm/2000~4800rpm 全域パワフル 高回転域で刺激的な“ボクサーサウンド”発生
1998㏄水平対向4DOHC16V直噴ターボ 300㎰/5600rpm 400Nm/2000~4800rpm 全域パワフル 高回転域で刺激的な“ボクサーサウンド”発生
245/40R18タイヤ+8.5Jダークグレーアルミ標準 ダンパーはビルシュタイン製ダンプマチックⅡ装着
245/40R18タイヤ+8.5Jダークグレーアルミ標準 ダンパーはビルシュタイン製ダンプマチックⅡ装着
リアバンパー下部は空力を考慮したディフューザー形状 排気エンドパイプは左右4本出し
リアバンパー下部は空力を考慮したディフューザー形状 排気エンドパイプは左右4本出し
速度計は280km/hスケール レッドゾーンは6500rpmオーバー 機能的な2眼デザイン
速度計は280km/hスケール レッドゾーンは6500rpmオーバー 機能的な2眼デザイン
8速マニュアルモード付きCVT S#選択時はDレンジでもステップシフト制御を実施 パドルシフト標準
8速マニュアルモード付きCVT S#選択時はDレンジでもステップシフト制御を実施 パドルシフト標準

SUBARU・WRX・S4・STIスポーツ・アイサイト 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=WRX・S4・STIスポーツ・アイサイト
価格=8CVT 416万9000円
全長×全幅×全高=4595×1795×1475mm
ホイールベース=2650mm
トレッド_=フロント1530×リア1540mm
車重=1540kg
エンジン=1998cc水平対向4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=221kW(300ps)/5600rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/2000~4800rpm
WLTCモード燃費=11.2 km/リッター(燃料タンク容量60リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=245/40R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.6m
パワーウエイトレシオ=5.13kg/ps
トルクウエイトレシオ=3.85kg/Nm
※価格はすべて消費税込み

WRXはインプレッサのスポーツグレードとして1992年にデビュー 1stモデルはWRCの勝利を目指して開発 WRCでは1995/96/97年の3年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得 WRXの単独ネームになったのは2010年以降
WRXはインプレッサのスポーツグレードとして1992年にデビュー 1stモデルはWRCの勝利を目指して開発 WRCでは1995/96/97年の3年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得 WRXの単独ネームになったのは2010年以降
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