【最新モデル試乗】日常を刺激的に彩るドライバーズカー。メルセデスAMG・GLC43クーペがマニア受けする理由

メルセデスAMG・GLC43・4マチック・クーペ GLCクラスは2019年10月にマイナーチェンジを実施 AMGモデルは3リッターV6の43と4リッターV8の63をラインアップ ともにツインターボ仕様 駆動方式は4WD
メルセデスAMG・GLC43・4マチック・クーペ GLCクラスは2019年10月にマイナーチェンジを実施 AMGモデルは3リッターV6の43と4リッターV8の63をラインアップ ともにツインターボ仕様 駆動方式は4WD

メルセデスAMG・GLC43・4マチック・クーペ 価格:9SATC 995万円 試乗記

最新AMGモデルは精悍パナメリカーナグリル採用!

NEWSポイント
1:3リッターV6ツインターボ(390ps)搭載
2:AMGチューン4WDスポーツクーペ

 GLCの最新モデルはフレッシュな印象。従来型と見た目ががらりと変わった理由は、フロントグリル形状が逆台形から台形になったからだ。たったそれだけで?という違いだけれども、それほど現代のクルマにとってフロントマスクの重要度は高い。AMGモデルは、いわゆる最新のパナメリカーナグリルが与えられ、いっそう精悍な表情になった。

 Cクラス級のSUVは、メルセデスにとっていまやドル箱だ。SUVがこれまでのセダンシリーズとパラレルにフルラインアップ化されているのだから、当然といえば当然だろう。最近パーソナルユースとして人気を伸ばしているのが、ルーフをなだらかに傾斜させたクーペだ。

 GLCクーペのAMGモデルは43と63が設定されている。63にはAMG・GTの流れをくんだ4リッターV8ツインターボ(63S・510ps/700Nm)を搭載。日常ユースであれば、63比で穏やかな3リッターV6ツインターボ(390ps/520Nm)を積む43がベストマッチだろう。マイナーチェンジを機に従来型に比べて最高出力は23psアップ。520Nmのビッグトルクは2500~5000rpmの幅広い領域で発揮する。

全長×全幅×全高4740×1930×1590㎜ 車重1900kg 足回りはスポーツ設定のボディコントロールエアサスペンション
全長×全幅×全高4740×1930×1590㎜ 車重1900kg 足回りはスポーツ設定のボディコントロールエアサスペンション

鮮烈なパフォーマンス。乗り味はAMGスポーツクーペらしく硬派

 スタイリングは、スポーティなパーソナル感覚。GLCクーペのスタイルを見慣れると、普通のGLCが何とも大人しく見えてくる。
 パッケージングも優秀。クーペスタイルと聞いて、居住性や積載性を心配するユーザーがいるだろう。しかし、実はそれほど犠牲になっていない。
 後席スペースは十分に確保され、荷室容量は通常時500リッター/最大1400リッターと十分に広い。後方視界が見えなくなるほどの荷物を常時積むというヘビーユーザー以外、GLCとの容量差はないに等しい。ファミリーユースとして十分に使える。クーペ人気の理由は、このあたりにもありそうだ。

 パフォーマンスは鮮烈。ここ一発の加速フィールは、もちろん63に及ばない。エンジンの存在感という点でもきっちり2気筒分、回り方も力の出し方も薄味だ。けれども軽快さは43が勝り、スピード性能も十分に高い。9速ATを駆使して小気味よく速度を上げていく感覚は43ならではである。

 乗り心地はAMGモデルらしくソリッドだ。舗装の継ぎ目など小さな段差もしっかり伝える。ユーザーによっては硬いと思う水準にあるが、往年のドイツ車フィールが好きなら、悪くないはず。
 AMGのスポーツクーペなのだから、これくらい硬くフラットに走ってくれたほうが、選んだ甲斐があるというもの。嫌なら別の選択肢がある。

インパネは上質な印象 最新モデルは10.25インチセンターディスプレイを装備 本革巻きスポーツステアリングはDシェイプ ハンドリングはシャープな設定
インパネは上質な印象 最新モデルは10.25インチセンターディスプレイを装備 本革巻きスポーツステアリングはDシェイプ ハンドリングはシャープな設定
シートはサポート性に優れたスポーツ形状 写真の本革タイプはセットop(56万円) 乗り心地はAMGらしく引き締まった硬めのセッティング
シートはサポート性に優れたスポーツ形状 写真の本革タイプはセットop(56万円) 乗り心地はAMGらしく引き締まった硬めのセッティング
荷室容量は後席使用時500リッター 最大1400リッターに拡大 リアゲートはハンズフリー電動式
荷室容量は後席使用時500リッター 最大1400リッターに拡大 リアゲートはハンズフリー電動式
2996cc・V6DOHC24Vツインターボ 390ps/6100rpm 520Nm/2500~5000rpm パワーウエイトレシオ:4.87km/ps
2996cc・V6DOHC24Vツインターボ 390ps/6100rpm 520Nm/2500~5000rpm パワーウエイトレシオ:4.87km/ps
フロントマスクは縦桟形状のパナメリカーナグリル ヘッドライトはマルチビームLED
フロントマスクは縦桟形状のパナメリカーナグリル ヘッドライトはマルチビームLED
フロント255/45R20/リア285/40R20タイヤ+AMGアルミ装着 最低地上高は170mm
フロント255/45R20/リア285/40R20タイヤ+AMGアルミ装着 最低地上高は170mm
エアロパーツは控えめ リアスポイラーはリップ形状
エアロパーツは控えめ リアスポイラーはリップ形状
リア回りはディフューザー造形 排気エンドパイプは大径4本出し
リア回りはディフューザー造形 排気エンドパイプは大径4本出し
メーターはカラフルな液晶タイプ 速度計は280mm/hスケール
メーターはカラフルな液晶タイプ 速度計は280mm/hスケール
ATのセレクターはコラムに配置 大型パドル付き
ATのセレクターはコラムに配置 大型パドル付き
走行モードはスリッピィ/コンフォート/スポーツなど4種から選択
走行モードはスリッピィ/コンフォート/スポーツなど4種から選択
上質な作り込み スイッチ類はシルバー仕上げ
上質な作り込み スイッチ類はシルバー仕上げ

メルセデスAMG・GLC43・4マチック・クーペ 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=GLC43・4マチック・クーペ
価格=9SATC 995万円
全長×全幅×全高=4740×1930×1590mm
ホイールベース=2875mm
トレッド=フロント1635×リア1650mm
最低地上高=170mm
車重=1900kg
エンジン=2996cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=287kW(390ps)/6100rpm
最大トルク=520Nm(53.0kgm)/2500~5000rpm
WLTCモード燃費=9.6_km/リッター(燃料タンク容量66リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=6.4/10.2/11.7_km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/45R20/リア:285/40R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.9m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング
●主要装備:レーダーセーフティパッケージ(アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック+アクティブステアリングアシスト+アクティブレーンチェンジアシスト+アクティブエマージェンシーストップアシスト+緊急回避補助システム+アクティブブレーキアシスト+PRE-SAFE/PRE-SAFEプラス+アクティブブラインドスポットアシスト+アクティブレーンキーピングアシストほか)/アダプティブブレーキ/アテンションアシスト/360度カメラシステム/パークトロニック/アルミニウムボンネット/熱反射・ノイズ軽減ガラス/プライバシーガラス/20インチAMG5ツインスポークアルミ/マルチビームLEDヘッドライト/アダプティブハイビームアシストプラス/AMGライドコントロール・エアサスペンション/AMGロゴ付きブレーキキャリパー/AMGエグゾーストシステム/AMGスタイリングパッケージ/AMGナイトパッケージ/レザーARTICO&ダイナミカシート/ブラックアッシュウッドインテリアトリム/AMGパフォーマンスステアリング(ナッパレザー)/10.25インチワイドディスプレイ(ナビ機能付き)/MBUX/クライメートコントロール
●装着メーカーop=レザーエクスクルーシブパッケージ(本革シート+サラウンドサウンドシステム+エアバランスパッケージほか)56万円/ガラススライディングルーフ13万2000円
●ボディカラー=イリジウムシルバーメタリック(op9万8000円)
※価格はすべて消費税込み

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