• TOP
  • 「最新モデル試乗」新鮮な驚き! 街なかベスト設計のホンダeはこだわり満載EV。ホンダらしさはここにあり

 ー 

「最新モデル試乗」新鮮な驚き! 街なかベスト設計のホンダeはこだわり満載EV。ホンダらしさはここにあり

Writer:河村康彦 Photo:小久保昭彦

ホンダeアドバンス 価格:495万円 試乗記

ホンダeアドバンス 価格:495万円 ホンダeは標準仕様(451万円)とアドバンス(495万円)を設定 主要メカニズムは共通 モーター出力と1充電時の走行距離が異なる 日本市場の年間販売予定は1000台 
ホンダeアドバンス 価格:495万円 ホンダeは標準仕様(451万円)とアドバンス(495万円)を設定 主要メカニズムは共通 モーター出力と1充電時の走行距離が異なる 日本市場の年間販売予定は1000台 

「コンパクトカーの新しい理想像」を追求。ホンダイズムの結晶体

 ホンダeは、2019年秋のフランクフルト・ショーでワールドプレミアされたピュアEV。直後の東京モーターショーでも展示されたので、その姿を目にした読者は少なくないだろう。

 ボディサイズは3895×1750×1510mm。欧州をメインターゲットにした開発背景もあり、全幅はいわゆる「3ナンバー枠」になるが、サイズ感としてはまさにコンパクト。フォルムは、SUV全盛の中でも根強い人気を誇る「2BOX型」だ。SUV風プロポーションは当初から考えなかったという。

 水平基調のシンプルなダッシュボードや2本スポークタイプのステアリングホイールをはじめ、そのデザインにホンダ躍進の原動力となった1972年登場の1stシビックのイメージをダブらせるユーザーもいるだろう。電気モーターで走るホンダeと1stシビックとの間には、直接の関連性はない。とはいえ「これまでの価値観にとらわれない新世代のコンパクトカーを作ろう」という強い思いから開発がスタートしたという点では、両車は共通している。

ホンダeは家庭に給電するV2Hと電気機器用V2Lに対応 非常時に電源車として活用できる
走りはしっかりとした印象 加速は力強い 駆動方式はRR ホンダeの初回販売受付は終了 次回は2020年11月にスタート予定

欧州優先設計。愛らしいルックスは存在感抜群

 ホンダeは、欧州で厳格化が決定したCO2(二酸化炭素)規制を踏まえて開発された。規制値を超えた場合に多額の「罰金」が科せられるCAFE(企業平均燃費)のCO2排出量データを好転させるために、CO2排出量がゼロカウントされるピュアEVを1台でも多く販売したい、というのがホンダの思いだ。一方で、欧州ほど規制が厳しくない現在の日本では、生産キャパシティの関係もあり、販売台数は年間1000台の予定。欧州メインの姿勢は、欧州での戦略的な価格設定や、日本の約10倍という販売目標台数に現れている。

 ホンダeのルックスは、何とも愛らしく、そしてインパクトがある。コンパクトサイズながら存在感は抜群。全体の塊感、そして各ボディパネルのフィッティング、小さいちりは印象的だ。サイドカメラミラーシステムの採用でドアミラーが消滅しただけでなく、カメラ用ステーまで姿を消し、デザインの完成度を高めている。試乗を通じて、「ボディ直付け」状態のカメラでも、必要十分な後方視界が室内ディスプレイに表示されることが確認できた。ディスプレイの位置や鮮明な画像は、現時点でベストなバーチャルミラーといえる。

ドアはサッシュレス構造 ボディは5ドアHB ルーフはブラック仕上げ
充電ポートはフロント中央に配置 リッドは回転スライドオープン式の高品位ガラス製

力強い加速。急速充電30分で200km走行

 ホンダeのラインアップは標準仕様とアドバンスの2グレード。標準仕様は136ps/315Nm、アドバンスは154ps/315Nmのモーターを搭載。1充電当たりの走行距離(WLTCモード)は、それぞれ283km、259km。「街なかベスト」のコンセプトを掲げたホンダeは、1充電当たりの走行距離にこだわるよりも、短い充電時間で実用十分な距離を走れるように工夫した発想が新しい。充電性能に優れた駆動用バッテリーの採用で、30分の急速充電で約200km走れるという。

 試乗車はアドバンス。パフォーマンスは力強い。一部のピュアEVが売り物とする「弾丸加速」にはほど遠いが、街乗りシーンでの加速力は「速い」と実感できる。「開発のスタートから間もない時点で、駆動輪を前輪から後輪へと変更した」という効果は、加速時に荷重が増す後輪が駆動を担当することで、安定した高度なトラクション能力を獲得している点に現れている。前輪がドライブシャフトから解放されたため実現した、4.3mという極端に小さな最小回転半径も大いに魅力的である。

 パイロットスポーツ4というミシュランの上級タイヤを装備し、基本的にフラット感の高いフットワークは、ホンダ車で最上の部類と思える上質な乗り味だ。パワートレーンを音源とする「暗騒音」が小さいため、相対的にロードノイズが目立つ傾向はあるが、静粛性はコンパクトカーとしては優秀な仕上がりだった。

インパネは5つのスクリーンを全面配置したワイドビジョン仕様 中央部に12.3インチ画面を連結した「ホンダコネクトディスプレイ」をセットする
量産車初のサイドカメラミラーシステム標準 カメラは170万画素 ユニットは車幅内に収まる 後側方の情報はインパネ左右の専用8㌅モニターに表示

高い実力と完成度。常識にとらわれない自由闊達さが魅力

 ダッシュボード全面がディスプレイというデザインにも「クラスを超えた可能性」を感じた。「これほど大きい画面にどんな有益情報を映すのか?」という点については、試行錯誤の段階という印象が残るし、運転視界に集中したいシーンではメーター以外をすぐに「暗転」できるようにするモードがほしいと感じた。だが、未来を感じる室内であることは確かだ。

 ホンダeは、これまでの常識にとらわれない自由闊達さが感じられるという点において、「いかにもホンダの作品らしい」。一方、コンパクトカーとして見ると、その価格はあまりに高価。ごく少数の販売台数と相まって、ポピュラーな存在とはいえない。
 高い実力と完成度は、ホンダの新しいイメージリーダーにふさわしいが、何とも残念である。

シートは優しい座り心地のファブリック仕様 前席はアコードと共通フレームを採用した大型サイズ 乗車定員は4名
メーターは機能を集約したシンプルな8.8インチ液晶 速度は大型デジタル式 表示モードは選択できる
ツイン形状12.3インチディスプレイはスマホ感覚で操作できる 専用壁紙も用意

ホンダeアドバンス 主要諸元と主要装備

グレード=アドバンス
価格=495万円
全長×全幅×全高=3895×1750×1510mm
ホイールベース=2530mm
トレッド=フロント1510×リア1505mm
最低地上高=145mm
車重=1540kg
電動機・型式=MCF5(交流同期発電機)
電動機・定格出力=60kW
電動機・最高出力=113kW(154ps)/3497~10000rpm
電動機・最大トルク=315Nm(32.1kgm)/0~2000rpm
動力用主電池・種類=リチウムイオン
動力用主電池・個数=192
動力用主電池・電圧=3.7V
動力用主電池・容量=50.0Ah
動力用主電池・総電圧=355.2V
WLTCモード燃費・一充電走行距離=259_㎞
交流電力量消費率=138_Wh/km
サスペンション=前後マクファーソン
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=フロント205/45ZR17/リア225/45ZR17+アルミ
駆動方式=RR
乗車定員=4名
最小回転半径=4.3m
●主要装備:ホンダセンシング(衝突軽減ブレーキ+前後誤発進抑制機能+近距離衝突軽減ブレーキ+歩行者事故低減ステアリング+路外逸脱抑制機能+渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール+車線維時支援システム+先行車発進お知らせ機能+標識認識機能+オートハイビーム)/パーキングセンサーシステム/LEDヘッドライト/ダブルホーン/ワイドスクリーン・ホンダコネクトディスプレイ+ETC2.0車載器/ホンダパーソナルアシスタント/デジタルグラフィックメーター(8.8インチTFT)/マルチインフォメーションディスプレイ/エレクトリックギアセレクター/8スピーカー/車内Wi-Fi/後退出庫サポート/プラズマクラスター技術搭載フルオートAC/前席シートヒーター/ステアリングヒーター/ファブリックシート/本革巻きステアリング/スカイルーフ(サンシェード付き)/サイドカメラミラーシステム/センターカメラミラーシステム/ドライブモードスイッチ/シングルペダルコントロール/減速セレクター/VGR(可変ステアリングギアレシオ)/マルチビューカメラシステム/プレミアムサウンドシステム/ホンダパーキングパイロット/100V・AC電源(1500W)/フロントガラスディアイサー/17インチアルミ
●ボディカラー:チャージイエロー
※価格はすべて消費税込み

ホンダ・パーソナルアシスタントは「OKホンダ」で起動 音声でナビ設定できる
走行セレクターとアクセル操作だけで走る「シンプルペダル」はボタンで切り替える
ドライブモード選択と電気式駐車ブレーキは室内中央に配置

関連記事

1

Related Article新車情報もっと読みたい

What's News最新情報