2020年モデルは最高出力が387psに向上。トヨタ・スープラの走りのアイデンティティに迫る!

トヨタ・スープラRZ 現行5thモデルの開発目標は「理想のFRスポーツ」 BMWとの共同開発車 2020年モデルは3リッター直6ターボの最高出力が従来の340psから387psに向上 ボディや足回りもリファインし実力をアップ
トヨタ・スープラRZ 現行5thモデルの開発目標は「理想のFRスポーツ」 BMWとの共同開発車 2020年モデルは3リッター直6ターボの最高出力が従来の340psから387psに向上 ボディや足回りもリファインし実力をアップ

トヨタ・スープラRZ 価格:8SAT 731万3000円 試乗記

プロポーションはスポーツカーの黄金比。ボディは超高剛性

 2019年に17年ぶりに復活を遂げたスープラは、BMWと共同開発した点が話題になった。とはいえ開発チームはBROS車のZ4と完全に分けられ、独自のデザインや走りの味付けが行われている。

 エクステリアは歴代トヨタスポーツのDNAを盛り込んでいる。ロングノーズ/ショートキャビンや、歴代車を彷彿させるファットなリアフェンダー回り、ダブルバブルルーフやランプ類を内側に寄せる手法が目をひく。
 インテリアは上下に薄いインパネと幅の広いコンソールという典型的なスポーツカー空間を構築。メーターやシート、操作系などにトヨタ専用品を採用する。

 エンジンは伝統の直列 6気筒(3リッターターボ)と、出力違いの直列4気筒(2リッターターボ)の3種類。トランスミッションは8速ATだ。
プラットフォームは最新BMWが採用するアルミニウム/スチールの骨格構造が採用され、ボディ剛性は86の約2.5倍、カーボンモノコックのレクサスLFAをも上回る。注目は、86よりも短いショートホイールベースとトレッドの関係。スポーツカーの黄金比(1.55)を実現した。一部モデルには電子制御ダンパーやアクティブデファレンシャルが奢られる。

全長×全幅×全高4380×1865×1290 mm 車重1530kg ボディは86比約2.5倍の高剛性仕様 0~100km/h加速は4.1秒でクリア
全長×全幅×全高4380×1865×1290 mm 車重1530kg ボディは86比約2.5倍の高剛性仕様 0~100km/h加速は4.1秒でクリア

進化するスポーツカー! 2020年モデルは最高出力が14%向上

 チーフエンジニアの多田哲哉氏は「86と同じように、毎年進化させていきます。でも、そのレベルはこれまでとは違う……」と語っていたが、その答えが2020年モデルである。1年目の改良は一般的には不具合対応や装備変更などの小改良が多いのだが、スープラはメカニズムにも手を加えた。

 RZのエンジンはインジェクターの噴射圧アップやターボ、エグゾーストマニホールド、圧縮比の変更により最高出力が340psから387psへ向上。出力アップによる力強さはもちろん、中~高回転域では回すほどにパンチが増す特性に変更された。スポーツエンジンらしいメリハリや盛り上がりが、鮮明になった点を評価したい。

 出力アップと合わせて、シャシー側も見直された。ボディはストラットとラジエターサポートを結ぶアルミ製ブレースを追加。サスペンションやアクティブデファレンシャルの設定も見直されている。その改良度合いはパワートレーン以上に大きい。

 クイックすぎるくらいだったステアリング応答性は、薄皮が1枚プラスされたような穏やかな味付けになった。フットワークは挙動変化こそ従来モデルより大きくなったものの、全体として自然かつ連続性のあるクルマの動きに変化した。結果的にクルマとの一体感と安心感が増している。
 たとえるなら、突っ張っていた筋肉の緊張が解け、本来の動きになったイメージだ。

インパネは機能的 中央にディスプレイをレイアウト ステアリングはグリップの太いスポーツ形状
インパネは機能的 中央にディスプレイをレイアウト ステアリングはグリップの太いスポーツ形状
シートはサポート性に優れたスポーツ形状 素材はアルカンターラ+本革のコンビ 着座位置が低い純スポーツカーポジション
シートはサポート性に優れたスポーツ形状 素材はアルカンターラ+本革のコンビ 着座位置が低い純スポーツカーポジション
2997cc直6DOHC24Vターボ 387ps/5800rpm 500Nm/1800~5000rpm 圧倒的なパワーとダイレクトなレスポンスを追求 回すほど刺激的なエンジン音を奏でる
2997cc直6DOHC24Vターボ 387ps/5800rpm 500Nm/1800~5000rpm 圧倒的なパワーとダイレクトなレスポンスを追求 回すほど刺激的なエンジン音を奏でる
フロント 255/35ZR19/リア275/35ZR19ミシュラン+フロント9J/リア 10J鍛造アルミ装 アダプティブバリアブルサスペンション標準
フロント 255/35ZR19/リア275/35ZR19ミシュラン+フロント9J/リア 10J鍛造アルミ装 アダプティブバリアブルサスペンション標準
排気エンドパイプは直径100mmのへアライン仕上げ 排気音は刺激的なサウンド
排気エンドパイプは直径100mmのへアライン仕上げ 排気音は刺激的なサウンド
液晶メーターは回転計中心意匠 速度はデジタル表示 ヘッドアップディスプレイ標準
液晶メーターは回転計中心意匠 速度はデジタル表示 ヘッドアップディスプレイ標準
トランスミッションは8速AT スポーツモード時の変速はシャープ MT感覚の変速感が味わえる パドルシフト標準
トランスミッションは8速AT スポーツモード時の変速はシャープ MT感覚の変速感が味わえる パドルシフト標準

トヨタ・スープラRZ主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=RZ
価格=8SAT 731万3000円
全長×全幅×全高=4380×1865×1290mm
ホイールベース=2470mm
トレッド=フロント1595×リア1590mm
車重=1530kg
エンジン=2997cc直6DOHC24Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=285kW(387ps)/5800rpm
最大トルク=500Nm(51.0kgm)/1800~5000rpm
WLTCモード燃費=12.0km_/リッター(燃料タンク容量52リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:8.1/12.6/14.6km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/35ZR19/リア:275/35ZR19+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2名
最小回転半径=5.2m
パワーウエイトレシオ=3.95kg/ps
トルクウエイトレシオ=3.06kg/Nm
※価格はすべて消費税込み

1978年式トヨタ・スープラ 日本で「セリカXX」を名乗った1stモデルから海外では「スープラ」として販売 1986年の3rdモデルから日本名もスープラに統一 当初はGTクーペだったが1994年登場の4thモ
1978年式トヨタ・スープラ 日本で「セリカXX」を名乗った1stモデルから海外では「スープラ」として販売 1986年の3rdモデルから日本名もスープラに統一 当初はGTクーペだったが1994年登場の4thモ
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