【最新モデル試乗】原点回帰のシンプルデザイン。広く、使いやすく、そして先進的な新型フィットを長く愛せる理由

ホンダ・フィットe:HEVホーム ラインアップはベーシック/ホーム/ネス/クロスター/リュクスの5グレード構成 販売主力は本革巻きステアリングやソフトパッドインテリアなど装備充実のホーム ハイブリッドは高効率2モーターe:HEVシステム ボディ色はモノトーン/2トーンを合わせ全25タイプ用意
ホンダ・フィットe:HEVホーム ラインアップはベーシック/ホーム/ネス/クロスター/リュクスの5グレード構成 販売主力は本革巻きステアリングやソフトパッドインテリアなど装備充実のホーム ハイブリッドは高効率2モーターe:HEVシステム ボディ色はモノトーン/2トーンを合わせ全25タイプ用意

ホンダ・フィットe:HEVホーム(FF) 価格:206万8000円 試乗記

パッケージング超優秀。新型は愛らしく、シンプル。愛着が湧く

注目ポイント
1:原点回帰したシンプルなデザイン
2:独創のパッケージングが生む広い室内

 歴代フィットの最大の特徴は、なんといっても、独創のパッケージングだ。前席下に燃料タンクを置くレイアウトで、小柄なボディからは想像できないほど広く使いやすいキャビンを実現した。とりわけ後席や荷室回りのスペースとユーティリティは、いまだに並ぶものがない。
 そのうえで最新4thモデルは、ダイナミックなデザインだった旧型から一変。1stモデルのようなシンプルかつスマートな姿になった。かつてのN360や1stシビックがそうだったように、パッケージングのよさをアピールする姿勢を取り戻したことが好ましい。

 インテリアは、外観以上に新鮮だ。低くフラットなインパネと細いピラーが織り成す視界の広がりは新鮮そのもの。歩行者保護対策のためにボリューム感が増す傾向にある最近のクルマとしては異例だ。このすっきり感のために、メーターはバイザーレスの液晶パネルにするなど、さまざまな工夫がなされている。
 キャビンは、広さと快適性に磨きがかかった。身長170cmのドライバーがドライビングポジションを取った後方で楽に足が組める。歴代フィットは前席座面が薄い点がウイークポイントだった。現行型はシート構造を変更してクッションを厚くしており、腰を下ろすと従来よりも沈み込みを感じる。新型の「居心地」は、前後席とも抜群にいい。

全長×全幅×全高3995×1695×1515mm 車重1180kg新型のプラットフォームは旧型の大幅改良バージョン
全長×全幅×全高3995×1695×1515mm 車重1180kg新型のプラットフォームは旧型の大幅改良バージョン
荷室は広くフラット ダイブダウン式の後席を倒すと本格ワゴン並みのフラットスペースが出現
荷室は広くフラット ダイブダウン式の後席を倒すと本格ワゴン並みのフラットスペースが出現

走りは大人の味わい。運転支援システム成熟。安心できる!

 パワートレーンはハイブリッドが1.5リッター直4エンジン(98ps)+2モーター(109ps)、ガソリンが1.3リッター直4(98ps)となる。
 ハイブリッドは一般道の加速をモーターだけで行うので、静かで滑らか。発電のためにエンジンが始動してもほとんど気づかない。高速道路ではエンジンで駆動するが、4気筒のサウンドは3気筒よりも滑らかなのでリラックスできる。

 1.3リッターモデルは排気量が小さくなるものの、力不足ではない。このクラスでは希少になりつつある4気筒なので、回してもそれほど音は気にならない。ハイブリッド比で約100kg軽いボディを生かした軽快なフットワークが楽しめる、という利点もある。

 新型で感心するのは、しっとりした乗り心地だ。かつてのホンダのスモールカーとは一線を画しており、高速道路でのゆったりした振る舞いは昔のフランス車を思わせる。成熟を感じる運転支援機構のおかげもあり、リラックスして距離を重ねていける。
 フィットは、走りそのものに元気がみなぎるタイプではない。しかし、ともに暮らす毎日には、独創的なパッケージングをどう使いこなそうか、という楽しみがある。日々の移動の中で、クルマを持つ喜びをもたらしてくれる1台である。

インパネはシンプル形状 新型の視界は超ワイド 本革巻きステアリングの操作性はしっかりとした印象 各部の作りは上質 写真の9インチナビはop(20万5543円)
インパネはシンプル形状 新型の視界は超ワイド 本革巻きステアリングの操作性はしっかりとした印象 各部の作りは上質 写真の9インチナビはop(20万5543円)
ホームはファブリックとプライムスムースのコンビシート標準 前後席とも快適な座り心地 燃料タンクを前席下に配置する工夫で圧倒
ホームはファブリックとプライムスムースのコンビシート標準 前後席とも快適な座り心地 燃料タンクを前席下に配置する工夫で圧倒
後席座面をチップアップすると背の高い荷物が積めるフリー空間になる
後席座面をチップアップすると背の高い荷物が積めるフリー空間になる
フル液晶メーターはバイザーレスタイプ デジタル速度計下に各種情報を表示する設計
フル液晶メーターはバイザーレスタイプ デジタル速度計下に各種情報を表示する設計
ハイブリッドは電気式トランスミッション 急加速時は巧みなエンジン協調制御が小気味いい
ハイブリッドは電気式トランスミッション 急加速時は巧みなエンジン協調制御が小気味いい
ACCは全車速対応タイプ 渋滞時を含め制御はスムーズ
ACCは全車速対応タイプ 渋滞時を含め制御はスムーズ
ヘッドライトはチャーミングな形状のLED オートハイビーム標準
ヘッドライトはチャーミングな形状のLED オートハイビーム標準
2本目のドア側ピラーを強固にする工夫で極細Aピラーを実現 視界は超ワイド
2本目のドア側ピラーを強固にする工夫で極細Aピラーを実現 視界は超ワイド
写真の185/55R16+アルミはop(6万6000円) 標準は185/60R15+スチールの組み合わせ
写真の185/55R16+アルミはop(6万6000円) 標準は185/60R15+スチールの組み合わせ
1496cc直4DOHC16V(98ps/127Nm)+モーター(109os/253Nm) エンジンは発電と高速走行時に使用 通常の走行はモーターが担当 静粛性は全域高水準 WLTCモード燃費:28.8km/リッター 1.3リッターガソリン(98ps/118Nm)も設定
1496cc直4DOHC16V(98ps/127Nm)+モーター(109os/253Nm) エンジンは発電と高速走行時に使用 通常の走行はモーターが担当 静粛性は全域高水準 WLTCモード燃費:28.8km/リッター 1.3リッターガソリン(98ps/118Nm)も設定

ホンダ・フィットe:HEVホーム(FF) 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=e:HEVホーム(FF)
価格=206万8000円
全長×全幅×全高=3995×1695×1515mm
ホイールベース=2530mm
トレッド=フロント1485×リア1475mm
車重=1180kg
エンジン=1496cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=72kW(98ps)/5600~6400rpm
最大トルク=127Nm(13.0kgm)/4500~5000rpm
モーター最高出力=80kW(109ps)/3500~8000rpm
モーター最大トルク=253Nm(25.8kgm)/0~3000rpm
WLTCモード燃費=28.8km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(市街地/郊外/高速道路:29.6/31.8/27.0km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤサイズ=185/60R15+スチール
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=4.9m
●主な燃費改善対策:ハイブリッドシステム/アトキンソンサイクル/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング
●主要装備:ホンダセンシング(衝突被害軽減ブレーキ+前後誤発進抑制機能+歩行者事故低減ステアリング+路外逸脱抑制機能+渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール+車線維持支援システム+オートハイビーム+先行車発進お知らせ機能+標識認識機能)/パーキングセンサー/サイドカーテンエアバッグ/フルLEDヘッドライト/セキュリティアラーム/LEDポジション&ターンランプ/ハーフシェイドフロントウィンドウ/電動サーボブレーキ/AC用フル電動コンプレッサー/充電用USBジャック/本革巻きステアリングホイール&セレクトレバー/コンビシート(プライムスムース&ナチュラルテキスタイル)/プライムスムースソフトパッド/スマートフォントレー/プラチナ調クロームメッキドアハンドル&ACアウトレットノブ/チップアップ&ダイブダウン機構付き6対4分割リアシート/後席センターアームレスト/助手席シートバックポケット
●装着メーカーop:ナビ装着用スペシャルパッケージ4万9500円(LEDマップ&ルームランプ付き)/コンフォートビューパッケージ3万3000円/16インチアルミホイール6万6000円
●ボディカラー:プレミアムサンライトホワイトパール(op5万5000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は9240円

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