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「最新モデル試乗」圧巻の走り! GRヤリスに乗ると本気度が見える。これぞ4WDスポーツの新世界基準

Writer:河村康彦 Photo:小久保昭彦

トヨタGRヤリスRZ ハイパフォーマンス 6MT 456万円 試乗記

トヨタGRヤリスRZハイパフォーマンス 価格:6MT 456万円 GRヤリスはWRC(世界ラリー選手権)勝利を目指し先進テクノロジーを積極投入 1.6リッターターボ(272ps)のRZ/RC系(4WD)と1.5リッター(120ps)のRS(FF)を設定
トヨタGRヤリスRZハイパフォーマンス 価格:6MT 456万円 GRヤリスはWRC(世界ラリー選手権)勝利を目指し先進テクノロジーを積極投入 1.6リッターターボ(272ps)のRZ/RC系(4WD)と1.5リッター(120ps)のRS(FF)を設定

専用メカニズムを積極投入。WRCの王者を目指した本格設計

注目ポイント
1:心躍るハイパフォーマンス
2:スモールカーの新基準となる高い完成度

 トヨタが1から作り出したスポーツカー……社長自身がそう紹介する、GRヤリスが発売された。ここでの「1から」というフレーズには、おそらく86やスープラがSUBARU、BMWとの共同作業とならざるを得なかった経緯に対する、少々忸怩たる思いも含まれているのだろう。
 その一方で、「えっ? GRヤリスって〈スポーツカー〉だったの?」という印象を抱いた読者がいるかもしれない。

 スポーツカーに明確な定義は存在しない。〈スポーツカー〉を「高性能な走りと、流麗な2ドアクーペ型スタイルを備えたクルマ」と定義するファンにとって、ちょっと無骨でひたすらコンペティティブなGRヤリスは、「スポーツカーとは相容れないルックスの持ち主」と解釈したくなるだろう。
 一方で、これまで世界の1級スポーツカーと認められてきた名車たちが、走りの性能を追求するために、「特別な骨格や固有のメカニズムを占有」してきた歴史と事実を振り返れば、「GRヤリスは紛れもなく純粋なスポーツカーだ」と納得できる。

「効率」の高さが第一義に追求される現代では、世界的に著名なスポーツカーでさえ専用開発されたメカニカルコンポーネンツを独占使用するのは難しい。とくに同じグループ内に類似したキャラクターのモデルが存在する場合は、さまざまな手法で共有するのは当たり前だ。
 その点、GRヤリスは、「スポーツカーの中でも格別スポーツカーらしい存在」といえる。なにしろ、このモデルのためだけにさまざまなアイテムを開発し、専用工場(GRファクトリー)まで作ったのだ。ここまで腹を括った開発・生産が行われる背景には、「WRC(世界ラリー選手権)で頂点に立つ」という大命題がある。

 GRヤリスの発売で、5ドアハッチバック、SUV仕立てのヤリスクロスを含めたヤリス・シリーズは、ラインアップが完成した。当初は「ヴィッツの後継車」とも思われたヤリスだが、実はここまで広範囲なプロジェクトが仕込まれていたとはあっぱれである。ヤリス・シリーズはトヨタの最新技術とクオリティのショーケースであり、先進性の象徴。しかも販売台数でトップに立つなど、ユーザーから圧倒的な支持を集めている。

強靭なボディは不快な振動を一瞬にして減衰 RZ系の加速力は圧倒的 速さは超一級
4WDシステムは軽量ハイレスポンス構造 RZハイパフォーマンスは前後トルセンLSDを装備 前後重量配分は59対41 バッテリーをラゲッジルーム床下に装着するなどの工夫で理想的なバランスを実現 ルーフは軽量カーボン製

ベースモデルRSの高い実力。トヨタの高い志が感じられる!

 ヤリスは、ボディ骨格やパワーユニット、シャシーなどあらゆる部分に最新世代のアーキテクチャー「TNGA」を導入。これまでのスモールカーをはるかに超えた上質な走りのテイストを味わわせてくれる。初めて触れた際の衝撃はまだ冷めやらない。が、そんな中でも、走り出してすぐに「これはただ者ではないな」と強く実感させられたのが、GRヤリスのベースグレード、RSだ。

 RSは1.5リッター直3エンジン(120ps/145Nm)を搭載したFFモデル。CVTに疑似的10速シーケンシャルモードが与えられているものの、パワートレーンは「標準ヤリス」譲り。そんなRSの魅力ポイントはボディとシャシーだ。
 このグレードにまでカーボンルーフがおごられた理由は、WRC参戦に必要なホモロゲーション台数クリア(ボディモノコック変更は不可)を狙っての方策に違いない。凝った3ドア構造が生み出した剛性感の高さは圧倒的。乗り心地は街乗りシーンではちょっと我慢が必要……というレベルだが、不快感は最小限。というのは、ボディ剛性が極めて高いため、振動が一瞬にして減衰されるからだ。

 ノイズは全般的に大きい。が、発進ギア付きCVTはフル加速シーンでも「まずエンジン回転数だけが高まる」という特有のラバーバンド感は気にならない。タイトな伝達感は、CVTであることを忘れてしまうほど。それでも、MTがあってもよかったのに、という思いを抱いた。そうしたユーザーニーズはすでに開発陣にも届いているようだ。
 剛性感に富んだタッチのブレーキや、ホールド性に優れながら乗降を妨げないシートにも「しっかり作り込んでいる」と感心した。標準ヤリスの高いポテンシャルは認識していたが、RSグレードは「本気を出せば、ここまで出来る」と感じさせられた逸品だった。

GRヤリスRS 価格:10CVT 265万5000円 RSはGRヤリスの魅力を2ペダルで楽しめる注目のFFモデル パワーユニットは自然吸気仕様の1.5リッター直3DOHC12V(120ps/145Nm) スタイリングと内装は4WDターボのRZと共通仕様 足元は225/40R18ダンロップ製タイヤとエンケイ製アルミ装着 全長×全幅×全高3995×1805×1455mm 車重1130kg

RZの速さは圧巻! 最新4WDスポーツの代表といえる

 RZ系は、RSの魅力はそのままに、圧倒的なスピード性能が上乗せされている。1.6リッターから 272ps/390Nmを生み出す「特別な心臓」と「4WDシャシー」の組み合わせは、まさに無敵である。

「排気干渉がなく、掃気能力が4気筒よりも優れている点が決定打となった」という、3気筒の完全新開発1.6リッターエンジンは、ターボチャージャーにセラミックボールベアリングを採用。大容量インタークーラーにウォータースプレイ機能を加えるなど、随所にコンペティションユースを意識した作り込みが実施された。圧倒的なパワーは3500rpm付近から上で炸裂する。とはいえ1300rpm程度をクリアしていれば、そこから速度を回復できるフレキシブルさも持ち合わせる。エンジンの実力はすこぶる高い。
 6速MTのシフトフィールは小気味よく、レッドラインの7000rpmまで踏み込むと1速60km/h、2速95km/hと、一気に伸びる。ギア比の繋がり具合は適切。ちなみに、100km/hクルージングは2500rpmほどでこなす。

 駆動方式はトルクスプリット4WD。残念ながら今回の試乗の舞台は一般道。駆動力配分をノーマル(前後60対 40)、スポーツ(同30対70)、トラック(同50対50)の3モードに切り替えできるが、走行モードによるハンドリングの違いを体感することは難しかった。それでもスポーツモードでは、コーナーでの積極的なパワーオンによって後輪側が外側へとふくらみ出そうとするテイストを実感。個人的にはドライの舗装路面は、スポーツモードを基本に選択することになると思う。

 ベーシックモデルの王道を行くヤリスに、SUVのユーティリティ性を追求したヤリスクロス、そして戦うためのGRヤリスが加わり、ヤリス・シリーズは高い実力と幅広い個性が際立つ。グローバルな視点で見ても、スモールカーの新基準を確立した。まさに最新日本車の代表だ。

フロントマスクは精悍 ヘッドライトは標準ヤリスとの数少ない共通アイテム LED仕様 バンパーに小型形状フォグをビルトイン
1618cc直3DOHC12Vターボ 272ps/6500rpm 370Nm/3000~4600rpm WRC常用域で最大の性能が引き出せる設計 ターボはセラミックボールベアリング式 ボア×ストロークは87.5×89.7mm WLTCモード燃費:13.6km/リッター
RZハイパフォーマンスは225/40ZR18ミシュラン・パイロットスポーツ4S+BBS製8J鍛造アルミ標準
リア中央にバックランプ装着 エグゾーストエンドは左右ツイン 排気サウンドは刺激的
GRヤリスは専用小径スポーツステアリング装着 中央は8インチディスプレイオーディオ インパネの基本造形はヤリスと共通 ハンドリングは自在感覚
前席はサポート性と快適性に優れたバケット形状 RZハイパフォーマンスはプレミアムスポーツシート標準 素材はウルトラスエードと合成皮革のコンビ  ヘッドレスト部に「GR」のロゴが入る 乗車定員は4名
メーターは機能的な2眼デザイン 速度計は280km/hスケール 中央液晶パネルに前後トルク配分/ブースト計を表示
6速MTはクロースレシオ設定 最適な回転制御を行うiーMT機能付き
4WDモード切り替えスイッチ ノーマル/スポーツ/トラックの3モード

トヨタGRヤリスRZハイパフォーマンス 主要諸元と主要装備

グレード=RZハイパフォーマンス
価格=5MT 456万円
全長×全幅×全高=3995×1805×1455mm
ホイールベース=2560mm
車重=1280kg
エンジン=1618cc直3DOHC12Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=200kW(272ps)/6500rpm
最大トルク=370Nm(37.7kgm)/3000~4600rpm
WLTCモード燃費=13.6km/リッター(燃料タンク容量50リッター)
(市街地/郊外/高速道路=10.6/13.8/15.3km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/45ZR18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=5.3m
●主な燃費改善対策:筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/アイドリングストップ/充電制御
●主要装備:アクティブトルクスプリット4WDシステム/4WDモードセレクトスイッチ/スポーツモード付きVSC/トルセンLSD/専用チューニングサスペンション/フロント18インチアルミ対向4ポッドキャリパー&リア16インチアルミ対向4ポッドキャリパーブレーキ/空冷インタークーラー/カーボンルーフ(フィルム)/アルミ製ボディパネル/リアスポイラー/3灯LEDヘッドライト/スポーツメーター/本革巻きステアリングシフトノブ/アルミペダル/スマートエントリー/プレミアムスポーツシート(ウルトラスエード&合成皮革)/フルオートAC/8インチディスプレイオーディオ/BBS製鍛造アルミ/ミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤ/盗難防止システム/JBLサウンドシステム+アクティブノイズコントロール
●装着メーカーop: トヨタセーフティセンス(プリクラッシュセーフティ+レーントレーシングアシスト+レーダークルーズコントロール+ブラインドスポットモニター+クリアランスソナー&バックソナーほか)24万9700円/シートヒーター2万7500円
●ボディカラー:プラチナホワイトパールマイカ(op3万3000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は8820円

ヤリス・ハイブリッドZ(FF) 価格:THS 229万5000円 ヤリスは1.5リッターハイブリッド/1.5リッターガソリン/1リッターガソリンを設定 4WDはハイブリッドと1.5リッターに設定
ヤリスクロス・ハイブリッドZ(FF) 価格:THS 258万4000円 世界戦略コンパクトSUV 1.5ℓハイブリッドと1.5リッターガソリン設定 全車FFと4WDを設定

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