【最新モデル試乗】グラマラスな輝き。ポルシェ911カレラ4カブリオレの優雅なスポーツ性能

ポルシェ911カレラ4カブリオレ 価格:8SMT 1729万円 最新911は従来モデルと同様クーペ/カブリオレ/タルガの3ボディ構成 カレラ4は4WD仕様
ポルシェ911カレラ4カブリオレ 価格:8SMT 1729万円 最新911は従来モデルと同様クーペ/カブリオレ/タルガの3ボディ構成 カレラ4は4WD仕様

ポルシェ911カレラ4カブリオレ 価格:8SMT 1729万円 試乗記

992型ラインアップ拡充中! カブリオレは美しきオープンスポーツ

 1964年の1stモデル誕生以来、8thモデルとして2018年末にローンチされた「991型」のポルシェ 911。最新世代のラインアップ拡充は、多くのファンが予想したとおりのプログラムで進行中だ。
 すなわち、カブリオレにタルガ、そしてターボ……と、歴代の911と同様のバリエーションが続々と登場。カレラSと、4WDバージョンのカレラ4Sのクーペでスタートを切った最新911は、デビュー2年にしてかつて見られた「大家族構成」を取り戻しつつある。

 試乗車は、現行 911シリーズ中、最もベーシックな3リットルリッターターボ(385ps/450Nm)を8速DCTとともに搭載。その出力を4輪へと伝えるフルオープンボディのカレラ4カブリオレ。テスト車には14ウェイの電動スポーツシートやフロントが20/リアは21インチの「カレラクラシック・ホイール」、ボーズ社製のサウンドシステムなど300万円を超えるオプションを装着。トータル価格は2000万円オーバーの仕様になっていた。

 最新911は、ボクスター/ケイマン・シリーズがすでに確固たるブランド力を確立しているという判断からか、価格面を含め、ミッドシップ系に対してさらなる高みを狙ったスーパースポーツというキャラクターを鮮明にしている。「最もベーシック」といえども385psという大出力を発する心臓を搭載する点や、圧倒的な効果を発揮する電動式のウインドディフレクター(残念なことに流麗なスタイリングを大きくスポイルするが)を標準で装着するなど、単なるオープンスポーツカーとしての範疇を大きく超えた、何ともゴージャスな内容を満載する。

全長×全幅×全高4519×1852×1297mm ホイールベース2450mm 車重1630kg パワーウエイトレシオ:4.23kg/ps 乗車定員:4名
全長×全幅×全高4519×1852×1297mm ホイールベース2450mm 車重1630kg パワーウエイトレシオ:4.23kg/ps 乗車定員:4名
クローズド時のルーフラインは滑らか ボディの剛性感はクーペに一歩及ばない印象 現行992型はリア回りのボリューム感が魅力
クローズド時のルーフラインは滑らか ボディの剛性感はクーペに一歩及ばない印象 現行992型はリア回りのボリューム感が魅力

日常を解き放つ存在! オープンクルーズは最良の時間

 カブリオレは、ルーフを閉じた場面では、お馴染みのプロポーションを再現する一方で、オープン時には911の個性であるリアエンジンレイアウトをクーペボディ以上に強調。リア回りの、実にボリューミーな膨らみは官能的ですらある。

 当初からオープン化を見込んだ設計が施された効果か、カレラ4クーペに対する重量差は驚くほど小さい。車重は1630kg。走りのテイストは当然クーペに準じたもの。加速は全域強力。トップスピードは291km/hに達する。ボディ剛性感がクーペに一歩及ばない印象は確かにあるものの、その差は大きくはない。そもそも剛性感を気にするユーザーは、数ある選択肢の中からあえてカブリオレを選ぶことはないだろう。

 カブリオレは、50km/h以下ならば走行中であっても、クローズからオープン、そしてその逆の行程を素早くやってのけるソフトトップを手に入れた。その結果、クーペボディの911とは異なる走りの感動を味わわせてくれる。それは「日常を解き放つ自由]といったら適当だろうか。頭上にさえぎるもののないフルオープンでのドライビングは、トラディショナルなスポーツカーと同質の高揚感、充実を感じさせる。

 2ペダル式のトランスミッションを備えるゴージャスなオープンモデルとはいえ、あえてマニュアルモードを選択して周波数が激しく上下するエグゾーストサウンドを耳にしたくなる。どっしりと安定しながらも、シャープなハンドリング感覚を楽しみたくなるのだ。その走りは超一級品。911が生粋のスポーツカーであることを改めて教えてくれる。

 カレラ4カブリオレは、あえていえば「最もサーキットから遠いポジションに位置する911」である。が、そんなキャラクターの持ち主だからこそ、911という歴史あるモデルに宿る、スポーツカーならではのピュアな魅力を呼び覚ましてくれる。日常的にオープンで乗りたくなる、奥深い味わいを備えた1台である。

リアランプは左右連結デザイン 夜間時に強い存在感を発揮 90㎞/h以上で上昇し150㎞/h以上で角度を変えるリアスポイラーを標準装備する
リアランプは左右連結デザイン 夜間時に強い存在感を発揮 90㎞/h以上で上昇し150㎞/h以上で角度を変えるリアスポイラーを標準装備する
フル電動ソフトトップの動きはスムーズ 50km/hまでなら走行中でも操作できる 開閉時間は約20秒 トップは専用スペースに収納
フル電動ソフトトップの動きはスムーズ 50km/hまでなら走行中でも操作できる 開閉時間は約20秒 トップは専用スペースに収納
ヘッドライトはLED 個性的なメインビーム周囲のデイランプ
ヘッドライトはLED 個性的なメインビーム周囲のデイランプ
タイヤはフロント245/35ZR20/リア305/30ZR21の前後異径 写真のカレラクラシック・アルミはop(36万9000円)
タイヤはフロント245/35ZR20/リア305/30ZR21の前後異径 写真のカレラクラシック・アルミはop(36万9000円)
排気エンドパイプは左右ツイン エンジン始動時1分ほどは刺激的な快音発生する設定
排気エンドパイプは左右ツイン エンジン始動時1分ほどは刺激的な快音発生する設定
2981cc水平対向6DOHC24Vターボ 385ps/6500rpm 450Nm/1950~5000rpm アクセルに即答するレスポンスと高回転域のサウンドは快感 エンジン本体は見えない
2981cc水平対向6DOHC24Vターボ 385ps/6500rpm 450Nm/1950~5000rpm アクセルに即答するレスポンスと高回転域のサウンドは快感 エンジン本体は見えない
インパネは「ナロー時代」のイメージを取り入れた造形 中央に10.3インチタッチスクリーン装備 ステアリングの操舵権はがっちりとした印象 ドライビングポジションを決めるとフロントフェンダーの峰が見える 911の伝統
インパネは「ナロー時代」のイメージを取り入れた造形 中央に10.3インチタッチスクリーン装備 ステアリングの操舵権はがっちりとした印象 ドライビングポジションを決めるとフロントフェンダーの峰が見える 911の伝統
シートは本革仕様 写真の14ウェイ電動スポーツタイプはop(37万7000円) 乗り心地は良好 オープン時の開放感抜群
シートは本革仕様 写真の14ウェイ電動スポーツタイプはop(37万7000円) 乗り心地は良好 オープン時の開放感抜群
電動式ウインドディフレクターは効果抜群 風の巻き込みを抑制
電動式ウインドディフレクターは効果抜群 風の巻き込みを抑制
メーターは丸型5連式 中央のタコメーターを除き液晶タイプ レッドゾーンは7400rpm以上
メーターは丸型5連式 中央のタコメーターを除き液晶タイプ レッドゾーンは7400rpm以上
8速DCTのセレクターはシンプル形状 パドルシフト標準
8速DCTのセレクターはシンプル形状 パドルシフト標準
ソフトトップの開閉スイッチはコンソール部にレイアウト
ソフトトップの開閉スイッチはコンソール部にレイアウト

ポルシェ911カレラ4カブリオレ 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=カレラ4カブリオレ
価格=8SMT 1729万円
全長×全幅×全高=4519×1852×1297mm
トレッド=フロント1591×リア1557mm
ホイールベース=2450mm
車重=1630kg
乗車定員=4名
エンジン=2981cc水平対向6DOHC24Vターボ
最高出力=283kW(385ps)/6500rpm
最大トルク=450Nm(45.9kgm)/1950~5000rpm
燃料タンク容量=64リッター
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント245/35ZR20/リア305/30ZR21
駆動方式=4WD
最小回転半径=5.4m
最高速度=291km/h
0~100km/h加速=4.4秒
※価格を除きスペックは欧州仕様

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