ジープの本格オフローダーのラングラーにプラグインハイブリッドモデルが登場

ジープ・ラングラーもいよいよ電動化。2リットル直4ガソリンターボエンジンにモーターとベルトスタートジェネレーターを組み込んだPHV仕様が新設定

 FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は2020年12月23日(現地時間)、ジープの本格オフローダーに位置するラングラーにプラグインハイブリッドモデルの「4xe」をラインアップし、2021年第1四半期に発売すると発表した。なお、米国で最初に市場に送り出すモデルは「サハラ4xeローンチエディション(Sahara 4xe Launch Edition)」と「ルビコン4xeローンチエディション(Rubicon 4xe Launch Edition)」で、車両価格はサハラが4万7995ドル(約497万円)、ルビコンが5万1695ドル(約535万円)に設定する。

▲ジープ・ラングラーにプラグインハイブリッドモデルを新設定。写真は米国で最初に市場に送り出す特別仕様車のルビコン4xeローンチエディション。生産はオハイオ州のFCAトレド工場が担う
▲ジープ・ラングラーにプラグインハイブリッドモデルを新設定。写真は米国で最初に市場に送り出す特別仕様車のルビコン4xeローンチエディション。生産はオハイオ州のFCAトレド工場が担う

 ラングラー4xeは、本格オフローダーにふさわしい、高い走破性と優れた環境性能を高次元で両立した電動化時代の新世代ジープとして開発される。

 パワーユニットについては、2リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力270hp/最大トルク295lb-ft)、専用セッティングの8速オートマチックトランスミッション、2基のモーター(同134hp/181lb-ft)、「eトルク」と称するベルトスタートジェネレーター、17kWhの容量を確保した400Vリチウムイオンバッテリーで構成。システム全体では375hp/470lb-ftのパワー&トルクを発揮する。また、バッテリーパックとコントロールシステムはメンテナンス性を考慮して2列目シート下部に搭載した。一方、駆動機構には4×4システムを採用し、最大0.25gの回生ブレーキを装備。性能面では0→60マイル加速が6.0秒、燃費が米国EPA(環境保護局)の基準値で50MPGeを達成する。そして、充電ポートは左フロントフェンダー部に設置し、充電状態を示すLEDインジケータをセット。インストルメントパネル上部にはLED表示のバッテリー残量モニターを組み込み、充電中の電池残量も確認できる仕組みだ。

▲パワーユニットは2リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(270hp/295lb-ft)、8速オートマチックトランスミッション、2基のモーター(134hp/181lb-ft)、「eトルク」と称するベルトスタートジェネレーター、17kWhの容量を確保した400Vリチウムイオンバッテリーで構成する
▲パワーユニットは2リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(270hp/295lb-ft)、8速オートマチックトランスミッション、2基のモーター(134hp/181lb-ft)、「eトルク」と称するベルトスタートジェネレーター、17kWhの容量を確保した400Vリチウムイオンバッテリーで構成する

 走行モードに関しては、「E Selec」と呼称する3種類を設定。具体的には、ガソリンエンジンとモーターの出力を最適にバランスさせる「ハイブリッド」モード、バッテリー残量が少なくなるまでゼロエミッションで走行する「エレクトリック」モード、ガソリンエンジンの駆動力を優先してバッテリーの電力を節約する「eセーブ」モードの選択が可能だ。各モードはステアリング左側に設けたスイッチで選べるが、バッテリー残量が少なくなった際は自動的に「ハイブリッド」モードに切り替わるようにセッティングしている。

▲走行モードに「E Selec」を採用。「ハイブリッド」モード、「エレクトリック」モード、「eセーブ」モード(写真)の3種類が選択できる
▲走行モードに「E Selec」を採用。「ハイブリッド」モード、「エレクトリック」モード、「eセーブ」モード(写真)の3種類が選択できる

 エクステリアについては、既存のラングラー・サハラおよびルビコンのデザインをベースに、専用ボンネットやフック、エンブレム類などにブルーのアクセントを取り入れたことが特徴。内包するインテリアも既存のラングラー・サハラおよびルビコンの造形を基調に、8.4インチタッチディスプレイや7インチマルチビューディスプレイ、ドライブモードスイッチなど専用アレンジのアイテムを組み込む。また、ラゲッジは駆動用バッテリーを追加搭載したにもかかわらず、内燃機関モデルと遜色のない容量を確保した。

▲専用ボンネットやフック、エンブレム類などにブルーのアクセントを施す。充電ポートは左フロントフェンダー部に設置
▲専用ボンネットやフック、エンブレム類などにブルーのアクセントを施す。充電ポートは左フロントフェンダー部に設置

 一方、ローンチエディションに関しては、サハラ4xeに20インチホイールやレザー表皮バケットシート、LED照明グループ、Uconnect 4C NAV、サブウーハー/出力552W・12チャンネルアンプ付9スピーカーAlpineオーディオシステム、2.72:1 Selec-Tracフルタイム4WDシステム/Dana 44 HDワイドアクスルなどを、ルビコン4xeにLED照明グループやUconnect 4C NAV、サブウーハー/出力552W・12チャンネルアンプ付9スピーカーAlpineオーディオシステム、4:1 Rock-Tracヘビーデューティーフルタイム4WDシステムなどを標準で装備している。

▲8.4インチタッチディスプレイや7インチマルチビューディスプレイ、ドライブモードスイッチなど専用アレンジのアイテムを装備する
▲8.4インチタッチディスプレイや7インチマルチビューディスプレイ、ドライブモードスイッチなど専用アレンジのアイテムを装備する

 なお、FCAは今後のジープ・ブランドの電動化において、プラグインハイブリッドモデルをメインに据える予定。先ごろ発売されたレネゲードとコンパス、今回デビューを飾ったラングラーなど、2022年までにPHVモデルを10車種ラインアップし、合わせてEVを4車種設定する計画だ。日本市場への導入スケジュールは、2020年11月に発売済のレネゲード4xeを除いて、現在のところ未定である。

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