【最新モデル試乗】姿はBMW、走りはスーパーカー、なぜこんなに違う!? アルピナが叶える走りの芸術

アルピナB3リムジン B3はリムジン(セダン)とツーリング(ワゴン/1297万円)を設定 BMW3シリーズのスポーツポテンシャルを徹底的に高めたビスポークモデル 最高速度は303km/h 0~100km/h加速は3.8秒でクリア
アルピナB3リムジン B3はリムジン(セダン)とツーリング(ワゴン/1297万円)を設定 BMW3シリーズのスポーツポテンシャルを徹底的に高めたビスポークモデル 最高速度は303km/h 0~100km/h加速は3.8秒でクリア

アルピナB3リムジン 価格:8SAT 1229万円 試乗記

B3はアルピナの主力にして最新。3リッター直6ツインターボ(462ps)搭載

 アルピナは、ドイツ運輸省に公認された「自動車メーカー」。BMW車をベースに独自のチューニングを施したスペシャルモデルを生産している。その数は、年間2000台にも満たない。BMWはその実力を高く評価しており、アルピナ車にはBMW本体の保証を適用。ハイパフォーマンス仕様のMモデルとは一部競合関係にあるが、互いをリスペクトする良好な関係を構築している。

 B3はアルピナの主力にして最新モデル。リムジンすなわちセダンと、ツーリングと呼ぶステーションワゴンの2タイプがラインアップされ、3リッターのツインターボ付き直6エンジン(462ps/700Nm)を、アルピナスウィッチトロニックと称される8速ステップATと組み合わせる。駆動方式は4WD。ベース車はG20/G21型の最新3シリーズだ。

 試乗車は、19インチの標準仕様と、アルピナらしいスポーク形状20インチアルミを装着した2台のリムジン。
 全体のアピアランスは上品にして控えめな印象。ALPINAのロゴが入ったフロントスポイラーや中央部にコンパクトなディフューザーを備えるリアエプロンを筆頭に、専用デザインのボディキットを装着しているものの「大人のスポーツ」のイメージが漂う。吟味された素材を用い、クラフトマンシップが駆使されたインテリアは、スポーティで上質そのものだ。

専用エアロキットとデコラインが特徴 リアバンパー下部はディフューザー形状 全長×全幅×全高4720×1825×1445mm 車重1840kg
専用エアロキットとデコラインが特徴 リアバンパー下部はディフューザー形状 全長×全幅×全高4720×1825×1445mm 車重1840kg

トップスピード303km/h! 速さと上質なフットワークに感動

 エンジン特性は純アルピナ流。高回転で発揮される高出力以上に、日常シーンでのトルクの太さを重視している。B3の動力性能は、改めてアルピナの走りの哲学を実感する仕上がりだった。
  1.8トンを超える車両重量は「それなりの重量級」。それをまったく感じさせないのは、アクセルペダルのわずかな踏み込みに即応して沸き上がる、圧倒的なトルクがあるからだ。何しろ、2500rpmにして 700Nmの大トルクが生み出されるのだ。X3M/X4MでデビューしたBMWの最新のM製スポーツユニットS58型(510ps/600Nm)と比べ、最高出力では先行を許すものの最大トルク値は100Nmも大きい。

 同時に、BMWオリジナル車との差を痛感したのがフットワーク。これまでのG20型での走りの経験はMスポーツサスペンションとランフラットタイヤの組み合わせだったこともあってか、B3で体験した圧倒的にフラットでしなやかな乗り味に感激した。それは「別モノ」と表現するしかない上質そのもののテイストだった。

 アルピナはマニアの願いを叶えるビスポーク(特注品)な内容の持ち主。高価だが、その仕上がりはまさに絶品。究極のスポーツセダンと呼ぶにふさわしい。

リムジンは左ハンドル標準 写真の右ハンドル仕様は29万円高 インパネ形状は通常3シリーズと共通 各部のマテリアル変更でいちだんと上質な空間に変身 快適性は最高水準
リムジンは左ハンドル標準 写真の右ハンドル仕様は29万円高 インパネ形状は通常3シリーズと共通 各部のマテリアル変更でいちだんと上質な空間に変身 快適性は最高水準
シートはロゴ入りスポーツ形状 写真の本革とアルカンターラを設定 シートヒーターはop
シートはロゴ入りスポーツ形状 写真の本革とアルカンターラを設定 シートヒーターはop
製造番号を刻印したプロダクションプレートを装備 アルピナはBMWのメーカー保証付き
製造番号を刻印したプロダクションプレートを装備 アルピナはBMWのメーカー保証付き
2993cc直6DOHC24Vツインターボ 462ps/5500~7000rpm 700Nm/2500~4500rpm エンジンは日常シーンでの豊かなトルクを重視 レスポンス良好
2993cc直6DOHC24Vツインターボ 462ps/5500~7000rpm 700Nm/2500~4500rpm エンジンは日常シーンでの豊かなトルクを重視 レスポンス良好
タイヤ&ホイールは前後異サイズ 19インチ標準 写真の20インチスポークアルミはop
タイヤ&ホイールは前後異サイズ 19インチ標準 写真の20インチスポークアルミはop
フットワークは圧倒的にフラットでしなやか 操縦性は意のまま
フットワークは圧倒的にフラットでしなやか 操縦性は意のまま

アルピナB3リムジン 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード B3リムジン
価格=8SAT 1229万円
全長×全幅×全高=4720×1825×1445mm
ホイールベース=2850mm
トレッド=フロント1575×リア1570mm
車重=1840kg
エンジン=2993cc直6DOHC24Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=340kW(462Nm)/5500~7000rpm
最大トルク=700Nm(71.4kgm)/2500~4500rpm
WLTCモード燃費=9.4km/リッター(燃料タンク容量59リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:5リンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/35ZR19/リア:265/35ZR19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=未公表

※撮影協力●諸橋近代美術館

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