【国産コンパクトカー比較】新型ノートとヤリスはキャラクターがはっきり違う! 力強さはノート、燃費はヤリスに軍配

トヨタ・ヤリス・ハイブリッドG(FF) 価格:THS 213万円 1490cc直3DOHC12V(91ps/120Nm)+モーター(80ps/141Nm)搭載 システム出力はヴィッツ比16%向上
トヨタ・ヤリス・ハイブリッドG(FF) 価格:THS 213万円 1490cc直3DOHC12V(91ps/120Nm)+モーター(80ps/141Nm)搭載 システム出力はヴィッツ比16%向上

トヨタ・ヤリス・ハイブリッドG(FF) 価格:THS 213万円 vs 日産ノートX 価格:218万6800円 試乗記

ヤリスはパーソナル指向。スタイリングはスポーティ

日産ノートX(FF) 価格:218万6800円 ノートは全車eパワー モータースペックは116ps/280Nm 全長×全幅×全高4045×1695×1520mm
日産ノートX(FF) 価格:218万6800円 ノートは全車eパワー モータースペックは116ps/280Nm 全長×全幅×全高4045×1695×1520mm

 トヨタ・ヤリスは、コンパクトハッチバックの代表モデル。販売面でノート最大のライバルだ。
 両車のキャラクターは、はっきり違う。オールラウンダー志向のノートに対して、ヤリスはパーソナル感を追求。ファミリーユースはヤリスクロスがカバーする戦略だ。
 エクステリアは好対照。先進性と伸びやかさを表現したノート、スポーティで凝縮感のあるヤリス。パッと見たときの印象はノートのほうがひと回り大きく感じるが、ボディサイズはノートが全長×全幅×全高4045×1695×1520mm。ヤリスは同3940×1695×1500mm。全長以外はほぼオーバーラップする。

 インテリアはどうか? ノートは統合型ディスプレイやブリッジタイプのロングコンソールなど、エクステリアと同じように先進的なイメージ。対してヤリスは、コクピット感覚を重視したオーソドックスなレイアウト。大型メーターがオリジナリティを主張する。
 居住性も大きく異なる。着座位置はアップライトに座らせるノート、低めの設定のヤリスと、ここでも違いがハッキリしている。決定的なのは後席空間。ノートは旧型比でホイールベースが20mm短くなったが、頭上/足元スペースともに余裕十分。直感的に広いと感じる。ヤリスはタイトな印象だ。必要十分な広さは確保しているが、大人が座ると余裕は少ない。ウィンドウ面積が小さいことによる閉塞感を含めて、割り切りが感じられる。

ヤリス・ハイブリッドGのWLTCモード燃費は35.8km/リッター(G) 全長×全幅×全高3940×1695×1500mm 全長はノート比105mm短い ボディカラーは2トーン6種を含め全18タイプ
ヤリス・ハイブリッドGのWLTCモード燃費は35.8km/リッター(G) 全長×全幅×全高3940×1695×1500mm 全長はノート比105mm短い ボディカラーは2トーン6種を含め全18タイプ

ノートの走りはEV感覚。ヤリスはエンジンの存在感が強い!

 パワートレーンはeパワー(1.2リッター+モーター)に絞ったノートに対し、ヤリスは1リッターと 1.5リッターガソリン、そして1.5リッター+モーターのハイブリッドを設定。
 ヤリスの主力モデルはハイブリッド。同じ電動化パワートレーンだが、性格は違う。エンジンで発電した電気でモーターを駆動するノートは、普通に走っている限りエンジンの存在を感じない。従来型以上に電動車テイスト、「EV感」が強い。
 一方、ヤリスのハイブリッドは、意外とエンジンが存在感を主張する。いい意味で電動車感は少ない。どちらもパフォーマンスに優れ、総合力は高い。絶対的な力強さはノートが勝り、燃費はヤリスに軍配が上がる。

 フットワークは両車ともプラットフォームを一新した効果が実感できる。ハンドリングの正確性、車両の安定性、ドライバーへの安心感……といった基本はどちらもしっかりとした仕上がり。
 味付けは、ノートが奇をてらわず滑らかな走りを追求した印象。ヤリスはキビキビ感がありスポーティである。
 この点は優劣というよりは、キャラクターの差といっていい。

ヤリスのインパネは機能的でオーソドックスなデザイン 良好な視界と各種コントロールの操作性を追求 写真はディスプレイオーディオ用ナビキット(11万円)装着
ヤリスのインパネは機能的でオーソドックスなデザイン 良好な視界と各種コントロールの操作性を追求 写真はディスプレイオーディオ用ナビキット(11万円)装着
ヤリスのシートはしっかりとした座り心地 写真はopのコンフォートシート(5万1700円) 後席空間はやや狭い印象
ヤリスのシートはしっかりとした座り心地 写真はopのコンフォートシート(5万1700円) 後席空間はやや狭い印象
ヤリスの荷室スペースはクラス平均 後席は6対4分割 後席使用時の荷室長は630mm 荷室幅1000mm
ヤリスの荷室スペースはクラス平均 後席は6対4分割 後席使用時の荷室長は630mm 荷室幅1000mm
メーターは視認性に優れた丸型2眼式 速度は大型デジタル表示 中央のカラーTFTモニターに各種情報をディスプレイする先進設計
メーターは視認性に優れた丸型2眼式 速度は大型デジタル表示 中央のカラーTFTモニターに各種情報をディスプレイする先進設計
ハイブリッドのトランスミッションは電気式 マニュアルセレクト未設定 シフトノブはウレタン製
ハイブリッドのトランスミッションは電気式 マニュアルセレクト未設定 シフトノブはウレタン製
ヤリスは駐車をクルマがサポートするアドバンストパーク(op7万7000円)を用意
ヤリスは駐車をクルマがサポートするアドバンストパーク(op7万7000円)を用意
ヤリスGはハロゲンヘッドライト標準 写真のLEDはop(8万2500円)
ヤリスGはハロゲンヘッドライト標準 写真のLEDはop(8万2500円)
標準は14インチ 写真の185/60R15タイヤ+アルミはop(5万9400円) 最小回転半径はノート比+0.2mの5.1m
標準は14インチ 写真の185/60R15タイヤ+アルミはop(5万9400円) 最小回転半径はノート比+0.2mの5.1m

トヨタ・ヤリス・ハイブリッドG 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=ハイブリッドG(FF)
価格=THS 213万円
全長×全幅×全高=3940×1695×1500mm
ホイールベース=2550mm
トレッド=フロント1490×リア1485mm
最低地上高=145mm
車重=1060kg
エンジン=1490cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=67kW(91ps)/5500rpm
最大トルク=120Nm(12.2kgm)/3800~4800rpm
モーター最高出力=59kW(80ps)
モーター最大トルク=141Nm(14.4kgm)
WLTCモード燃費=35.8_km/リッター(燃料タンク容量36リッター)
(市街地/郊外/高速道路:36.9/39.8/33.5km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=175/70R14+スチール
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
●主な燃費改善対策:ハイブリッド/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御/電気式無段変速機
●主要装備:トヨタセーフティセンス(プリクラッシュセーフティ+レーントレーシングアシスト+レーダークルーズコントロール+オートマチックハイビーム+ロードサインアシスト)/先行車発進通知機能/セカンダリ―コリジョンブレーキ/プロジェクター式ハロゲンヘッドライト/時間調節式ワイパー/電動格納式リモコンドアミラー/6エアバッグ/バックガイドモニター/デジタルメーター/4.2インチカラーTFTマルチインフォメーションディスプレイ/ウレタン3本スポークステアリング/スマートエントリー&スタートシステム/オートAC/8インチディスプレイオーディオ+6スピーカー/DCM(車載通信機)/ヘッドレスト一体型ファブリックシート/運転席シート上下アジャスター/アジャスタブルデッキボード
●装着メーカーop:185/60R15タイヤ&6Jアルミ 5万9400円/コンフォートシートセット(マルチカラーファブリック表皮+ヘッドレストセパレート型フロントシート+運転席イージーリターン機能+前席シートヒーター+買い物アシストシート+ローズメタリック加飾+ピアノブラック塗装メーターリング+助手席シートアンダートレイ+LEDアンビエントライトなど)5万1700円/3灯式LEDヘッドライト+フルLEDリアコンビランプ8万2500円/ブラインドスポットモニター+リアクロストラフィックオートブレーキ+インテリジェントクリアランスソナー10万100円/トヨタチームメイトアドバンストパーク(パノラミックビューモニター付き)7万7000円/アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)4万4000円
●ボディカラー:ブラック×コーラルクリスタルシャイン(op7万7000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は7800円
撮影協力●マースガーデンウッド御殿場

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