【国産コンパクトカー比較】ノートとフィットはともに室内広々オールラウンダー。個性はどこに表れるのか?

フィットe:HEVネス(FF) 価格:222万7500円 フィットはベーシック/ホーム/ネス/リュクス/クロスターの5グレード構成 e:HEVは1496cc直4DOHC16V(98ps/127Nm)+モーター(109ps/253Nm)で構成 WLTCモード燃費:27.4km/リッター
フィットe:HEVネス(FF) 価格:222万7500円 フィットはベーシック/ホーム/ネス/リュクス/クロスターの5グレード構成 e:HEVは1496cc直4DOHC16V(98ps/127Nm)+モーター(109ps/253Nm)で構成 WLTCモード燃費:27.4km/リッター

両車、高密度パッケージング。先進のノート、癒しのフィットという性格

日産ノートX(FF) 価格:218万6800円 ノートは全車eパワー モータースペックは116ps/280Nm 全長×全幅×全高4045×1695×1520mm
日産ノートX(FF) 価格:218万6800円 ノートは全車eパワー モータースペックは116ps/280Nm 全長×全幅×全高4045×1695×1520mm

 フィットは高効率パッケージングを追求したクルマのルーツに当たる。ファミリーユースもカバーするオールラウンダーという意味で、ノートとキャラクターがオーバーラップする。
 エクステリアは、どちらもノーズが短いビッグキャビン構成。2台とも従来のスポーティ路線から脱却し、全体的なプロポーションは似ている。しかし、印象はまったく異なる。ノートは〝小さなアリア〟といった隙のない先進イメージ。フィットは癒し系のフロントマスクが目を引く。ただしそれ以外の部分は従来モデルと大差ない。新鮮さでは、ノートには敵わない。

 インテリアは両車シンプルで機能的。クールなノート、温かみがあるフィットと、一見したときの印象は異なる。居住性はクラストップを争う2台だけに甲乙つけがたい。リアシートは、両モデルとも下手なセダンやクロスオーバーを凌駕する。前席はどちらもアップライトな姿勢で座らせる。着座位置はフィットのほうが高い。室内の開放感は、フィットが優秀。視界性能を高める細いAピラーや突起をなくしたインパネ、明るいカラーコーディネートを採用した効果だ。ノートの内装基調色はブラックに限られる。

フィットはハイブリッドのe:HEVと1.3リッターガソリンを設定 写真は1.3リッター仕様 内外装はe:HEVも基本的に共通 全長×全幅×全高3995×1695×1540mm サイズはノートと拮抗する
フィットはハイブリッドのe:HEVと1.3リッターガソリンを設定 写真は1.3リッター仕様 内外装はe:HEVも基本的に共通 全長×全幅×全高3995×1695×1540mm サイズはノートと拮抗する

どちらも完成度の高い電動化パワートレーン。フィットはアダプティブクルーズコントロール標準

 パワートレーンはフィットが1.3リッターガソリンと 1.5リッター+2モーターのe:HEV(ハイブリッド)の2種。主力はe:HEVだ。eパワーもe:HEVも、エンジンで発電しモーターで駆動する基本原理は共通。シンプル構造のeパワーに対してe:HEVは発電/駆動用のモーターを持ち、高速クルージング時にエンジン直結モードになる点が異なる。

 走りは両車とも先進的。電動化パワートレーンならではの力強さと滑らかさが存分に味わえる。興味深いのはフィーリングが異なる点だ。eパワーは「ほぼEV」といっていいくらい電動感が強い。フィットはどちらかというと、内燃機関のような感覚があり、アクセルを踏むほどにパワーが盛り上がる特性。
 実用域の力強さはノート、ガソリン車から乗り換えて違和感がないのはフィットである。

 フットワークはともに高水準。両車ともドライバーの操作に対して忠実かつ自然に反応する。コーナリング時のクルマの動きに連続性があり、足さばきはしなやか。見せかけではなく本質の性能を磨いた成果が現れている。だが仔細に見るとプラットフォームを全面刷新したノートのほうが一枚上手か? フィットも旧型比でぐっとよくなっているが、ノートの伸び幅のほうが頭ひとつ抜け出した。
 安全装備はともに最新仕様。ただしノートの場合、ACCはX専用のopアイテム。フィットは全車標準装備になる。

フィットのインパネは開放感重視のシンプル形状 視界は超ワイド 写真の9インチナビはディーラーop(20万5543円) ネスはウレタン製ステアリング装着 操舵フィールは軽快
フィットのインパネは開放感重視のシンプル形状 視界は超ワイド 写真の9インチナビはディーラーop(20万5543円) ネスはウレタン製ステアリング装着 操舵フィールは軽快
フィットのシートはクッション性に優れた快適設計 ネスは撥水処理済みファブリック仕様 広さはノートと同等
フィットのシートはクッション性に優れた快適設計 ネスは撥水処理済みファブリック仕様 広さはノートと同等
フィットは独創のセンタータンクレイアウトの利点で荷室は広い 後席を倒すとフラット空間出現
フィットは独創のセンタータンクレイアウトの利点で荷室は広い 後席を倒すとフラット空間出現
フィットのメーターはバイザーレスのフル液晶 視認性に優れる 速度はデジタル表示 表示モードは多彩 瞬時に操作できる照度スイッチ付き
フィットのメーターはバイザーレスのフル液晶 視認性に優れる 速度はデジタル表示 表示モードは多彩 瞬時に操作できる照度スイッチ付き
e:HEVのトランスミッションは電気式 パドル未設定 急加速時に巧みな制御で爽快なフィール演出
e:HEVのトランスミッションは電気式 パドル未設定 急加速時に巧みな制御で爽快なフィール演出
フィットは便利な全車速対応タイプACC標準 車線維持支援システムを備えた便利なシステム
フィットは便利な全車速対応タイプACC標準 車線維持支援システムを備えた便利なシステム
リアワイドカメラをセットしたナビ装着パッケージ標準 俯瞰情報は未表示
リアワイドカメラをセットしたナビ装着パッケージ標準 俯瞰情報は未表示
フィットのフロントマスクは「柴犬」がモチーフ ヘッドライトはLED フォグ標準
フィットのフロントマスクは「柴犬」がモチーフ ヘッドライトはLED フォグ標準
フィット・ネスは185/55R16タイヤ+切削光輝アルミ装着 最小回転半径はノート比プラス0.3mの5.2m
フィット・ネスは185/55R16タイヤ+切削光輝アルミ装着 最小回転半径はノート比プラス0.3mの5.2m

ホンダ・フィットe:HEVネス(FF) 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=e:HEVネス(FF)
価格=222万7500円
全長×全幅×全高=3995×1695×1540mm
ホイールベース=2530mm
トレッド=フロント1485×リア1475mm
最低地上高=135mm
車重=1200kg
エンジン=1496cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=72kW(98ps)/5600~6400rpm
最大トルク=127Nm(13.0kgm)/4500~5000rpm
モーター最高出力_=80kW(109ps)/3500~8000rpom
モーター最大トルク=253Nm(25.8kgm)/0~3000rpm
WLTCモード燃費=27.4km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(市街地/郊外/高速道路:26.9/29.8/26.0km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=185/55R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m
●主な燃費改善対策:ハイブリッドシステム/アトキンソンサイクル/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング
●主要装備:ホンダセンシング(衝突軽減ブレーキ+前後誤発進抑制機能+近距離衝突軽減ブレーキ+歩行者事故低減ステアリング+路外逸脱抑制機能+渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール+車線維持支援システム+オートハイビーム+先行車発進お知らせ機能+標識認識機能)/パーキングセンサー/サイドカーテンエアバッグ/フルLEDヘッドライト/フロントLEDフォグランプ/セキュリティアラーム/電動格納式リモコンカラードドアミラー/LEDポジション&フロントターンランプ/シャークフィンアンテナ/16インチアルミ/ホンダコネクト+ナビ装着用スペシャルパッケージ/4スピーカー/AC用フル電動コンプレッサー/充電用USBジャック/撥水ファブリックシート/撥水ファブリックソフトパッド/スマートフォントレー/プラチナ調クロームメッキドアハンドル&ACアウトレットノブ/チップアップ&ダイブダウン機構付き6対4分割リアシート/後席センターアームレスト/助手席シートバックポケット/LEDルームランプ/テーブルコンソール
●ボディカラー:ルナシルバーメタリック&ライムグリーン(

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