「新世代日産」e-POWER搭載の代表2モデル。新型ノートとキックス、トータルではどうなのか

日産キックスX 価格:275万9900円 パワートレインはノート同様eパワー 発電用1198cc直3DOHC(82ps/103Nm)と駆動用モーター(129ps/260Nm)の組み合わせ WLTCモード燃費:21.6km/リッター
日産キックスX 価格:275万9900円 パワートレインはノート同様eパワー 発電用1198cc直3DOHC(82ps/103Nm)と駆動用モーター(129ps/260Nm)の組み合わせ WLTCモード燃費:21.6km/リッター

日産キックスX 価格:275万9900円 vs 日産ノートX 価格:218万6800円 試乗記

キックスは「小さなエクストレイル」のイメージ。居住性はノートを大幅に凌駕

日産ノートX(FF) 価格:218万6800円 ノートは全車eパワー モータースペックは116ps/280Nm 全長×全幅×全高4045×1695×1520mm
日産ノートX(FF) 価格:218万6800円 ノートは全車eパワー モータースペックは116ps/280Nm 全長×全幅×全高4045×1695×1520mm

 キックスは、内田誠社長兼CEO体制となった新生日産の第1弾モデル。激戦区のコンパクトクロスオーバー市場に投入されたニューカマーだ。SUV対ハッチバックと、2台のキャラクターは異なるが、日産のラインアップで見ると、「ノートの兄貴分」といえる。
 エクステリアはどちらも個性的。「小さなアリア」イメージのノートに対して、キックスは「小さなエクストレイル」。どちらもひと目で日産車だとわかる造形である。ただしキックスは日本では新型車だが、ワールドワイドでは2016年デビュー。新鮮さはノートが上回る。

 インテリアも同様。キックスのインテリアはシンプルで機能的。各部の質感も悪くない。だが、デザインや操作系を含めて先進的なノートを見てしまうと、少し世代の差を感じる。
 キックスの室内色は、ブラックに加え、ファッショナブルな2トーンインテリアを設定。デザインを引き立たせるカラーコーディネートは、ノートにはない魅力だ。
 居住性はキックスが大幅に上回る。サイズを考えればノート(全長×全幅×全高4045×1695×1520mm)も優秀だが、キックスのボディはふた回り大きい4290×1760×1610mm。前後シート/ラゲッジの余裕はもちろん、視界のよさや大きめのウィンドウがもたらす開放感も魅力である。

キックスX 全長×全幅×全高4290×1760×1610mm 全長はノート比245mm長く 全幅は65mmワイド 車重1350kg プラットフォームは改良版のV型 プロパイロット標準
キックスX 全長×全幅×全高4290×1760×1610mm 全長はノート比245mm長く 全幅は65mmワイド 車重1350kg プラットフォームは改良版のV型 プロパイロット標準
キックスのインパネは水平基調 シンプルで機能的なデザイン 各部ソフトパッド仕上げ 視界はワイド 写真の標準に加えオレンジタン×黒のツートーンインテリアも設定
キックスのインパネは水平基調 シンプルで機能的なデザイン 各部ソフトパッド仕上げ 視界はワイド 写真の標準に加えオレンジタン×黒のツートーンインテリアも設定

eパワーはノートが「第2世代」、キックスは「1.5世代」 4WDは未設定

 パワートレーンはどちらもeパワー。ただしノートは第2世代、キックスは旧型ノート(=第1世代)の進化バージョンだ。モーター出力向上(109から129psに/ 254から 260NmNmに)に加えて、車速に応じたエンジン回転数の制御を実施し、発電タイミングも充電量重視から車速重視へと変更されている。
 実はこの制御、ノートに先駆けて採用したもの。日産のエンジニアはキックスのシステムを「1.5世代」と呼んでいる。力強さは同クラスのクロスオーバーでトップレベル。車体側の進化(遮音材の追加やガラス厚の変更)と相まって、静粛性は想像以上に高い。

 フットワークは新開発プラットフォームのノートに対し、キックスはひと世代前のVプラットフォーム。とはいえ、ワイドトレッド/ロングホイールベース化を図り、各部に高剛性構造を採用した進化仕様だ。キックスの完成度も高い。ノーズの入りのよさや軽快な動きなど、スポーティに感じるのはキックスだ。
 総合力はすべてが新しいノートに軍配が上がるが、キックスはクロスオーバーならではの魅力がある。どちらを選んでも、満足度は高い。
 キックスに4WDが加われば、さらに魅力はアップする。

シートは快適設計 合成レザーとファブリックのコンビ仕様 前後席ともスペースは十分 室内長1920mm
シートは快適設計 合成レザーとファブリックのコンビ仕様 前後席ともスペースは十分 室内長1920mm
荷室スペースはクラストップ級 後席使用時の荷室長は900mm 後席シートバックは6対4分割
荷室スペースはクラストップ級 後席使用時の荷室長は900mm 後席シートバックは6対4分割
アラウンドモニターはセットop(6万9300円) ナビはディーラーop
アラウンドモニターはセットop(6万9300円) ナビはディーラーop
走行セレクターは電子制御レバー式 ブルーのアクセントが先進性を演出 Pレンジはボタンで選択
走行セレクターは電子制御レバー式 ブルーのアクセントが先進性を演出 Pレンジはボタンで選択
ヘッドライトはシグネチャー灯内蔵LED ハイビームアシスト標準 フォグは小型形状LED
ヘッドライトはシグネチャー灯内蔵LED ハイビームアシスト標準 フォグは小型形状LED
205/55R17タイヤ+6.5Jアルミ装着 最低地上高170mm 最小回転半径はノート比0.2m大きい5.1m
205/55R17タイヤ+6.5Jアルミ装着 最低地上高170mm 最小回転半径はノート比0.2m大きい5.1m

日産キックスX 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=X
価格=275万9900円
全長×全幅×全高=4290×1760×1610mm
ホイールベース=2620mm
トレッド=フロント1520×リア1535mm
最低地上高=170mm
車重=1350kg
エンジン=1198cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=60kW(82Nm)/6000rpm
最大トルク=103Nm(10.5kgm)/3600~5200rpm
モーター=EM57(交流同期型)
最高出力=95kW(129ps)/4000~8992rpm
最大トルク=260Nm(26.5kgm)/500~3008rpm
WLTCモード燃費=21.6km_/リッター(燃料タンク容量41リッター)
(市街地/郊外/高速道路:26.8/20.2/20.8km_/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=205/55R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
●主な燃費改善対策:ハイブリッド/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/ミラーサイクル/電動パワーステアリング
●主要装備:プロパイロット/インテリジェントエマージェンシーブレーキ/インテリジェント車線逸脱防止支援システム/車線逸脱警報/ふらつき警報/踏み間違い衝突防止アシスト/前後ソナー/SOSコール/ヒルスタートアシスト/IRカット&スーパーUVカット断熱グリーンガラス/プライバシーガラス(リア3面)/LEDヘッド&フォグランプ/ハイビームアシスト/インテリジェントオートライト/サイドターンライト内蔵ドアミラー/本革巻きステアリング/7インチドライブアシストディスプレイ/電制シフト/プッシュパワースターター/e-POWERモードスイッチ/EVモード/インテリジェントキー/ピアノブラック調フィニッシャー/オートAC/合成皮革+織物コンビシート/6対4分割リアシート/トノボード/イモビライザー/シルバールーフレール
●装着メーカーop:インテリジェントアラウンドビューモニター+インテリジェントルームミラー6万9300円/前席シートヒーター+ステアリングヒーター+寒冷地仕様5万5000円
●ボディカラー:サンライトイエロー(op3万8500円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万120円

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