マツダの新世代コンパクトSUV「MX-30」の電気自動車が市場デビュー。車両価格は451~495万円に設定

マツダが新開発の電動化技術「e-SKYACTIV」を採用したブランド初の量産電気自動車「MX-30 EVモデル」を発売。一充電走行距離はWLTCモードで256km

 マツダは2021年1月28日、クロスオーバータイプのコンパクトSUV「MX-30」の電気自動車「MX-30 EVモデル」を発売した。

▲マツダMX-30 EV Highest Set 価格:495万円 全長4395×全幅1795×全高1565mm ホイールベース2655mm 車重1650kg 乗車定員5名
▲マツダMX-30 EV Highest Set 価格:495万円 全長4395×全幅1795×全高1565mm ホイールベース2655mm 車重1650kg 乗車定員5名

車種展開は以下の通り。
MX-30 EV:451万円
MX-30 EV Basic Set:458万7000円
MX-30 EV Highest Set:495万円
なお、国内での販売計画は年間で500台に設定する。

▲マツダMX-30 EV Basic Set 価格:458万7000円 全長4395×全幅1795×全高1565mm ホイールベース2655mm 車重1650kg 乗車定員5名
▲マツダMX-30 EV Basic Set 価格:458万7000円 全長4395×全幅1795×全高1565mm ホイールベース2655mm 車重1650kg 乗車定員5名
▲マツダMX-30 EV 価格:451万円 全長4395×全幅1795×全高1565mm ホイールベース2655mm 車重1650kg 乗車定員5名
▲マツダMX-30 EV 価格:451万円 全長4395×全幅1795×全高1565mm ホイールベース2655mm 車重1650kg 乗車定員5名

 マツダ初の量産電気自動車となるMX-30 EVモデルは、2050年時点のカーボンニュートラル実現へのチャレンジに向けて、マツダの「マルチソリューション戦略」に基づき、LCA評価(燃料の採掘・精製、製造、物流、使用、廃棄、リサイクルに至る、製品のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に把握して影響を評価)によるCO2削減とユーザーの使い方を両立するという新しい考え方から企画した、コンパクトSUVタイプの新世代EVである。

▲基本骨格には新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」を採用。基本骨格のストレート化とバッテリーパックを骨格として活かした環状構造によって剛性アップと伝達遅れ低減の両立を実現した
▲基本骨格には新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」を採用。基本骨格のストレート化とバッテリーパックを骨格として活かした環状構造によって剛性アップと伝達遅れ低減の両立を実現した

 まず基本骨格には、新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」を採用し、基本骨格のストレート化とバッテリーパックを骨格として活かした環状構造によって、剛性アップと伝達遅れ低減の両立を実現する。肝心のパワートレインには、MH型モーター(最高出力107kW/4500~1万1000rpm、最大トルク270Nm/0~3243rpm)とDC-DCコンバーターおよびインバーターをフロントセクションに、駆動用リチウムイオンバッテリー(総電圧418V、総電力量35.5kWh)をホイールベース内のフロア下に、充電ポートをリア右側に配した電動化技術「e-SKYACTIV」を搭載。駆動レイアウトは2WD(FF)で構成する。また、リチウムイオンバッテリーにはバッテリー温度の上昇に合わせて効率的に冷却できる冷媒冷却システムを採用。さらに、高電圧部品への直接接触を回避するためのカバー構造や異常を検知すると即座に通電を停止させる制御などを導入した。
 充電に関しては普通(AC)充電と急速(DC)充電のCHAdeMO規格に対応。フル充電に要する時間は普通充電の200V/3kWで12時間、200V/6kWで4.5時間、急速充電で80%までの充電を40分でこなす。また、バッテリー充電口とメーターの両方で充電ステータスの確認が可能。スマートフォンアプリ「MyMazda」を利用すれば、離れた場所にいても充電ステータスがチェックできる。タイマーを使って充電をコントロールすることも可能だ。一充電の航続距離はWLTCモードで256km、JC08モードで281kmを実現している。

▲MH型モーター(最高出力107kW/4500~1万1000rpm、最大トルク270Nm/0~3243rpm)とDC-DCコンバーターおよびインバーターをフロントセクションに、駆動用リチウムイオンバッテリー(総電圧418V、総電力量35.5kWh)をホイールベース内のフロア下に配した電動化技術「e-SKYACTIV」を搭載
▲MH型モーター(最高出力107kW/4500~1万1000rpm、最大トルク270Nm/0~3243rpm)とDC-DCコンバーターおよびインバーターをフロントセクションに、駆動用リチウムイオンバッテリー(総電圧418V、総電力量35.5kWh)をホイールベース内のフロア下に配した電動化技術「e-SKYACTIV」を搭載
▲リチウムイオンバッテリーにはバッテリー温度の上昇に合わせて効率的に冷却できる冷媒冷却システムを採用した
▲リチウムイオンバッテリーにはバッテリー温度の上昇に合わせて効率的に冷却できる冷媒冷却システムを採用した

 EVならではの走行特性に徹底して磨きをかけたことも、MX-30 EVモデルの訴求点だ。モーターのトルク特性を活かしてより幅広い領域で最適な前後荷重移動を実現するG-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)の進化版「エレクトリック G-ベクタリング コントロール プラス(e-GVC Plus)」、ブレーキペダルの操作量からドライバーが必要とする制動力を判断し、その範囲内で最大限のエネルギー回生を行いつつ不足分を摩擦による制動力で補う回生協調ブレーキを採用。また、ペダルストロークに応じてシームレスにGが発生するよう緻密に前後方向のトルクをコントロールする「モーターペダル」、加速状況に応じて発生するトルクの状態をドライバーが無意識に認知できるようモータートルクに同期したサウンドを発生する「EVサウンド」も組み込む。さらに、通常走行時の“D”レンジを基準に+と-それぞれ2段ずつの計5段を設定し、様々な走行シーンにおいて自由自在な車速コントロール性を提供する新開発の「ステアリングホイールパドル」を装備した。

▲ペダルストロークに応じてシームレスにGが発生するよう緻密に前後方向のトルクをコントロールする「モーターペダル」を装備。加速状況に応じて発生するトルクの状態をドライバーが無意識に認知できるようモータートルクに同期したサウンドを発生する「EVサウンド」も組み込む
▲ペダルストロークに応じてシームレスにGが発生するよう緻密に前後方向のトルクをコントロールする「モーターペダル」を装備。加速状況に応じて発生するトルクの状態をドライバーが無意識に認知できるようモータートルクに同期したサウンドを発生する「EVサウンド」も組み込む
▲通常走行時の“D”レンジを基準に+と-それぞれ2段ずつの計5段を設定し、様々な走行シーンにおいて自由自在な車速コントロール性を提供する新開発の「ステアリングホイールパドル」を装備
▲通常走行時の“D”レンジを基準に+と-それぞれ2段ずつの計5段を設定し、様々な走行シーンにおいて自由自在な車速コントロール性を提供する新開発の「ステアリングホイールパドル」を装備

 車両デザインに関してはマイルドハイブリッド仕様のMX-30と同様、マツダのデザインテーマ“魂動(こどう)”のもと、“Human Modern(ヒューマン モダン)”をコンセプトにデザインを造り上げる。基本造形としては、クロスオーバーSUVのスタイルを構築したうえで、センターピラーレスのセンターオープン式ドア構造である“フリースタイルドア”を採用。機能的な面だけではなく、クルマを自由な発想で使える可能性を創出する。また、キャビンデザインはフリースタイルドアとフレームドトップと呼ぶ3トーンのボディカラーによって軽快感を表現。ボディカラー自体にはルーフをブラック、ルーフサイドをメタリックカラーで彩った3タイプの3トーンカラー(ソウルレッドクリスタルメタリック/セラミックメタリック/ポリメタルグレーメタリック)と、5色のモノトーンカラー(マシーングレープレミアムメタリック/ポリメタルグレーメタリック/ジェットブラックマイカ/セラミックメタリック/アークティックホワイト)を設定した。

▲マイルドハイブリッド仕様のMX-30と同様、センターピラーレスのセンターオープン式ドア構造である“フリースタイルドア”を採用する
▲マイルドハイブリッド仕様のMX-30と同様、センターピラーレスのセンターオープン式ドア構造である“フリースタイルドア”を採用する
▲ボディカラーはルーフをブラック、ルーフサイドをメタリックカラーで彩った3タイプの3トーンカラー(写真はソウルレッドクリスタルメタリック)と5色のモノトーンカラーを設定
▲ボディカラーはルーフをブラック、ルーフサイドをメタリックカラーで彩った3タイプの3トーンカラー(写真はソウルレッドクリスタルメタリック)と5色のモノトーンカラーを設定

 内包するインテリアもマイルドハイブリッド仕様のMX-30と同じく、フローティングさせたコンソールやサスティナビリティをテーマとした個性的な素材使いなどにより、「開放感に包まれる」空間を演出。また、伐採ではなく木の表皮を収穫することで製作した環境負荷の少ないサステイナブルな素材の「ヘリテージコルク」をセンターコンソールに、ペットボトルのリサイクル原料からできた繊維素材で空気を含んだかのような風合いを持つ「呼吸感素材」をドアトリムに採用する。さらに、内装コーディネートとしてモダンをテーマにしたグレー/ホワイト系の「モダン コンフィデンス」と、ブラック/ブラウン系の「インダストリアル クラシック」をEV Highest Setに設定した。一方、機能面では専用アレンジのPOWERメーター(放充電表示)や走行可能距離・駆動用バッテリー残量表示、平均電力消費率・瞬間電力消費率表示、充電状態表示、出力制限警告表示を計器盤に内蔵。また、マツダコネクトの追加サービスとして、「MyMazda」を使ったリモートチャージ、リモートエアコン、充電スポット検索、目的地送信、リモートモニター、うっかり通知(タイマー充電開始の1時間前に充電コネクタが適切に挿入されていない場合に通知)などを設定した。

▲フローティングさせたコンソールやサスティナビリティをテーマとした個性的な素材使いなどにより、「開放感に包まれる」キャビン空間を創出。写真はMX-30 EV Highest Setの内装
▲フローティングさせたコンソールやサスティナビリティをテーマとした個性的な素材使いなどにより、「開放感に包まれる」キャビン空間を創出。写真はMX-30 EV Highest Setの内装
▲内装コーディネートとしてモダンをテーマにしたグレー/ホワイト系の「モダン コンフィデンス」(写真・上)と、ブラック/ブラウン系の「インダストリアル クラシック」(同・下)をEV Highest Setに設定
▲内装コーディネートとしてモダンをテーマにしたグレー/ホワイト系の「モダン コンフィデンス」(写真・上)と、ブラック/ブラウン系の「インダストリアル クラシック」(同・下)をEV Highest Setに設定
▲MX-30 EV Basic SetおよびMX-30 EVはグレー/ブラック系のカラーを基調にしたインテリアを採用
▲MX-30 EV Basic SetおよびMX-30 EVはグレー/ブラック系のカラーを基調にしたインテリアを採用
▲POWERメーター(放充電表示)や走行可能距離・駆動用バッテリー残量表示、平均電力消費率・瞬間電力消費率表示、充電状態表示、出力制限警告表示を計器盤に内蔵する
▲POWERメーター(放充電表示)や走行可能距離・駆動用バッテリー残量表示、平均電力消費率・瞬間電力消費率表示、充電状態表示、出力制限警告表示を計器盤に内蔵する
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