【最新モデル試乗】10年目のリフレッシュ! ぐっと存在感を増した日産エルグランドの快適度

日産エルグランド250ハイウェイスタープレミアム・アーバンクロム(FF)  ラインアップはスポーティなハイウェイスターに統一 エンジンは2.5リッター直4(170sp)と3.5リッター・V6(280ps)を用意
日産エルグランド250ハイウェイスタープレミアム・アーバンクロム(FF)  ラインアップはスポーティなハイウェイスターに統一 エンジンは2.5リッター直4(170sp)と3.5リッター・V6(280ps)を用意

日産エルグランド250ハイウェイスタープレミアム・アーバンクロム(FF) 価格:6CVT 465万8500円 試乗記

「キング・オブ・ミニバン」が満を持して大幅改良。存在感がアップ

 最近はクロスオーバーSUVに注目が集まっている。しかし、日本のミニバン人気は根強い。かつて「キング・オブ・ミニバン」の称号が与えられるほどの人気を誇ったエルグランドが、現行モデル登場から 10年のタイミングで2回目の大幅改良を受けた。「ミニバンがセレナ1車種では厳しい」という営業サイドと、「フルモデルチェンジするほどの投資は厳しい」という経営サイドの双方を納得させる案が、大幅改良だったのだろう。

 最新モデルは標準シリーズがラインアップから消え、全車ハイウェイスターに統一。エクステリアはフロントマスクを中心にアップデートされた。フロントグリルの変更(横桟基調をドット調に)、ヘッドランプのLED化、1stモデル以来となる2トーン塗装の設定を実施。従来はライバルに見劣りしていた「煌びやかさ」と「力強さ」が大きくアップした。ボディサイズは全長×全幅×全高4975×1850×1815mm。トヨタ・アルファード(同4945×1850×1935mm)比で、車高が低いのがポイントだ。

 インテリアは8インチから10インチに大型化されたディスプレイに合わせて、インパネセンターのデザインを変更。ナビ/オーディオコントロールがタッチパネルに集約され操作性が向上した。ただしエアコンスイッチだけ残されたシフト周囲はスカスカな印象が否めない。室内空間は、3列シートのアレンジを含め、従来と共通だ。

ボディカラーは全5色 写真の2トーンカラー(op11万5000円)を新設定 全長×全幅×全高4975×1850×1815mm
ボディカラーは全5色 写真の2トーンカラー(op11万5000円)を新設定 全長×全幅×全高4975×1850×1815mm
スライドドアは両側電動タイプ 低床設計のため乗降性はハイレベル
スライドドアは両側電動タイプ 低床設計のため乗降性はハイレベル

快適なクルージング性能は、さすがのひと言。魅力アップ

 試乗車は2.5リッターの最上級グレード、プレミアム・アーバンクロム。シートはキルティングパターンの採用によりモダンで高級なイメージに仕上がっていた。
 今回、走りに関する変更のアナウンスはない。しかし実際に試乗すると何かが違う。ボディのシッカリ感が増しており、ヒョコヒョコした動きが減って乗り心地が向上。静粛性もアップしていた。作り込みの精度アップや細かなリファインが行われているのだろう。

 2.5リッターの直4ユニット(170ps/245Nm)は必要十分な性能を備える。ただし、アクセルを踏んだときの応答性やCVTの変速制御は、ドライバーの意志とちょっとズレがある。この点は惜しい。
 安全技術も充実した。さまざまなアイテムにより全方向から運転をサポートする「360度セーフティアシスト」を全車に標準装備。ただしACCは、最新スペックのプロパイロットではない。

 新型は限られたリソースの中で、巧みにリフレッシュ。快適なクルージングが楽しめるミニバンといえる。とはいえ個人的には「もう少し手を入れてもよかったのではないか」と感じたのも事実である。

室内各部の作りは上質 新型は中央ディスプレイを従来の8インチから10インチに拡大 タッチパネル式になり操作性が向上 操縦性は高水準
室内各部の作りは上質 新型は中央ディスプレイを従来の8インチから10インチに拡大 タッチパネル式になり操作性が向上 操縦性は高水準
プレミアムは本革シート標準 2列目はオットマン機能付きキャプテン仕様 室内はラグジュアリー感覚 乗り心地はしっかりとした味わい 室内長×幅×高3025×1580×1300mm
プレミアムは本革シート標準 2列目はオットマン機能付きキャプテン仕様 室内はラグジュアリー感覚 乗り心地はしっかりとした味わい 室内長×幅×高3025×1580×1300mm
3列目は折りたたみ式 スライド活用で荷室空間をアレンジできる 床下収納付き
3列目は折りたたみ式 スライド活用で荷室空間をアレンジできる 床下収納付き
メーターは見やすい丸型2連デザイン 中央ディスプレイに各種情報を表示
メーターは見やすい丸型2連デザイン 中央ディスプレイに各種情報を表示
トランスミッションはCVT 変速制御はマイルド マニュアルモード未設定
トランスミッションはCVT 変速制御はマイルド マニュアルモード未設定
バックカメラ標準 ナビはディーラーop(写真は後席用を含めたツインモニター仕様52万7077円)
バックカメラ標準 ナビはディーラーop(写真は後席用を含めたツインモニター仕様52万7077円)
鮮明なリアカメラ映像を表示するスマートルームミラーはディーラーop(7万5570円)
鮮明なリアカメラ映像を表示するスマートルームミラーはディーラーop(7万5570円)
アーバンクロムのフロントグリルは漆黒仕上げ 形状は従来の横桟基調からドット調に変更
アーバンクロムのフロントグリルは漆黒仕上げ 形状は従来の横桟基調からドット調に変更
ヘッドライトはハイビームアシスト付きLED フォグはハロゲン仕様
ヘッドライトはハイビームアシスト付きLED フォグはハロゲン仕様
225/55R18タイヤ+7.5Jグラファイトフィニッシュアルミ 最小回転半径5.7m
225/55R18タイヤ+7.5Jグラファイトフィニッシュアルミ 最小回転半径5.7m
2488cc直4DOHC16V 170ps/5600rpm 245Nm/3900rpm パワーは必要十分 静粛性高水準
2488cc直4DOHC16V 170ps/5600rpm 245Nm/3900rpm パワーは必要十分 静粛性高水準

日産エルグランド250ハイウェイスタープレミアム・アーバンクロム(FF) 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=250ハイウェイスタープレミアム・アーバンクロム(FF)
価格=6CVT 465万8500円
全長×全幅×全高=4975×1850×1815mm
ホイールベース=3000mm
トレッド=フロント:1600×リア:1600mm
最低地上高=150mm
車重=1950kg
エンジン=2488cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=125kW(170ps)/5600rpm
最大トルク=245Nm(25.0kgm)/3900rpm
WLTCモード燃費=10.0km/リッター(燃料タンク容量73リッター)
(市街地/郊外/高速道路=7.0/10.7/11.7km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/55R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=7名
最小回転半径=5.7m
●主要燃費改善項目:可変バルブタイミング/自動無段変速機/電動パワーステアリング/充電制御
●主要装備:インテリジェントクルーズコントロール/インテリジェントエマージェンシーブレーキ/インテリジェント車線逸脱防止支援システム/車線逸脱警報/踏み間違い衝突防止アシスト/標識検知機能/前後ソナー/前後スタビライザー/後席電動スライドドア/オートバックドア/プライバシーガラス(リア5面)/LEDヘッドライト/ハイビームアシスト/アクティブAFS/リバース連動下向きドアミラー/本革巻き+木目調コンビステアリング/本革シート/前席パーソナルドライビングポジションメモリー機能/セカンドコンフォタブルキャプテンシート/ストラップ付き可倒サードシート/シートサイドテーブル/インテリジェントエアコンシステム/エアロパーツ(漆黒フロントグリル+前後エアロバンパー+サイドシルプロテクターほか)/スクラッチシールド/LEDバンパーイルミネーション/グラファイトフィニッシュ18インチアルミ
●装着メーカーop:ツインサンルーフ15万4000円/インテリジェントアラウンドビューモニター+ディスプレイ付き自動防眩ルームミラーほか6万6000円
●ボディカラー:ディープクリムゾンパールメタリック&ミッドナイトブラックパール2トーン(op11万5000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万6030円

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