【最新モデル試乗】威風堂々。最新のロールス・ロイス・ゴーストは快適なだけじゃない。究極のドライバーズカーだった!

ロールス・ロイス・ゴースト  スタイリングは旧型のイメージを踏襲しながら優雅な印象に変身 スタンダード(全長5545mm)とエクステンデッド(同5715mm)を設定 写真はスタンダード 駆動方式は4WD
ロールス・ロイス・ゴースト スタイリングは旧型のイメージを踏襲しながら優雅な印象に変身 スタンダード(全長5545mm)とエクステンデッド(同5715mm)を設定 写真はスタンダード 駆動方式は4WD

ロールス・ロイス・ゴースト 価格:8SAT 3590万円 試乗記

高級車の頂点! 第2世代はプラットフォームから刷新

 ゴーストの第 2世代は、高級車の頂点に君臨するロールス・ロイスがそのあり方を自ら変革した意欲作である。
 新型はプラットフォームそのものを刷新した。ブランド専用開発のアルミニウム・スペースフレームを採用。旧型ゴースト用はBMWグループの上級プラットフォームがベースだった。対して新型はロールス専用の新骨格である。「ロールス・ロイスに必要な性能」を実現するためゼロから開発された。ゴースト用は、ロールス初のSUVであるカリナンとフラッグシップの新型ファントムに採用されているものの改良版だ。

 パワーユニットは従来どおり12気筒の鼓動を受け継いだ。6.75リッターの排気量を誇るツインターボエンジンのスペックはスーパーカー級の571ps/850Nm。なんと1600rpmから強大なトルクをフラットに発揮する。しかも静粛性は非常に高い。8速ATと組み合わされ、ロールス・ロイスのサルーンとしては初となる4WDシステムでパワーを路面へ伝える。

 次代の高級車像をアピールするのはメーカーが「ポスト・オピュレンス」(その先にある心の豊かさ)と説明する内外のデザイン手法だ。全体の雰囲気はキープコンセプトだが、虚飾を徹底的に排し、実質を優雅に表現することに専念した。雰囲気は格段に洗練されている。ちなみにボディタイプは旧型と同様、スタンダード(全長5545mm)とエクステンデッド(同5715mm)の2種類。それぞれに4名乗りと5名乗りが選べる。ドアは伝統の観音開きタイプだ。

ゴーストはナビと連動して前方のコーナー曲率を検出 8SATを自動制御するサテライト・システム標準
ゴーストはナビと連動して前方のコーナー曲率を検出 8SATを自動制御するサテライト・システム標準
キャビンは超快適設計 前席に比べ後席の着座位置を高めに設定 シート素材や室内カラーがフルオーダーできる ドアは伝統の観音開き式
キャビンは超快適設計 前席に比べ後席の着座位置を高めに設定 シート素材や室内カラーがフルオーダーできる ドアは伝統の観音開き式

乗り心地にうっとり、そして運動性能に驚いた!

 新型ゴーストに触れ、ロールスが提示する高級車の新たな方向性を実感した。
 まず驚いたのが、極上の乗り心地。カリナン、ファントムに乗って“もうこれ以上の感動はない”と思っていたから、うれしい誤算だった。この快適性はプラナー・サスペンションシステムという、まったく新しい考え方の足回りがもたらしたもの。中でもフロントのアッパーウィッシュボーンダンパーはユニーク。走り出した瞬間に、はっきりと滑らかと感じさせる質の高さは「さすがにロールス」だ。

 さらに高級車とは思えないほどの高いドライバビリティにも驚愕した。日光の狭いワインディングロードを、よくできたスポーツセダンのように駆け抜けた。
 いまやロールス・ロイスの主なユーザー層は30〜40歳代。ショーファーよりオーナードリブンとして使うことを好むという。なるほどこの走りなら、積極的にステアリングを握りたくなる。新型ゴーストは、究極のドライバーズカーでもあった。

室内は最上級の本革とウッドパネルで構成 虚飾を排し素材の美しさと機能性を追求 大柄なボディながら絶妙のハンドリングにより意のままに走れる 操縦性優秀
室内は最上級の本革とウッドパネルで構成 虚飾を排し素材の美しさと機能性を追求 大柄なボディながら絶妙のハンドリングにより意のままに走れる 操縦性優秀
キャビンは5名乗り(写真)と4名乗りが選べる 乗り心地は極上 快適性は感動レベル
キャビンは5名乗り(写真)と4名乗りが選べる 乗り心地は極上 快適性は感動レベル
前席背後に格納式テーブルと後席用モニター用意 各種もてなしは完璧
前席背後に格納式テーブルと後席用モニター用意 各種もてなしは完璧
後席ドアに専用アンブレラを内蔵 急な雨でも安心
後席ドアに専用アンブレラを内蔵 急な雨でも安心
メーターは3連デザイン 伝統の意匠 視認性はハイレベル
メーターは3連デザイン 伝統の意匠 視認性はハイレベル
ヘッドライトはフルLED デイランニング灯内蔵 シンプルな形状
ヘッドライトはフルLED デイランニング灯内蔵 シンプルな形状
フロント:255/40R21/リア:285/35R21ピレリPゼロ装着 足回りはエアサス仕様
フロント:255/40R21/リア:285/35R21ピレリPゼロ装着 足回りはエアサス仕様
6.75リッター・V12DOHC48Vツインターボ(571ps/850Nm) 0〜100km/h加速4.8秒の俊足
6.75リッター・V12DOHC48Vツインターボ(571ps/850Nm) 0〜100km/h加速4.8秒の俊足

ロールス・ロイス・ゴースト 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=ゴースト
価格=8SAT 3590万円
全長×全幅×全高=5545×2000×1570mm
ホイールベース=3295mm
トレッド=フロント:1435×リア:1440mm
車重=2540kg
エンジン=6748cc・V12DOHC48Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=420kW(571ps)/5000rpm
最大トルク=850Nm(86.7kgm)/1600〜4250rpm
EU複合燃費=6.4〜6.6km/リッター
サスペンション=前後マルチリンク(エアサス)
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=フロント:255/40R21/リア:285/35R21+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最高速度=250km/h(リミッター作動)
0〜100㎞/h加速=4.8秒
※価格を除き、スペックは欧州仕様 デビュー:2020年9月

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