本年4月より北米市場で発売する新型の三菱アウトランダーがワールドプレミア

三菱自動車が新世代クロスオーバーSUVの新型アウトランダーをオンライン発表。北米市場では本年4月より発売

 三菱自動車は2021年2月16日(現地時間)、旗艦クロスオーバーSUVの新型アウトランダーをオンライン発表。合わせて、本年4月よりアメリカ、カナダ、プエルトリコで発売するとアナウンスした。

▲三菱アウトランダー 全長4710×全幅1862×全高1748mm ホイールベース2706mm 本年4月よりアメリカ、カナダ、プエルトリコで発売予定。写真は最上級仕様のPライン
▲三菱アウトランダー 全長4710×全幅1862×全高1748mm ホイールベース2706mm 本年4月よりアメリカ、カナダ、プエルトリコで発売予定。写真は最上級仕様のPライン

 今回の全面改良で第4世代(初代は日本のエアトレックの輸出版。日本仕様では第3世代)に移行する新型アウトランダーは、商品コンセプトに「威風堂々」を掲げ、内側からみなぎる力強さの表現を目指す。その目的を具現化するためにプラットフォームからプロポーション、メカニズムなどを大幅刷新し、次世代の三菱自動車を象徴するクルマへと昇華させた。

▲フロントからリアへと伸びる水平基調で力強いスタンスのプロポーションや張りのある豊かな面とエッジの利いたシャープなキャラクターラインのコントラストが印象的
▲フロントからリアへと伸びる水平基調で力強いスタンスのプロポーションや張りのある豊かな面とエッジの利いたシャープなキャラクターラインのコントラストが印象的

 エクステリアに関しては、「BOLD STRIDE(ボールド ストライド)」をデザインテーマに、ドライバーが自信をもって新しい一歩を踏み出せる力強さや頼もしさを全身で表現。車両パッケージから大きく見直し、フロントからリアへと伸びる水平基調で力強いスタンスのプロポーション、張りのある豊かな面とエッジの利いたシャープなキャラクターラインのコントラスト、大径20インチタイヤとワイドボディを強調する張り出したフェンダーなどにより、堂々とした佇まい、さらに存在感と安定感を具現化した。
 各部の造形にも徹底してこだわる。フロントセクションは三菱自動車のデザインコンセプトの「ダイナミックシールド」を次世代に進化させ、同時にデイタイムランニングランプとターンランプを薄くシャープな形状として上部に、ヘッドライトをその下のバンパーサイドに配置し、より印象的で力強く、かつ前方を明るく照らすフェイスを創出。一方、リアビューはひとつの面から切り出したかのようなシャープな六角形のテールゲートに水平基調のTシェイプテールランプ、タイヤを背負ったパジェロ伝統のスタイルからインスピレーションを受けた、上部は安定感、下部はSUVらしい機動性の高さを表現するデザインを採用した。ボディ色については、三菱自動車独自の高輝度塗装であるダイヤモンドシリーズとして、レッドダイヤモンド、ホワイトダイヤモンドに続く第3弾カラーのブラックダイヤモンドを新規に設定。ほかにベーシックな6色をラインアップして、全9タイプの展開とする。一方、ボディサイズは全長4710×全幅1862×全高1748mm/ホイールベース2706mmに設定。先代モデルは同4695×1811×1710mm/2670mmだったので、すべての寸法が拡大してワンクラス上のルックスに仕上がった。

▲デイタイムランニングランプとターンランプを薄くシャープな形状として上部に、ヘッドライトをその下のバンパーサイドに配置
▲デイタイムランニングランプとターンランプを薄くシャープな形状として上部に、ヘッドライトをその下のバンパーサイドに配置
▲新造形の20インチアルミホイールを装着して足もとを引き立てる
▲新造形の20インチアルミホイールを装着して足もとを引き立てる

 内包するインテリアは、触感や素材にこだわった上質な室内空間に仕立てる。インストルメントパネルは水平基調で構成し、上部には触感の良いレザー巻きのソフトパッドを採用するとともにステッチをあしらうことで質感を引き上げた。また、ドアパネルは広い面積にドアインサートを配し、合わせてインパネやフロアコンソールサイドと同様のソフトパッドで覆って、上質かつ居心地のいいキャビンを演出する。メーターについてはグレード別に2タイプの設定。1つは三菱自動車初の全画面のフルカラー液晶(12.3インチサイズ)を配した「フルデジタルドライバーディスプレイ」で、鮮明な画像と大画面により多彩なコンテンツ表示をすっきりと見やすくアレンジする。もう1つのハイコントラストメーターは中央のインフォメーションディスプレイに簡易的な矢印ナビなどの表示が可能で、7インチ液晶を採用しながらも立体的な文字盤と加飾付き指針によって高級感を創出した。一方、センターディスプレイにはグレード別装備として9インチの大画面を採用したスマートフォン連携ナビゲーションを設定。さらに、三菱自動車初のウインドシールドタイプの10.8インチヘッドアップディスプレイ(HUD)も装備した。

▲インストルメントパネルは水平基調で構成し、上部には触感の良いレザー巻きのソフトパッドを採用するとともにステッチをあしらうことで質感を引き上げる
▲インストルメントパネルは水平基調で構成し、上部には触感の良いレザー巻きのソフトパッドを採用するとともにステッチをあしらうことで質感を引き上げる
▲シートレイアウトは3列7名乗りで構成。フロントシートは2層ウレタン構造とし、長時間座っていても疲れにくい快適な座面を実現した
▲シートレイアウトは3列7名乗りで構成。フロントシートは2層ウレタン構造とし、長時間座っていても疲れにくい快適な座面を実現した
▲三菱自動車初の全画面のフルカラー液晶(12.3インチサイズ)を配した「フルデジタルドライバーディスプレイ」を設定
▲三菱自動車初の全画面のフルカラー液晶(12.3インチサイズ)を配した「フルデジタルドライバーディスプレイ」を設定
▲センターディスプレイには様々な情報を表示する9インチの大画面を採用。スマートフォンとの連携も強化する
▲センターディスプレイには様々な情報を表示する9インチの大画面を採用。スマートフォンとの連携も強化する

 シートレイアウトは3列7名乗りで構成。フロントシートは2層ウレタン構造とし、長時間座っていても疲れにくい快適な座面を実現する。また、2/3列目は格納が可能で、かつ2列目にはスライドおよびリクライニング機能と4:2:4分割可倒機構を設定して、乗車人数や荷物に合わせた多彩なシートアレンジを可能とした。車体を幅方向に広げ、同時に1/2列目のシート足もとスペースを拡大して、ゆとりのある居住空間を具現化したこともトピックだ。さらに、シートヒーターや3ゾーンオートエアコン、リアドアガラスサンシェードなどファミリーSUVとして後席でも快適に過ごせる機能をグレード別装備として用意する。ほかにも、フロアコンソールトレイやフロアコンソールサイドポケット、運転席シートバックポケット、クォータートリムポケットにスマートフォンの収納スペースを、フロアコンソールトレイにスマートフォンのワイヤレス充電機能(15W)を、フロアコンソール前面と背面に充電用のUSBポート(Type-C/A)を配備した。ラゲッジスペースは7名乗車時で180リットル、3列目を格納すると478リットル、そして2列目も折りたたむと810リットル(29リットルのラゲッジアンダーボックスを含む)の容量を確保している。

▲ラゲッジスペースは7名乗車時で180リットル、3列目を格納すると478リットル、そして2列目も折りたたむと810リットルの容量を確保
▲ラゲッジスペースは7名乗車時で180リットル、3列目を格納すると478リットル、そして2列目も折りたたむと810リットルの容量を確保

 内装のカラーバリエーションとしては、最上級のPラインにシックなブラックと開放感のあるライトグレーの本革シート(Genuine Leather)を設定。インストルメントパネルとドアトリムも同色とし、シフトパネルにはアルミニウムの加飾を配する。また、Pラインのオプションとしてサドルタンのアクセントカラーも用意し、シートには同色のアクセントを入れた上級本革(Semi-aniline Leather)を採用した。さらに、Hラインにはスエード調コンビネーション素材のブラックシートとピアノブラック加飾を、Mラインにはファブリック素材のブラックまたはライトグレーのシートとピアノブラック加飾を配備している。

▲Pラインのオプションとしてサドルタンのアクセントカラーを用意。シートには同色のアクセントを入れた上級本革(Semi-aniline Leather)を採用する
▲Pラインのオプションとしてサドルタンのアクセントカラーを用意。シートには同色のアクセントを入れた上級本革(Semi-aniline Leather)を採用する

 基本骨格に関しては、新開発のプラットフォームに、三菱自動車初のホットスタンプ式超高張力鋼板を採用した高耐力かつ軽量なキャビン構造、エンジンルームおよびキャビンまわりの連続した環状構造などを導入し、先代モデルより曲げ・ねじり剛性を大幅に向上させる。また、シャシーには進化版の前マクファーソンストラット/後マルチリンクのサスペンションを、操舵機構にはデュアルピニオン式の電動パワーステアリングを組み込み、上質な乗り心地でありながらリニアでダイレクト感のある操縦性を実現した。
 パワーユニットは新開発のPR25DD型2.5リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(181hp/245Nm)を搭載。従来の4J12エンジン比で最高出力が約8.9%、燃料消費率(WLTCモード)が約2.6%向上する。また、トランスミッションには8速スポーツモードCVTをセット。加速時は多段A/Tのようなメリハリのある変速を行うステップシフト制御を採用し、アクセルを強く踏み込んだときは力強く俊敏な加速フィーリングを、クルージング時はCVTの特長を活かした静かで滑らかな走りを実現した。一方、駆動システムについては2WDと4WDを設定し、4WDには前後トルク配分を行うセンターカップリングのデバイスに電動モーターによる油圧クラッチを取り入れた電子制御4WDを採用。また、最新バージョンの車両運動統合制御システム「S-AWC」も組み込む。S-AWCでは、ブレーキ制御「ブレーキAYC」を後輪にも採用することで前後輪の分散制御を達成。また、ハンドル角やヨーレイト、駆動トルク、ブレーキ圧、車輪速などをセンサーで検知してドライバーの操作と車両の状態を常に正確に把握し、旋回時にはブレーキAYCが前後左右輪の駆動力および制動力差を最適化することで、タイヤのグリップ能力をさらに引き出してドライバーが意のままに操れるハンドリング性能を具現化した。さらに、2WDにもブレーキAYCを組み込み、ASCやABSと統合制御して様々な路面での走行安定性を実現する。ドライブモードとしては、ECO/NORMAL/TARMAC/GRAVEL/SNOW/MUD(MUDは4WDのみ)を設定した。

▲パワーユニットは新開発のPR25DD型2.5リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(181hp/245Nm)を搭載。トランスミッションには8速スポーツモードCVTを組み合わせる
▲パワーユニットは新開発のPR25DD型2.5リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンエンジン(181hp/245Nm)を搭載。トランスミッションには8速スポーツモードCVTを組み合わせる
▲ドライブモードとしてECO/NORMAL/TARMAC/GRAVEL/SNOW/MUD(MUDは4WDのみ)を設定
▲ドライブモードとしてECO/NORMAL/TARMAC/GRAVEL/SNOW/MUD(MUDは4WDのみ)を設定

 先進安全機能のバージョンアップも見逃せない。レーダークルーズコントロールシステム(ACC)とレーンキープアシスト(LKA)を統合制御した高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイ・パイロット)」を搭載したほか、トラフィックサインレコグニション(TSR)やオートマチックハイビーム(AHB)、ヒルディセントコントロール(HDC)、アクティブブラインドスポットアシスト(ABSA)&ブラインドスポットワーニング(BSW)/レーンチェンジアシスト(LCA)、リアクロストラフィックアラート(RCTA)、マルチアランドモニターなどを装備。また、安心してドライブを楽しむためのカーサポートシステム「三菱コネクト」、スマートフォンを使って車両の駐車位置を表示する機能、リモート操作で乗車前にエンジンを始動させて空調を作動させておく機能なども採用している。

▲先進安全機能やコネクテッド機能のバージョンアップも図る
▲先進安全機能やコネクテッド機能のバージョンアップも図る

 なお、プラグインハイブリッドモデル(PHEV)も遅れて設定される見込み。日本への導入に関しては現時点で未定だ。

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