マクラーレンが市販モデル初のプラグインハイブリッド車「アルトゥーラ」を初公開

マクラーレンもいよいよPHEV市場に参入。ハイパフォーマンスハイブリッド(HPH)を謳う新世代ミッドシップスポーツ「アルトゥーラ」を発表。車両価格は18万5500ポンド(約2740万円)~に設定

 英国マクラーレン・オートモーティブは2021年2月17日(現地時間)、ブランド初の市販プラグインハイブリッドモデル「アルトゥーラ(Arture)」をオンライン発表した。車両価格は18万5500ポンド(約2740万円)~に設定。ユーザーへの納車開始は2021年3四半期を予定する。

▲ブランド初の市販プラグインハイブリッドモデルとなるマクラーレン・アルトゥーラ。 基本骨格には新設計のマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)を初採用する
▲ブランド初の市販プラグインハイブリッドモデルとなるマクラーレン・アルトゥーラ。 基本骨格には新設計のマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)を初採用する

 ハイパフォーマンスハイブリッド(HPH)を謳うアルトゥーラは、刺激的なパフォーマンスに高度なドライビングダイナミクス、そしてEVモードでの走行が可能な環境性能を高次元で融合させた新進のスポーツカーである。

▲エクステリアは“シュリンクラップド(包装)”デザインで構成。ボディサイズは全長4539×全幅1913×全高1193mm/ホイールベース2640mm、車重は1395kg(乾燥重量。DIN車両重量で1498kg)
▲エクステリアは“シュリンクラップド(包装)”デザインで構成。ボディサイズは全長4539×全幅1913×全高1193mm/ホイールベース2640mm、車重は1395kg(乾燥重量。DIN車両重量で1498kg)

 基本骨格には新設計のマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)を初採用。軽量かつ高剛性に仕立てたボディはカーボンファイバーモノコックと前後スーパーフォームド(成形)アルミニウムで構成し、「機能のためのフォルム」というデザイン理念から生まれた曲面構成の“シュリンクラップド(包装)”デザインを導入する。ボディサイズは全長4539×全幅1913×全高1193mm/ホイールベース2640mm、車重は1395kg(乾燥重量。DIN車両重量で1498kg)に設定した。

▲ミッドシップ配置のパワートレインにはM630型2993cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン(585ps/585Nm)+電動モーター(70kW/225Nm)を搭載。システム総出力は680ps/720Nmを誇る
▲ミッドシップ配置のパワートレインにはM630型2993cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン(585ps/585Nm)+電動モーター(70kW/225Nm)を搭載。システム総出力は680ps/720Nmを誇る

 ミッドシップ配置のパワートレインには、M630型2993cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン(585ps/585Nm)+電動モーター(70kW/225Nm)を搭載。システム総出力はマクラーレンのV8ツインターボユニットに匹敵する680ps/720Nmを誇る。トランスミッションにはツインクラッチの8速SSGを組み合わせ、マクラーレン初の電子制御ディファレンシャルを装備したうえで後輪を駆動。外部充電が可能なフロア下配置のリチウムイオンバッテリー(5モジュール)は総電力量 7.4kWhを確保し、同時にユニット重量を88kgと軽量に収める。また、電気系統を可能な限りシンプルな配線とし、さらにモーター重量を15.4kgに抑えて、HPHの総重量を約130kgにとどめた。性能面では、0→100km/h加速3.0秒、最高速度330km/hを実現。また、モーターのみの航続距離は30km、最高速度は130km/hを達成し、CO2排出量は129g/km(欧州WLTP複合モード)を成し遂げる。充電に関しては、一般的なEVSEケーブルを使用した際に約2.5時間で80%の充電可能だ。一方、走行モードとしては電気のみを使用するEモードのほか、エンジンとモーターを走行状況に応じて最適制御するComfortモード、低速域のレスポンスと加速の向上のために電力をより積極的に活用(トルク・インフィルと呼称)するSportモード、サーキット走行などに向けたTrackモードという4パターンを設定している。

▲外部充電が可能なフロア下配置のリチウムイオンバッテリーは総電力量 7.4kWhを確保。充電に関してはEVSEケーブルを使用した際に約2.5時間で80%の充電可能
▲外部充電が可能なフロア下配置のリチウムイオンバッテリーは総電力量 7.4kWhを確保。充電に関してはEVSEケーブルを使用した際に約2.5時間で80%の充電可能
▲性能面では0→100km/h加速3.0秒、最高速度330km/hを実現。また、モーターのみの航続距離は30km、最高速度は130km/hを達成し、CO2排出量は欧州WLTP複合モードで129g/kmを成し遂げる
▲性能面では0→100km/h加速3.0秒、最高速度330km/hを実現。また、モーターのみの航続距離は30km、最高速度は130km/hを達成し、CO2排出量は欧州WLTP複合モードで129g/kmを成し遂げる

 シャシー面に関しては、前デュアルウィッシュボーン式/後アッパーウィッシュボーン+ロワマルチリンク式で構成し、専用セッティングのプロアクティブダンピングコントロール(PDC)を装備。タイヤには前235/35ZR19 91Y/後295/35ZR20 105YサイズのピレリP-ZERO CORSAを装着したうえで、空気圧を監視してタイヤのパフォーマンスを最適化するピレリCyber Tyreシステムも組み込んだ。

▲足回りには専用セッティングのプロアクティブダンピングコントロール(PDC)を装備。ドアは前部にある固定されたヒンジを軸に上方に開くシザーズタイプ
▲足回りには専用セッティングのプロアクティブダンピングコントロール(PDC)を装備。ドアは前部にある固定されたヒンジを軸に上方に開くシザーズタイプ

 インテリアについては、従来のマクラーレン車以上にドライバーを中心とした、ステアリングから手を離さずに主要コントロールの操作が可能なレイアウトで構成される。メーターナセルやセレクターはステアリングコラムと組み合わせて配置し、コラムと連動した調整が可能。また、操作スイッチ類はメーターナセル周囲とコラム部に配し、ステアリング自体は操舵に集中するためのシンプルなデザインで仕立てる。さらに、8インチHDタッチスクリーンなどの新インフォテインメントシステムにより先進運転支援システム(ADAS)の導入が可能となったほか、スマートフォンのミラーリング機能も装備。最新のインターネット接続システム(MISⅡ)も組み込んだ。一方でシートについては、高さや背もたれの調節時にシート全体が一体となって楕円の弧を描いてピボットする新しいクラブスポーツシートを設定。オプションでコンフォートシートの選択も可能だ。また、カーボンファイバー製シェルやダッシュボード、ドアをスリムにデザインし、キャビン空間の余裕を創出した。

▲インテリアは従来のマクラーレン車以上にドライバーを中心とした、ステアリングから手を離さずに主要コントロールの操作が可能なレイアウトで構成した
▲インテリアは従来のマクラーレン車以上にドライバーを中心とした、ステアリングから手を離さずに主要コントロールの操作が可能なレイアウトで構成した
▲メーターナセルやセレクター(写真)はステアリングコラムと組み合わせて配置し、コラムと連動した調整が可能
▲メーターナセルやセレクター(写真)はステアリングコラムと組み合わせて配置し、コラムと連動した調整が可能

 ADASに関しては、インテリジェントアダプティブクルーズコントロールやレーンデパーチャーウォーニング、自動ハイビームアシスト、ロードサインレコグニションなど、最新の機構を設定。また、オーバー・ジ・エア(OTA)によるソフトウェアのアップデートも可能としている。

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