【最新モデルの〇と×】話題の全天候GTワゴンに死角はないのか。新型SUBARUレヴォーグを冬道で試す

SUBARUレヴォーグSTIスポーツEX ZF製電子制御ダンパーと5種の走行モードが選べるドライブモードセレクト標準 駆動方式はアクティブトルクスプリット4WD 雪道でもドライバーの意思に忠実な自在性の高い走りを披露する
SUBARUレヴォーグSTIスポーツEX ZF製電子制御ダンパーと5種の走行モードが選べるドライブモードセレクト標準 駆動方式はアクティブトルクスプリット4WD 雪道でもドライバーの意思に忠実な自在性の高い走りを披露する

SUBARUレヴォーグSTIスポーツEX 価格:8CVT 409万2000円 試乗記

試乗車はアイサイトX標準のSTIスポーツEX。走りの舞台は裏磐梯

SUBARUレヴォーグの○と×
○:世界トップにランクできる質感の高い走り
×:CVTがもたらすリニアさに欠ける加速感

 2ndレヴォーグは、デザインはもとよりボディ骨格、そしてエンジンも新開発アイテムでまとめている。まさにフルモデルチェンジと呼ぶにふさわしい意欲作である。現在の市場環境はSUV全盛。ステーションワゴンにとっては決して「追い風が吹いている」とはいえない。にもかかわらず熱い支持を集めているのは、高い完成度の賜物だろう。話題のレヴォーグを雪上でチェックした。

 試乗車は最上級グレードのSTIスポーツEX。STIスポーツは、基本的なボディやパワーパックは通常モデルと共通だが、サスペンションのチューニングに開発当初からSTIが関与したスペシャルモデル。SUBARU(スバル)として初めて電子制御式の可変減衰力ダンパーが組み込まれた。さらにEXは、進化型の運転支援システム「アイサイトX」を標準装備。安全・安心がいちだんと高まっている。
 装着するスタッドレスタイヤは、「実力は今季トップランナー」と確認済みの横浜ゴムの最新作、アイスガード6。チェックの舞台は福島県裏磐梯である。

レヴォーグと雪道の相性は抜群 舗装路とほぼ同等の感覚で安心して走れる
レヴォーグと雪道の相性は抜群 舗装路とほぼ同等の感覚で安心して走れる
1795cc水平対向4DOHC16Vターボ 177ps/300Nm 実力はNA2.5リッターと同等 WLTCモード燃費:13.6km/リッター(レギュラー仕様)
1795cc水平対向4DOHC16Vターボ 177ps/300Nm 実力はNA2.5リッターと同等 WLTCモード燃費:13.6km/リッター(レギュラー仕様)

雪道でも自在なハンドリングを披露。圧倒的な完成度を実感

 試乗はオンロードからスタート。出発地の東京都心から裏磐梯までは、およそ300km。標準装着品とは異なるタイヤの特性か、乾燥路上での路面コンタクト感は、「以前チェックした同グレード車よりも、ちょっと硬め」と思えた。とはいえ、ドライブモードをどのポジションにセットしても、「このクラスの世界トップレベル」と実感できる上質な乗り味を提供してくれた。長時間の高速クルージングは、好印象である。

 高精度地図データや日本独自の衛星測位システム「みちびき」を含むGNSS(全球測位衛星システム)情報を活用した世界最先端を行く運転補助機能、アイサイトXも「使えるシステム」であることを再確認。ただし欲をいうならば、追従クルーズコントロールを使用中に遅い前車を検知すると、ただちに減速を開始する制御はひと工夫がほしい。現状、希望の一定速を保つためには検知を予測して前方が空いた車線に、あらかじめ車線変更する必要がある。また、前車との希望車間セットが距離を縮める方向への「一方通行」である点も気になった。

 裏磐梯へと到達すると路面は見事な圧雪状態。そうした状況下でも加減速やハンドリングの印象は、極めて自在感が高い。
 むしろ「舗装路上とさして変わらない感覚で走れてしまう」ことのほうに注意が必要、とさえ思えた。「鬼に金棒」というフレーズが自然と浮かんでくる組み合わせが、「新型レヴォーグと雪道」だった。

ボディはフルインナーフレーム構造 ねじり剛性は旧型比44%向上 最低地上高は145mm
ボディはフルインナーフレーム構造 ねじり剛性は旧型比44%向上 最低地上高は145mm
横浜ゴム製アイスガード6スタッドレスを標準アルミに装着 サイズは225/45R18
横浜ゴム製アイスガード6スタッドレスを標準アルミに装着 サイズは225/45R18
EXは11.6インチ縦型センターディスプレイ&アイサイトX標準 高精度地図データを活用したアイサイトXの機能は多彩
EXは11.6インチ縦型センターディスプレイ&アイサイトX標準 高精度地図データを活用したアイサイトXの機能は多彩
STIスポーツはボルドーレッド&ブラックの本革シート標準 前後シートヒーター標準 乗り心地は全域上質
STIスポーツはボルドーレッド&ブラックの本革シート標準 前後シートヒーター標準 乗り心地は全域上質
液晶メーターは視認性良好 標準(写真)/地図/アイサイトの表示が選べる
液晶メーターは視認性良好 標準(写真)/地図/アイサイトの表示が選べる
8速マニュアルモード付きCVTはパドル標準 ややダイレクト感に欠ける印象
8速マニュアルモード付きCVTはパドル標準 ややダイレクト感に欠ける印象
センターディスプレイはスマホ感覚で操作できる設計 ナビ機能一体型の高機能タイプ モダンな印象を与える
センターディスプレイはスマホ感覚で操作できる設計 ナビ機能一体型の高機能タイプ モダンな印象を与える
ラゲッジは使い勝手良好 後席使用時容量561リッター 荷室最大幅1100mm
ラゲッジは使い勝手良好 後席使用時容量561リッター 荷室最大幅1100mm

SUBARUレヴォーグSTIスポーツEX 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=STIスポーツEX
価格=8CVT 409万2000円
全長×全幅×全高=4755×1795×1500mm
ホイールベース=2670mm
トレッド=フロント:1550×リア:1545mm
車重=1580kg
エンジン=1795cc水平対向4DOHC16Vターボ(レギュラー仕様)
最高出力=130kW(177ps)/5200〜5600rpm
最大トルク=300Nm(30.6kgm)/1600〜3600rpm
WLTCモード燃費=13.6km/リッター(燃料タンク容量63リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=10.0/14.5/15.3km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/45R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
●主な燃費改善対策=アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/自動無段変速機
●主要装備=アイサイトXテクノロジー(渋滞時ハンズオフアシスト+渋滞時発進アシスト+アクティブレーンチェンジアシスト+カーブ前速度制御+料金所前速度制御+ドライバー異常時対応システム)/アイサイトコアテクノロジー(プリクラッシュブレーキ+緊急時プリクラッシュステアリング+後退時ブレーキアシスト+AT誤発進抑制装置+ツーリングアシスト+全車速追従機能付きクルーズコントロール+車線逸脱抑制機能ほか)/アイサイトセーフティプラス(スバルリアビークルディテクション+エマージェンシーレーンキープアシスト+アレイ式アダプティブドライビングビーム)/ドライバーモニタリングシステム/コネクティッドサービス(SUBARUスターリンク)/アクティブトルクスプリットAWD/電子制御ダンパー(ZF製)/ドライブモードセレクト/2ピニオン電動パワーステアリング/フルLEDロー&ハイビーム/ハンズフリーオープンリアゲート/レッドステッチ本革巻きステアリング/アルミパッド付きスポーツペダル/12.3インチフル液晶メーター/11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム/本革シート/前席電動調節機構/アクセスキー対応運転席ポジションメモリー機能/前後席シートヒーター/ダークグレーシリカ塗装フロントグリル/マフラーカッター/18インチアルミ/左右独立温度調節式フルオートAC/電動パーキングブレーキ
●ボディカラー:クロスタルホワイトパール(op3万3000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は9920円

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