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次世代レクサスを象徴するEVコンセプトカー「LF-Zエレクトリファイド」の訴求点は――

Writer:大貫直次郎 

初披露されたレクサスLF-Zエレクトリファイドは、2025年までの実現を見据えた走りやデザイン、先進技術を織り込んだブランドの変革を象徴するEVコンセプトカー

 トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスが2021年3月30日に発表した「LF-Zエレクトリファイド(LF-Z Electrified。Zはゼロエミッションを意味)」は、電動化によって成し遂げるレクサスの新しい価値を示唆するEVコンセプトカーで、2025年までに実現を見据えた走りやデザイン、そして先進技術を盛り込んだモデルに仕立てているという。その特長を見ていこう。

▲レクサスLF-Zエレクトリファイド 電動化によって成し遂げるレクサスの新しい価値を示唆するEVコンセプトカーで、2025年までに実現を見据えた走りやデザイン、そして先進技術を盛り込んだモデルに仕立てている

 まず基本骨格には、電動化ビジョン“Lexus Electrified”で目指す「車両基本性能の大幅な進化」を実現するためのEV専用プラットフォームを採用。そのうえで、エクステリアは進化するレクサスのデザインを示唆するスタディーモデルとして、プロポーションに根差したシンプルで艶のある造形と独自性のあるデザインを創出する。具体的には、EVならではの低いノーズから後方にピークを持たせた滑らかなキャビンを中心に、連続するシルエットで全体のフォルムを構成。同時に、高出力モーターの力を路面に伝える大径タイヤを4隅に配置し、低重心でワイドなSUVクーペ風のスタンスを構築した。

▲基本骨格には電動化ビジョン“Lexus Electrified”で目指す「車両基本性能の大幅な進化」を実現するためのEV専用プラットフォームを採用

 各部のアレンジにも徹底してこだわる。レクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルは、ボディ全体のアーキテクチャーとしてさらに進化させた“スピンドルボディ”という新たな表現に昇華。ブランドのアイコンをボディ造形として捉えた立体的なデザインとし、技術の進化に応じた機能表現とデザインを持続的に発展させることを目指した。一方、サイドビューは駆動力配分がリニアに変化する躍動感のある走りを想起させるデザインを取り入れ、フロントタイヤからリアタイヤへと淀みなく変化するドアの抑揚やタイヤ周辺の張り出したフレア形状の艶やかな面造形を具現化する。そしてリアセクションは、クリーンでシンプルな水平基調の面構成に張り出したタイヤを強調する造形を組み合わせることで、トルクフルな駆動力を支える力強いスタンスを演出。さらに、横一文字の薄型リアコンビネーションランプに新たなLEXUSロゴを配して、フロントとともに次世代のレクサスを象徴するデザインに仕立てた。なお、ボディサイズは全長4880×全幅1960×全高1600mm、ホイールベース2950mmに設定している。

▲レクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルはボディ全体のアーキテクチャーとしてさらに進化させた“スピンドルボディ”へと変貌を遂げる
▲横一文字の薄型リアコンビネーションランプに新たなLEXUSロゴを配して、フロントとともに次世代のレクサスを象徴するデザインを創出
▲ボディサイズは全長4880×全幅1960×全高1600mm/ホイールベース2950mm、車重は2100kgに設定

 内包するインテリアは、レクサスが創業当初から根幹としてきた“人間中心”の思想をより高次元で具現化するため、新コンセプト「Tazuna」に基づくコックピットを導入する。具体的には、手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、ドライブモードセレクトなど、各種機能の操作が行えるキャビン空間を実現した。また、コックピットを中心に据えつつ、乗員に対して低い位置に配したインパネ等が爽快な抜け感と細部まで心をつくしたおもてなしの空間を演出。さらに、カウルからフロントドア、リアドアへとシームレスに繋がる造形により、室内全体をクリーンで上質なスペースに仕上げる。そして、AR-HUDやメーター表示、タッチモニターなどドライバーへの情報を1つのモジュールとして集約しながら、ステアリング周辺に走行系機能を集中配置し、ドライバーの目線が自然に前方へ誘われるような次世代レクサスのインテリアデザインを提示した。

▲新コンセプト「Tazuna」に基づくコックピットを導入。手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく各種機能の操作が行えるキャビン空間を実現した
▲カウルからフロントドア、リアドアへとシームレスに繋がる造形により、室内全体をクリーンで上質なスペースに仕立てる。リアシートにはリクライニングやリラクゼーションなど多様な機能を装備

 一方、天井部にはプライバシー確保や夜空を映すイルミネーションなどエンターテインメント機能を内蔵した調光ガラスのパノラマルーフを導入。合わせて、ルーフセンターにはフロントシートとリアシートをつなぐタッチパネルを配して、キャビン内での乗員のコミュニケーション性能を高める。また、リアシートにはリクライニングやリラクゼーションなど多様な機能を装備して、移動時の快適性を引き上げた。

▲プライバシー確保や夜空を映すイルミネーションなどエンターテインメント機能を内蔵した調光ガラスのパノラマルーフを採用

 パワートレインに関しては、最高出力400kW/最大トルク700Nmを発生する高出力モーターと容量90kWh/充電電力150kWを確保したリチウムイオン電池、そしてモーター駆動力のレスポンスの良さを活用して4輪を自在にコントロールする新たな4輪駆動力制御技術の「DIRECT4」で構成。DIRECT4はアクセル、ブレーキ、ハンドル操作に応じて4輪の駆動力配分をコントロールし、FF、FR、AWDなど走行シーンに応じた最適な駆動パターンを提供する。また、操舵機構には新設計の「ステアbyワイヤ」を採用。運転状況に応じた直感的なステアリング操作とDIRECT4の高応答かつ高精度な駆動力コントロールが組み合わさり、ドライバーの操作とクルマの挙動がよりシンクロする走行性能を実現した。性能面では、最高速度が200km/h、0→100km/h加速が3.0秒という高スペックを達成したうえで、航続距離はWLTPモードで600kmを成し遂げている。

▲パワートレインは最高出力400kW/最大トルク700Nmを発生する高出力モーターと容量90kWh/充電電力150kWを確保したリチウムイオン電池、4輪を自在にコントロールする新たな4輪駆動力制御技術の「DIRECT4」で構成
▲DIRECT4はアクセル、ブレーキ、ハンドル操作に応じて4輪の駆動力配分をコントロールし、FF、FR、AWDなど走行シーンに応じた最適な駆動パターンを提供する

 移動体験をより豊かにすることを目的に企画した、数々の先進機能を組み込んだことも要注目だ。まず、ドライバーの嗜好や行動特性を学習するAIを採用。音声コミュニケーションによって運転中の操作性向上に貢献するほか、ドライバーとの対話を通じて好みや気分に合わせたドライブルートやレストランの予約等を提案し、ライフスタイルコンシェルジュとしてユーザーの生活に彩りを添える。また、スマートフォンによるドアロック開閉などの車両操作に加えて、従来型キーの受け渡しをすることなく家族や友人がクルマにアクセスできるデジタルキーを設定。同時に最新のE-Latchシステムを組み合わせ、乗車時にはキーを所持した乗員が近づくと格納式ドアハンドルが車両表面から自動的にスライドしてハンドル内部のセンサーに触れるとスムーズなドアの解錠および開扉を、降車時には車内の開扉スイッチを押すことでドアが開くとともに、車両に搭載されたセンサーが周辺状況を監視し、接近する車両や自転車を感知した場合には乗員に警告を発して事故低減に寄与する仕組みとした。さらに、マークレビンソンの次世代オーディオシステムを導入。世界中のコンサート会場と同じ音響空間を車内で再現するとともに、ノイズキャンセリングを備えた最新のサウンドマネジメント機能も組み込み、静かで快適な移動空間を実現した。

▲キーを所持した乗員が近づくと格納式ドアハンドルが車両表面から自動的にスライドし、ハンドル内部のセンサーに触れるとスムーズなドアの解錠および開扉を行う
▲スマートフォンによるドアロック開閉などの車両操作に加えて、従来型キーの受け渡しをすることなく家族や友人がクルマにアクセスできるデジタルキーを設定

 果たしてLF-Zエレクトリファイドで提案された最新コンセプトが、どのように市販モデルで具現化されるのか――。2025年までの実現を明言するレクサスの新世代EVの登場が、今から待ち遠しい。

▲性能面では最高速度が200km/h、0→100km/h加速が3.0秒という高スペックを実現したうえで、航続距離はWLTPモードで600kmを成し遂げる

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