成長するスカイアクティブX。一部改良モデルのマツダ3に乗ってわかった新テクノロジーの輝き

マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD) 最新スカイアクティブXは燃焼制御のリファインで完成度アップ エンジンスペックは従来の180ps/224Nmから190ps/240Nmに向上 外観はフロントフェンダーのエンブレムが最新版の証
マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD) 最新スカイアクティブXは燃焼制御のリファインで完成度アップ エンジンスペックは従来の180ps/224Nmから190ps/240Nmに向上 外観はフロントフェンダーのエンブレムが最新版の証

マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD) 価格:6MT/6SAT 361万6963円 試乗記

ぐっと良くなったスカイアクティブX。エンジンスペックは190ps/240Nmに向上

 マツダのスカイアクティブXがぐっとよくなった。
 スカイアクティブXは、伸びやかさと排出ガス浄化性に優れる火花点火式ガソリンエンジンと、初期レスポンスと燃費性能が魅力の圧縮着火式ディーゼルエンジンのメリットをクロスオーバーさせたマツダの独自技術。内燃機関の可能性を追求した高効率ガソリンエンジンである。

 マツダ3に搭載してデビューした当初は、正直にいうと力量不足の感触があった。ところが、エンジン制御系の変更を受けた2021年モデルで、驚きの進化を果たした。エンジンスペックは従来の180ps/224Nmから、190ps/240Nmにアップ。この数値は、当初の目標値だという。

 リファインポイントはスーパーチャージャーの過給ポイントを早め、希薄燃焼から通常燃焼への切り替わりで起きる「トルクの落ち込み」をサポートするモーターのつながりを改善した点。バルブタイミングもより高い精度とされ、走行中の加減速、とくにアクセル操作に対する「ツキ」がよくなった。ドライバーの要求と現実のズレがぐっと少なくなっている。

全長×全幅×全高4460×1795×1440mm パワーウェイトレシオ:7.95kg/ps 初期型ユーザーに最新エンジン制御のアップデートを提供中
全長×全幅×全高4460×1795×1440mm パワーウェイトレシオ:7.95kg/ps 初期型ユーザーに最新エンジン制御のアップデートを提供中
1997cc直4DOHC16V(190ps/240Nm)+モーター(6.5ps/61Nm) 最新ユニットはアクセル操作に対する「ツキ」を大幅改善 力強い
1997cc直4DOHC16V(190ps/240Nm)+モーター(6.5ps/61Nm) 最新ユニットはアクセル操作に対する「ツキ」を大幅改善 力強い

力強いダッシュはスポーツ感覚。足回りもリファイン

 従来のスカイアクティブXでもゼロスタート加速は決して悪くなかった。しかし中間加速、いま加速したい瞬間にもどかしい印象を受けがちだった。シフトダウンなりキックダウンして加速しやすい条件を整えたくなったのである。しかし、最新版にそうしたテクニックは不要。ピックアップ、つまりエンジンレスポンスが格段に鋭くなっており、まるでディーゼルのように豊かな低中速トルクが実感できる。アクセルを踏み込むだけでたくましい加速を示すのだ。

 ATもいいが、MTのほうが改良効果は明確。力強いトルクでダッシュが効く。印象的なのは2000rpmからの盛り上がりと5000rpm以上の車速の伸び感。6速MTで引っ張ると、ちょっとしたスポーツ感覚に浸れる。 
 燃費も改善された。昨年11月に続き、この4月の改良でWLTCモード燃費16.6〜17.9km/リッターを達成。一部グレードがエコカー減税対象車になった。

 足回りもよくなっている。サスペンションはバネレートの強化とそれに見合うダンピング特性の見直しを実施。タイヤを含めマッチングを高めた。最新版はしっかりしたステアリングフィールと、上質な乗り味が楽しめる。サスペンションの自然なストローク感が心地いい。高速直進性も初期型より落ち着いている。クルマそのものがアップグレードしたイメージだ。
 外観の変更はフロントフェンダーに追加されたエンブレムだけだが、マツダ3は中身がぐっと充実した。クルマ好きを魅了する存在である。

インパネは上質で機能的 写真は標準インテリア 各部にレッドカラーをあしらったバーガンディセレクション(7万1500円)も設定 操縦フィールはしっかりした印象
インパネは上質で機能的 写真は標準インテリア 各部にレッドカラーをあしらったバーガンディセレクション(7万1500円)も設定 操縦フィールはしっかりした印象
Lパッケージは本革シート標準 前後席とも自然な着座姿勢を実現 長距離クルーズでも疲れが少ない 乗り心地はフラットで快適なセッティング 室内長1820mm
Lパッケージは本革シート標準 前後席とも自然な着座姿勢を実現 長距離クルーズでも疲れが少ない 乗り心地はフラットで快適なセッティング 室内長1820mm
メーターは精緻な印象の3眼形状 速度計は表示モードが選べる7インチ液晶式 ヘッドアップディスプレイ標準
メーターは精緻な印象の3眼形状 速度計は表示モードが選べる7インチ液晶式 ヘッドアップディスプレイ標準
トランスミッションは6速ATと6速MTを設定 ATはエンジン応答制御を最適化した最新仕様
トランスミッションは6速ATと6速MTを設定 ATはエンジン応答制御を最適化した最新仕様
センターモニターは8.8インチ 360度モニターはセットop(8万6880円) ナビは別売りのSDカードが必要
センターモニターは8.8インチ 360度モニターはセットop(8万6880円) ナビは別売りのSDカードが必要
215/45R18タイヤ+7Jアルミ装着 最新モデルはスプリングとダンパー特性を改良
215/45R18タイヤ+7Jアルミ装着 最新モデルはスプリングとダンパー特性を改良

マツダ3ファストバックX・Lパッケージ(4WD)の主要諸元と主要装備

グレード=X・Lパッケージ(4WD)
価格=6SAT 361万6963円
全長×全幅×全高=4460×1795×1440mm
ホイールベース=2725mm
トレッド=フロント:1570×リア:1580mm
車重=1510kg
エンジン=1997cc直4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=140kW(190ps)/6000rpm
最大トルク=240Nm(24.5kgm)/4500rpm
モーター最高出力=4.8kW(6.5ps)/1000rpm
モーター最大トルク=61Nm(6.2kgm)/100rpm
WLTCモード燃費=16.6km/リッター(燃料タンク容量51リッター)
(市街地/郊外/高速道路:13.1/17.0/18.5km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=215/45R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m
主な燃費改善対策=ハイブリッドシステム/アイドリングストップ/筒内直接噴射/リーンバーン/可変バルブタイミング/充電制御/ロックアップ機構付きトルクコンバーター/電動パワーステアリング
主要装備=スマートブレーキサポート(前後進時)/AT誤発進抑制制御(前後進時)/リアパーキングセンサー/レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)/レーンキープアシスト/交通標識認識システム/車線逸脱警報/ブラインドスポットモニタリング/ドライバーアテンションアラート/アダプティブLEDヘッドライト/バックガイドモニター/8.8インチセンターディスプレイ/7インチマルチスピードメーター/ヘッドアップディスプレイ/本革巻きステアリング&シフトノブ/ステアリングヒーター/レザーシート/運転席電動調節機構/前席シートヒーター/フルオートAC/マツダ・ハーモニックアコースティック(8スピーカー)/ブラックメタリック塗装18インチアルミ/Gベクタリングコントロールプラス/電動パーキングブレーキ(オートホールド付き)/マフラーカッター
装着メーカーop=360度セーフティパッケージ(360度ビューモニター+ドライバーモニタリング)8万6880円/スーパーUVカットガラス+IRカットガラス+CD/DVDプレーヤー+地デジTVチューナー4万9500円
ボディカラー=ポリメタルグレーメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は9780円

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