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新型アウディRS3が本国デビュー。アウディの市販モデルでは初めてトルクスプリッターを標準装備

Writer:大貫直次郎 

第4世代のアウディA3をベースとする高性能モデルのRS3スポーツバック/セダンが本国で発表。400ps/500Nmを発生する進化版2.5TFSIエンジンに、RSトルクスプリッターと専用RS3ドライブモードを採用

 独アウディAGは2021年7月19日(現地時間)、第4世代のA3をベースとする高性能モデルのRS3スポーツバックとRS3セダンを本国で発表した。

▲今回の全面改良で第3世代に移行する新型RS3スポーツバック(写真・左)と、第2世代となる新型RS3セダン(同・右)

 今回の全面改良で第3世代に移行する新型RS3スポーツバックと、第2世代となる新型RS3セダンは、エンジンの性能アップやドライブモードの変更、内外装デザインの刷新などを実施して、コンパクトセグメントにおけるプレミアムスポーツとしてのキャラクターをいっそう際立たせたことが特徴である。
 まずパワーユニットには、進化版2.5 TFSIの2480cc直列5気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンを搭載。最高出力は400ps/5600~7000rpm、最大トルクは500Nm/2250~5600rpmを発生する。トランスミッションには専用セッティングの7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)をセット。性能面では0→100km/h加速が3.8秒、最高速度がリミッター制限で250㎞/h(オプションで280km/h、RSダイナミックパッケージで290km/hも選択可)を実現した。

▲パワーユニットには進化版2.5 TFSIの2480cc直列5気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンを搭載。最高出力は400ps/5600~7000rpm、最大トルクは500Nm/2250~5600rpmを発生

 駆動機構には従来型と同様にクワトロ(4WD)システムを採用するが、従来のリアアクスルディファレンシャルに代わって、トルクスプリッターを新たに標準装備する。電子制御式のマルチプレートクラッチによって左右のドライブシャフトに駆動力を最適配分するトルクスプリットは、より大きな負荷がかかる外側リアホイールの駆動トルクを増加させてアンダーステアを軽減し、俊敏かつ安定したコーナリング性能を具現化した。また、新モードとしてドリフト専用の「RSトルクリア」を設定。このモードを選択すると、トルクスプリッターのトルク配分曲線が専用のセットアップに切り替わる。一方、サーキット専用設計の「RSパフォーマンスモード」では、RS3に初めてオプション設定されるセミスリックタイヤに合わせて、トルクスプリッターがアンダーおよびオーバーステアを可能な限り抑え込むようにセッティング。極めてダイナミックでスポーティな走りを達成した。

▲従来のリアアクスルディファレンシャルに代わってトルクスプリッターを新装備。電子制御式のマルチプレートクラッチによって左右のドライブシャフトに駆動力を最適配分するトルクスプリットの採用で、より俊敏かつ安定したコーナリング性能を実現した

 懸架機構については、専用開発のショックアブソーバーとバルブシステムを組み込んだRSスポーツサスペンションを新採用。オプションとして、アダプティブダンパーコントロール付きRSスポーツサスペンションプラスも用意する。一方、ホイールキャンバー角も変更し、A3比でフロントが約1度、リアが約0.5度ネガティブ側にキャンバー角を拡大。合わせて、フロントアクスルにはサブフレームやスタビライザーを装着し、さらにリアアクスルは別体式のスプリング/ダンパー、サブフレーム、チューブラースタビライザーバーを備える4リンクタイプで仕立てた。
 新機構として、モジュラービークルダイナミクスコントローラー(mVDC)と称する集中制御システムを導入した点にも注目したい。横方向のダイナミクスに関連するすべてのコンポーネントからデータを取得し、それらがより正確かつ迅速に作動できるように調整するmVDC は、トルクスプリッター、アダプティブダンパー、ホイールセレクティブトルクコントロールを同期させ、正確なステアリングと取り回しを実現。とくにワインディングロードにおける敏捷性の向上を果たした。
 制動システムに関しては、新開発の大径6ピストンフロントスチールブレーキを標準で、フロントセラミックブレーキをオプションで設定。キャリパーカラーはスチールブレーキに標準色のブラックとオプション色のレッドを、セラミックブレーキにグレー/レッド/ブルーを用意した。

▲新機構としてモジュラービークルダイナミクスコントローラー(mVDC)と称する集中制御システムを採用

 エクステリアについては、従来モデルよりもいっそうダイナミックで、かつパワフルなスタイリングに仕立てたことが訴求点だ。フロント部はよりワイドになったRSバンパーやハニカムグリルを組み込んだシングルフレーム、大型のエアインテーク、フラットなウェッジシェイプLEDヘッドライトなどによって、印象的なマスクを創出。オプションとして、ダークカラーのベゼルを配したマトリクスLEDヘッドライトも用意する。一方、サイドセクションはエアアウトレットを配したフロントホイールアーチ後方やブラックトリムのロワーサイドシル、拡大したフロントトレッド(従来比+33mm。スポーツバックはリアトレッドも10mm拡大)などでスポーティ感を際立たせる。足もとには10-Yスポークデザインの19インチアルミホイールを標準で、RSロゴを施した5-YスポークアルミホイールとピレリPゼロ“トロフェオR”パフォーマンスセミスリックタイヤをオプションで採用した。そしてリアビューは、ディフューザーが統合されたRS専用バンパーに、2 つの大きな楕円形テールパイプを備えたRSエキゾーストシステム、シャープにアレンジしたLEDコンビネーションランプなどを配備して、存在感あふれる後ろ姿を演出する。ボディカラーに関しては、キャラミグリーンとケモラグレーの2タイプの専用色をラインアップ。セダンでは、ルーフをコントラストカラーのブリリアントブラック仕上げにすることも可能だ。

▲アウディRS3セダン 全長4542×全幅1851×全高1412mm ホイールベース2631mm 車重1575kg 写真のボディカラーは新色のキャラミグリーン
▲ディフューザーを統合したRS専用バンパーに、2 つの大きな楕円形テールパイプを備えたRSエキゾーストシステムを組み込む
▲セダンはルーフをコントラストカラーのブリリアントブラック仕上げにすることも可能
▲カーボンファイバー製のインストルメントパネルやボトムフラットの3スポークRSスポーツマルチファンクションステアリングを装備

 内包するインテリアは、カーボンファイバー製のインストルメントパネルや、ボトムフラットの3 スポークRSスポーツマルチファンクションレザーステアリング(デザインパッケージ選択時はRSバッジや12時位置ストライプマーカーを配備)、RSエンボス加工を施したRSスポーツシート、アンスラサイトのコントラストステッチなどを採用してレーシングカーフィールのコクピットを創出。また、12.3インチディスプレイを備えたアウディバーチャルコクピットプラスを標準装備し、ディスプレイにはバーグラフ表示のエンジン回転数のほか、出力とトルクをパーセンテージで表示することもできる。さらに、RS 専用のシフトインジケーター(マニュアルモードで作動)はグリーン/イエロー/レッドと色を変えながらレーシングカーのように点滅してシフトアップタイミングをドライバーに知らせ、加えて10.1インチタッチディスプレイにはクーラント温度、エンジン温度、トランスミッションオイル温度、タイヤ空気圧を表示するようにアレンジした。RS3としては初めてシフトライトインジケーターやヘッドアップディスプレイを設定したことも、新型のアピールポイントだ。

▲アウディRS3スポーツバック 全長4389×全幅1851×全高1436mm ホイールベース2631mm 車重1570kg よりワイドになったRSバンパーやハニカムグリルを組み込んだシングルフレームを配備
▲フロントホイールアーチ後方にはエアアウトレットを装備。トレッドはフロントで従来比33mm、リアで同10mm拡大
▲5-YスポークアルミホイールとピレリPゼロ“トロフェオR”パフォーマンスセミスリックタイヤをオプションで用意
▲12.3インチディスプレイを備えたアウディバーチャルコクピットプラスを標準装備。ディスプレイにはバーグラフ表示のエンジン回転数のほか、出力とトルクをパーセンテージで表示することもできる

 新型RS3は、欧州市場で本年8月半ばから受注を開始し、今秋に発売予定。ベース価格はRS3スポーツバックが6万ユーロ(約780万円)、 RS3セダンが6万2000ユーロ(約800万円)に設定している。

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