【最新モデル試乗】次はEVと考えている人に最適。メルセデスEQA250の完成度

メルセデスEQA250 EQブランドのエントリーBEV 1充電当たりの走行可能距離は422km(WLTCモード)  新車購入から1年間は全国2万1000カ所の充電サービスが無料で利用できる
メルセデスEQA250 EQブランドのエントリーBEV 1充電当たりの走行可能距離は422km(WLTCモード)  新車購入から1年間は全国2万1000カ所の充電サービスが無料で利用できる

メルセデスEQA250 価格:640万円 試乗記

メルセデスの電動化を担うEQブランドの重要性

 メルセデスの動きが活発だ。トラック部門を切り離し、社名を「ダイムラー」改め「メルセデス・ベンツ」として乗用車に専念する。乗用車もトラックも次世代パワートレーンへの取り組みが急務という事情は同じだが、今後しばらくは独自の道を歩むという決意表明だろう。新生メルセデス・ベンツはEV戦略が最重要課題となる。

 その中心を担うのが、メルセデスEQだ。メルセデス・ベンツ、メルセデスAMG、メルセデス・マイバッハに続く第4のシリーズである。ドイツではEQC、EQV、EQA、EQB、EQT、EQSという6モデルのBEVを発表済み。日本ではEQCに続き、新たにEQAが発売された。

 EQシリーズは、末尾の英文字がおなじみのクラス名に対応している。つまり、EQAはAクラスのセグメントに相当するBEVである。スタイリングからもわかるようにSUVのGLAと基本プラットフォームは共通。GLCとEQCの関係も同じだ。ただしEQSは名称からBEVのSクラスを目指したとわかるが、電動アーキテクチャー「EVA」を初めて活用したという点で意味合いが少し異なる。EQSは、他のEQモデルより独自性が明確だ。

左右連結型リアランプがEQAの特徴 ボディカラーは全8色を設定 ボディサイズは全長×全幅×全高4465×1835×1625mm
左右連結型リアランプがEQAの特徴 ボディカラーは全8色を設定 ボディサイズは全長×全幅×全高4465×1835×1625mm
フロントマスクはEQブランド共通の先進イメージ EQAはクロスオーバーモデルのGLAがベース車
フロントマスクはEQブランド共通の先進イメージ EQAはクロスオーバーモデルのGLAがベース車

航続可能距離422km。小気味よくスムーズな走りが好印象

 今回の主役、EQAを見ていこう。EQAはフロントアクスルに140kW(190ps)のモーターを置き、フロアに66.5kWhのリチウムイオン電池を配したFFのBEVだ。WLTCモードの航続可能距離は422km。対応する充電器スペックは交流普通充電が6.0kWまで、直流急速充電(CHAdeMO)は100kWまで。エントリークラスのBEVとして十二分なスペックの持ち主である。

 エクステリアは、GLAをベースに、フロントやリア回りをEQシリーズの文法でまとめた。インテリアデザインも同様。アップライトに座らせ、前後席とも広いキャビンスペースはそのままに、助手席回りのトリムがEVらしい雰囲気を伝える。

 都内で試乗した。車種は20インチアルミを履いたAMGライン装着車。乗り心地は滑らか。GLAの小気味よさが残っていて、「上手くまとめ上げたな」というのが第一印象。静かなのはもちろん、振動が目立つということもない。ドライブモードはメリハリが効いていた。スポーツを選ぶと加速は強力。通常モードでもなかなか力強い。
 ブレーキの回生強度はパドル操作で選べる。5段階のうち回生オートモード(パドル長押し)が便利だった。前走車との車間距離や、坂道などの道路状況を加味してクルマが最適な回生強度を選択してくれる。
 EQAは運転支援も含め、技術の進化を感じる1台である。

インパネはGLAと共通イメージ 助手席側のスパイラル調トリムが特徴 ナビはEV専用仕様 道路の勾配や気温を加味して適切な充電ポイントを考慮した案内を行う
インパネはGLAと共通イメージ 助手席側のスパイラル調トリムが特徴 ナビはEV専用仕様 道路の勾配や気温を加味して適切な充電ポイントを考慮した案内を行う
シートは合成皮革とファブリックのコンビ仕様 前席はフル電動仕様 静粛性と乗り心地は全域高水準 ひとクラス上の快適性
シートは合成皮革とファブリックのコンビ仕様 前席はフル電動仕様 静粛性と乗り心地は全域高水準 ひとクラス上の快適性
メーターは美しいビジュアルのフル液晶 回転計の代わりにパワーメーター(右)配置
メーターは美しいビジュアルのフル液晶 回転計の代わりにパワーメーター(右)配置
回生ブレーキの強さはステアリング部のパドルで5段階に調節できる
回生ブレーキの強さはステアリング部のパドルで5段階に調節できる
急速充電リッドはボディ右側に配置 電池はボディフロア部にレイアウト
急速充電リッドはボディ右側に配置 電池はボディフロア部にレイアウト
普通充電は6kWまで対応 専用6kW(30A)の充電器本体を設置すると充電時間短縮
普通充電は6kWまで対応 専用6kW(30A)の充電器本体を設置すると充電時間短縮
フロントスペースに制御ユニットを搭載 モータースペックは190㎰/370Nm 加速はガソリン2.5リッター級
フロントスペースに制御ユニットを搭載 モータースペックは190㎰/370Nm 加速はガソリン2.5リッター級
AMGライン装着車は235/45R20タイヤ+マルチスポークアルミ 最小回転半径は5.3m
AMGライン装着車は235/45R20タイヤ+マルチスポークアルミ 最小回転半径は5.3m

メルセデスEQA250 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=EQA250
価格=640万円
全長×全幅×全高=4465×1835×1625mm
ホイールベース=2730mm
トレッド=フロント:1585/リア:1585mm
最低地上高=210mm
車重=1990kg
電動機種類=交流誘導電動機(EM0021)
モーター最高出力=140kW(190ps)/3600〜10300rpm
モーター最大トルク=370Nm(37.7kgm)/1020rpm
総電力量(バッテリー容量)=66.5kWh
WLTCモード1充電走行距離=422km
LMH交流電力量消費率=市街地176Wh/㎞:郊外175Wh/㎞:高速道路187Wh/㎞
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=235/55R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m
主要装備:レーダーセーフティパッケージ(アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック+アクティブブレーキアシスト+アクティブステアリングアシスト+緊急回避補助システム+渋滞時緊急ブレーキ機能+アクティブブラインドスポットアシスト+アクティブレーンキーピングアシストほか)/ドライブアウェイアシスト/リアクロストラフィックアラート/アダプティブブレーキ/アテンションアシスト/360度カメラシステム/パークトロニック/アクティブパーキングアシスト/コンフォートサスペンション/LEDハイパフォーマンスヘッドライト/18インチアルミ(5本スポーク)/ルーフレール/スパイラル調インテリアトリム/レザーツインシート/前席メモリー付きパワーシート/前席シートヒーター/本革巻きマルチファンクションスポーツステアリング/運転席イージーエントリー/カラーマルチファンクションディスプレイ/レインセンサー/オートライト/アダプティブハイビームアシスト/ダイナミックセレクト/パワーテールゲート/アンビエントライト(64色)/ヘッドアップディスプレイ/クライメートコントロール/10.25インチワイドディスプレイ+10.25インチコクピットディスプレイ+MBUXシステム(ナビゲーション機能内蔵)/ワイヤレスチャージング/メルセデスコネクト
装着メーカーop:ナビゲーションプラスパッケージ(メルセデスmeコネクトナビゲーションサービス+テレビ機能)15万1000円/AMGライン(AMGスタイリングパッケージ+ステンレス製ペダル+レザーダイナミカシート+20インチAMGマルチスポークアルミ+スポーツサスペンション+ダイレクトステアリング+エレクトリックキー)47万2000円/パノラミックスライディングルーフ17万円
ボディカラー:ポラーホワイト
※価格はすべて消費税込み ※AMGライン装着車の全幅は1850㎜、タイヤは235/45R20

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