存在感を増すウルトラマンマスク。ヤリスクロスに死角はないのか!?

トヨタ・ヤリスクロス・ハイブリッドZ(FF) 価格:THS 258万4000円 ヤリスクロスは日本とともに欧州市場を射程に収めたグローバルモデル プラットフォームはヤリスと共通のGAーB 1.5リッターハイブリッドと1.5リッターガソリンをラインアップ
トヨタ・ヤリスクロス・ハイブリッドZ(FF) 価格:THS 258万4000円 ヤリスクロスは日本とともに欧州市場を射程に収めたグローバルモデル プラットフォームはヤリスと共通のGAーB 1.5リッターハイブリッドと1.5リッターガソリンをラインアップ

トヨタ・ヤリスクロス 価格:179万8000〜281万5000円 試乗記

全てが最新スペック。居住性もなかなか良好

販売台数:4万8620台(2021年1〜5月)

ヤリスクロス人気グレード
1:ハイブリッドZ(258万4000〜281万5000円)
2:Z(221万〜244万1000円)
3:ハイブリッドG(202万〜262万5500円)

ヤリスクロス人気カラー
1:ホワイトパールクリスタルシャイン
2:ブラックマイカ
3:ブラックマイカ×ホワイトパールクリスタルシャイン

 ヤリスクロスはネーミングからもわかるようにヤリス・ファミリーの一員だ。ただし、SUVルックに仕立てて車高をちょっと上げた「お手軽クロスオーバーSUV」ではない。基本コンポーネントは共通しているが、完全に独立したモデルとして開発された。「やりたいことは全部やろう」を合言葉に、すべてを最新スペックで仕上げた新世代クロスオーバーである。

 エクステリアはウルトラマンを彷彿とさせる力強く精悍なフロント、大胆なクラッディング処理のサイド、ハリアーのようにクビレからつながるリア回りなど、オン/オフどちらにも映えるデザインに仕上がっている。力強く、しかもモダン。ヤリスのイメージはほぼない。ボディサイズは全長×全幅×全高4180×1765×1590mmと適度だ。

 インテリアは大型液晶を用いたメーターやSUVの骨太さを表現したインパネセンターが個性を主張する。質感はなかなか高いレベルにある。高価な素材こそ使用していないが、ソフトパッドと樹脂材のシボの統一や細部の処理で作りのよさを表現している。
 居住性は良好。ヤリス・ベースと聞いて、後席回りのゆとりに懸念を抱いているユーザーもいるようだが、心配はいらない。
 着座位置の高いシートにアップライトに座らせるアイデアで、足元スペースは170cmのパッセンジャーでも十分。ルーフラインの変更によって頭上の余裕も増した。大人4名での長距離クルーズも楽々だ。ラゲッジスペースはクラストップの収納力を確保。2対1対1の3分割シートと、深さが調節できるデッキボードを使ってアレンジ自在。「こんなに積めるの?」と驚く。

ヤリスクロスのハイブリッド比率は69% FF/4WD比は78対22% 燃費に優れた日常ユース車として選ぶユーザーが多数派 ボディカラーは単色8色/2トーン7種の計15タイプ
ヤリスクロスのハイブリッド比率は69% FF/4WD比は78対22% 燃費に優れた日常ユース車として選ぶユーザーが多数派 ボディカラーは単色8色/2トーン7種の計15タイプ
駆動方式はFFと4WD 4WDはパワーユニット別にシステムを最適設計 走破性優秀
駆動方式はFFと4WD 4WDはパワーユニット別にシステムを最適設計 走破性優秀

ワクワク感ある走り味。全ての完成度が高い

 パワートレーンは2種。ガソリンが、高速燃焼を用いたダイナミックフォースエンジンの直列3気筒1.5リッター(120ps)とダイレクトCVT。ハイブリッドは、1.5リッターユニットとモーターを組み合わせるTHS2である。駆動方式はFFと4WDから選べる。

 パフォーマンスは、どちらも気持ちいい。ガソリンは、実用域の豊かなトルクと軽快で小気味よいフィーリング。ハイブリッドは、モーターを上乗せした強さとスムーズな制御が魅力だ。燃費を含めた総合力で見ると、ハイブリッドに軍配が上がる。とはいえ、高回転までスッキリ気持ちよく回るガソリンも、個人的には捨てがたい。
 ヤリスに対して車両重量は約100kgほど重い。この負担増はファイナルレシオのローギアード化でカバーしており、通常走行時の動力性能に不満はない。しかし、アクセル開度が増えるシーンではプラスαの余裕がほしいと感じる。クローズドコースで走らせると、立ち上がりの力強さは断然ハイブリッドだが、総合的なスピード性能はガソリンにアドバンテージがあった。

 プラットフォームはTNGA最小となるGA-B。クロスオーバー化による全高/重心の高さをトレッド拡大でカバーしている。摺動ロスを大きく低減したショックアブソーバーや第3世代EPS制御など、アップデートされた技術が盛り込まれている。
 フットワークはヤリス譲りの高い基本性能に加えて「重厚さ」と「穏やかさ」をプラス。センター付近のしっかり感と操舵の際の連続性、そして直結感の高いステアリングフィールは上級モデルを凌駕するほどだ。
 ハンドリングは想像以上にノーズが入っていくフロントと、安心感あるリアのバランスが絶妙。姿勢変化は大きいがロールスピードとロール量が巧みにコントロールされ、SUVというよりも、よくできたハッチバックに近い。限界を試してみたくなる「ワクワク感」を備えている。最近のトヨタ車共通の味わいだ。重箱の隅を突っつくと、4WDのほうがリアサスの動きは素直。4本のタイヤがより効果的に使えている感じが強かった。
 乗り心地は、ヤリスよりもエアボリュームの高いタイヤによる「当たり」の優しさと、ストローク感のある足の動きが味わえる。快適性は、ヤリスよりワンランク上である。

 ヤリスクロスの個性は、直球勝負の万能性にある。一般的に「万能=中途半端」と思われがちだが、ヤリスクロスはすべてが高いレベルで揃っている。ヤリス譲りの走りと、独自の使い勝手&ユーティリティ……まさにWin―Winの関係が成立した1台といえる。人気のコンパクトクロスオーバー市場で、ヤリスクロスは新たなエースの座についた。その実力は、販売台数に現れている。

室内はヤリスと共通イメージ 良好な視界と使いやすさを徹底 センターコンソール回りは専用デザイン 8インチディスプレイオーディオ標準 Zの室内色はシックなブラウン系
室内はヤリスと共通イメージ 良好な視界と使いやすさを徹底 センターコンソール回りは専用デザイン 8インチディスプレイオーディオ標準 Zの室内色はシックなブラウン系
Zは合成皮革+ツイード調ファブリックのコンビシート 後席着座姿勢はアップライト 前後席とも広く開放的 室内長1845mm
Zは合成皮革+ツイード調ファブリックのコンビシート 後席着座姿勢はアップライト 前後席とも広く開放的 室内長1845mm
荷室は広く多彩なアイデアを満載 後席シートバックは3分割タイプ 後席使用時の荷室長は820mm
荷室は広く多彩なアイデアを満載 後席シートバックは3分割タイプ 後席使用時の荷室長は820mm
デッキボードは左右分割で高さ調節ができる設計 最大荷室高850mm
デッキボードは左右分割で高さ調節ができる設計 最大荷室高850mm
Zは視認性に優れたオプティトロンメーター標準 中央に各種情報を表示する先進仕様 ヘッドアップディスプレイはop
Zは視認性に優れたオプティトロンメーター標準 中央に各種情報を表示する先進仕様 ヘッドアップディスプレイはop
ハイブリッドのトランスミッションは電気式 マニュアルモード未設定 加速はスムーズ Zのシフトノブは本革巻き
ハイブリッドのトランスミッションは電気式 マニュアルモード未設定 加速はスムーズ Zのシフトノブは本革巻き
Zは全車速追従機能付きACC標準 操作部はステアリング部に配置
Zは全車速追従機能付きACC標準 操作部はステアリング部に配置
ディスプレイオーディオは通信機能付き パノラミックビューモニターはop(3万3000円)
ディスプレイオーディオは通信機能付き パノラミックビューモニターはop(3万3000円)
ハイブリッドは荷室部に家庭用電気製品が使えるコンセントを装備
ハイブリッドは荷室部に家庭用電気製品が使えるコンセントを装備
全長×全幅×全高4180×1765×1590mm スタイリングはエッジが効いた安定フォルム ボディは強靭設計 フットワークの完成度はハイレベル
全長×全幅×全高4180×1765×1590mm スタイリングはエッジが効いた安定フォルム ボディは強靭設計 フットワークの完成度はハイレベル
ZはブラックベゼルのフルLEDヘッドライト標準 アダプティブハイビームはセットop(9万9000円)
ZはブラックベゼルのフルLEDヘッドライト標準 アダプティブハイビームはセットop(9万9000円)
Zは215/50R18タイヤ+切削光輝アルミ標準 足回りはやや硬め 最低地上高は170mm 最小回転半径は5.3m
Zは215/50R18タイヤ+切削光輝アルミ標準 足回りはやや硬め 最低地上高は170mm 最小回転半径は5.3m
安全・運転支援システムはクラストップの充実ぶり 駐車時の利便性を高めるアドバンストパーキング(op7万7000円)など最新機能を設定 電動リアゲートはop設定
安全・運転支援システムはクラストップの充実ぶり 駐車時の利便性を高めるアドバンストパーキング(op7万7000円)など最新機能を設定 電動リアゲートはop設定

ヤリスクロス 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=ハイブリッドZ(FF)
価格=THS 258万4000円
全長×全幅×全高=4180×1765×1590mm
ホイールベース=2560mm
トレッド=フロント:1515×リア:1515mm
最低地上高=170mm
車重=1190kg
エンジン=1490cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=67kW(91ps)/5500rpm
最大トルク=120Nm(12.2kgm)/3800〜4800rpm
モーター最高出力=59kW(80ps)
モーター最大トルク=141Nm(14.4kgm)
WLTCモード燃費=27.8km/リッター(燃料タンク容量36リッター)
(市街地/郊外/高速道路:29.4/29.9/26.1km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=215/50R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m
主な燃費改善対策:ハイブリッドシステム/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御/電気式無段変速機
主要装備:トヨタセーフティセンス(プリクラッシュセーフティ+レーントレーシングアシスト+全車速追従レーダークルーズコントロール+オートマチックハイビーム+ロードサインアシスト)/インテリジェントクリアランスソナー/バックガイドモニター/6エアバッグ/フルLEDヘッドライト/フロントスーパーUVカット&IRカットガラス/合成皮革&ツイード調ファブリックシート/前席電動調節+ヒーター機能/3分割可倒式リアシート/オプティトロンメーター/本革巻きステアリング/スマートエントリーシステム/オートAC/通信+充電用USB/8インチディスプレイオーディオ/18インチアルミ
装着メーカーop:ハンズフリーパワーバックドア7万7000円/アダプティブハイビームシステム+カラーヘッドアップディスプレイ9万9000円/ブラインドスポットモニター+リアクロストラフィックオートブレーキ4万9500円/パノラミックビューモニター3万3000円
販売店op:Tコネクトナビキット11万円/ETC2.0ユニット2万5575円
ボディカラー:ブラックマイカ×ホワイトパールクリスタルシャイン(op7万7000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は8630円

ヤリスクロスG(FF) 価格:CVT 202万円 1.5リッター直3ガソリン(120ps/145Nm)を搭載 WLTCモード燃費:19.8km/リッター Gはプロジェクターハロゲンライト/16インチアルミ/8インチディスプレイオーディオ標準 写真の18インチアルミはop(8万8000円) 4WDは23万1000円高
ヤリスクロスG(FF) 価格:CVT 202万円 1.5リッター直3ガソリン(120ps/145Nm)を搭載 WLTCモード燃費:19.8km/リッター Gはプロジェクターハロゲンライト/16インチアルミ/8インチディスプレイオーディオ標準 写真の18インチアルミはop(8万8000円) 4WDは23万1000円高
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