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フェラーリ初の後輪駆動プラグインハイブリッドモデル「296GTB」が日本上陸

Writer:大貫直次郎 

新V6エンジンをミッドシップ搭載したPHEVモデルのフェラーリ296GTBがジャパンプレミア。システム総出力は830hpを発生

 フェラーリ・ジャパンは2021年10月14日、新しいプラグインハイブリッドモデルとなる「296GTB」を日本で発表した。車両価格は3678万円に設定。予約受注はすでに開始している。ユーザーへの納車時期は、現在のところ未定だ。

▲フェラーリ296GTB 価格:3678万円 全長4565×全幅1958×全高1187mm ホイールベース2600mm トレッド前1665×後1632mm 車重1470kg 乗車定員2名 フェラーリ初の後輪駆動プラグインハイブリッドモデルが待望の日本上陸

 2.9リットルのV6エンジンを搭載し、グランツーリスモのベルリネッタ(クーペ)であることを示す「296GTB」の車名を冠した新ミッドシップスポーツカーは、跳ね馬エンブレムを付けたロードゴーイングカー初のV6エンジン搭載車で、かつブランド初の後輪駆動プラグインハイブリッドモデル(PHEV)に位置する。

▲296GTBの車名は2.9リットルのV6エンジンを搭載し、グランツーリスモのベルリネッタ(クーペ)であることを意味する

 注目のパワートレインは、Vバンク角を120度に設定したうえでバンク間にターボチャージャーユニットを配し、またボア×ストロークを88.0×82.0mmのオーバースクエアに設計したミッドシップ配置の“ピッコロV12(ミニV12)”こと2992cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン(最高出力663hp/8000rpm、最大トルク740Nm/6250rpm)に、ダブル・ローターでシングル・ステーター型のMGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット-キネティック)モーター(最高出力122kW/最大トルク315Nm)、専用セッティングの8速DCT、モーターとエンジンを切り離すトランジション・マネージャー・アクチュエーター(TMA)、容量7.45kWhのリチウムイオンバッテリー、モーターを制御するインバーターで基本システムを構成。システム総出力は830hpを発生し、後輪を駆動する。また、eマネッティーノと称するドライブモードとして、モーターのみで走り、バッテリーがフル充電の状態で25kmの走行が可能なeDrive(最高速度は135km/h)、始動時のデフォルトモードで、パワーフローは効率を最大化するようマネージメントされて制御ロジックが内燃エンジンの介入を決定するHybrid(H)、エンジンを常に稼働してバッテリーの効率を維持し、いつでもフルパワーが発揮できる状態に設定するPerformance、バッテリーの再充電を抑えて、最大のパフォーマンスを発揮するQualifyという4ポジションを用意。前後重量配分は前40.5:後59.5と後軸寄りに仕立て、最高速度は330km/h、0→100km/h加速は2.9秒、0→200km/h加速は7.3秒、フェラーリのテストコースであるフィオラノサーキットでのラップタイムは1分21秒を実現した。

▲Vバンク角を120度に設定したうえでバンク間にターボチャージャーユニットを配した2992cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力663hp/8000rpm、最大トルク740Nm/6250rpmを発生
▲V6エンジンにMGU-Kモーター(最高出力122kW/最大トルク315Nm)、専用セッティングの8速DCT、モーターとエンジンを切り離すトランジション・マネージャー・アクチュエーター(TMA)、容量7.45kWhのリチウムイオンバッテリーなどで基本システムを構成。システム総出力は830hpを発生する

 一方、ビークルダイナミクスの面では、前述したTMAと自動車業界では世界初となる6ウェイ・シャシー・ダイナミック・センサー(6w-CDS)のほか、6w-CDSが収集したデータを活用するABS evoコントローラーや電動パワーステアリングとグリップ推定機能の統合といった新機能を組み込んだことがトピック。また、新ブレーキ・バイ・ワイヤ・ユニットによる電動トラクションコントロールとエネルギー回生では、作動する全モード(ABSを含む)で油圧と電気による調整がなされる。さらに、電動パワーステアリング(EPS)をベースとするサイド・スリップ・コントロール(SSC)システムも採用した。

▲ビークルダイナミクスの面ではTMAと6ウェイ・シャシー・ダイナミック・センサー(6w-CDS)のほか、6w-CDSが収集したデータを活用するABS evoコントローラーや電動パワーステアリングとグリップ推定機能の統合といった新機能を組み込む

 基本骨格に関しては、専用設計のプラットフォームに、エンジンベイ自体と電気系コンポーネントのいずれもより効率的な熱管理を可能としたレイアウトや、アクティブスポイラーなど可動デバイスをドラッグ低減のためではなくダウンフォース増加のために使用したエアロダイナミクス構造を導入したことが訴求点。フェラーリのチェントロスティーレ(スタイリングセンター)が手がけたエクステリアは、フェラーリのMRベルリネッタの造形を再定義し、2600mmの短いホイールベースを活かしながらマッシブなフェンダーやバイザールーフ、フライングバットレス、そして新しい垂直リアスクリーンといった要素を取り入れて、新世代のベルリネッタスタイルを創出する。鉛筆でひと筆書きしたかのようなスマートなボディラインや、パワフルなボリュームの中にキャビンを配したスポーティなアレンジ、車体のフロントに2個の宝石を埋め込んだかのような“フェアド・イン・ティアドロップ”ヘッドライト、星形ツインスポークデザインでねじれるようなカーブを描く新デザインの前9.0J×20/後11.0J×20鍛造アロイホイール(タイヤは前245/35ZR20/後305/35ZR20)の採用なども、296GTBならではの特徴だ。

▲車体のフロントに2個の宝石を埋め込んだかのような“フェアド・イン・ティアドロップ”ヘッドライトを装備
▲マッシブな造形のリアフェンダーの前部にはエアインテークを組み込む
▲新アレンジの垂直リアスクリーンやディフューザーなどによって印象的な後ろ姿を演出
▲星形ツインスポークデザインでねじれるようなカーブを描く新デザインの前9.0J×20/後11.0J×20鍛造アロイホイール(タイヤは前245/35ZR20/後305/35ZR20)を装着
▲フロントセクションには深みのある荷室スペースを配備

 内包するインテリアは、SF90ストラダーレで初採用されたデジタルインターフェースによる新コンセプトを中心に、よりエレガントで洗練されたデザインに仕立てる。メインのインストルメントクラスターはダッシュボードトリムの深い割れ目に埋め込まれ、またダッシュボードは表面を意図的にクリーンで張りつめた印象にアレンジ。さらに、彫刻的なドアパネルは素材と色でダッシュボードとシームレスにつなげ、中央部には菱形状に深く彫り込んだ3次元的なエレメントを配した。一方、シート表皮や内装材には高級イタリアンレザーをあしらい、機能的コンポーネントに使われたテクニカルな新素材がそれらを視覚的に引き立てる。先進機能として、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やパッセンジャーディスプレイも標準で組み込んだ。

▲コクピットはSF90ストラダーレで初採用されたデジタルインターフェースによる新コンセプトを中心に、よりエレガントで洗練された内装デザインに仕立てる
▲多様な情報を見やすく配置した新デザインのメーターを採用。最高許容回転数は8500rpmに設定
▲助手席乗員がコ・ドライバーのように関与できるパッセンジャーディスプレイを配備
▲シート表皮や内装材には高級イタリアンレザーをあしらう

 296GTBには、ハイパフォーマンス志向の「ASSETTO FIORANO(アセット・フィオラノ)」パッケージもラインアップされる。装備面では、サーキット走行に最適化された特別なアジャスタブル・マルチマチック・ショックアブソーバーや、フロントバンパーに装着すると10kgのダウンフォースを上乗せするカーボンファイバー製ハイダウンフォースパーツ、Lexan製の軽量リアスクリーンなどを設定。車両全体では約12kgの軽量化を達成する。また、往年の跳ね馬レーシングカーである250LMからインスピレーションを得たスペシャル・リバリーをオーダーすることも可能。このスタイリング・エレメントでは、フロントの両端から始まり、中央のグリルを包んでその外周を縁取り、ボンネットへと続いてハンマーのモチーフを形成し、さらにルーフへと縦に伸びて、リアのスポイラーまで続くアグレッシブな造形へと昇華している。

 なお、296GTBは本年10月31日から日本国内の正規ディーラーで順次、巡回展示する予定である。

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