【ネオクラシック体験隊】ピエヒ博士が愛したスポーツクーペ。2nd・アウディTTクーペの光る独創性

2007年式アウディTTクーペ3.2クワトロ 2nd・TTは「アウディが考える理想のスポーツカー像」を目指して開発 ボディ構造はアルミとスチールをハイブリッドしたASF(アウディ・スペースフレーム)
2007年式アウディTTクーペ3.2クワトロ 2nd・TTは「アウディが考える理想のスポーツカー像」を目指して開発 ボディ構造はアルミとスチールをハイブリッドしたASF(アウディ・スペースフレーム)

2007年式アウディTTクーペ3.2クワトロ 新車時価格:6DCT 585万円 試乗記

2nd・TTはアウディ流スポーツカーの理想像を追求

 TTクーペは、「技術による先進」を掲げるアウディの象徴的な存在だ。とくに2006年7月に登場した2ndモデルは完成度が高く、再評価が始まっている。1stモデル、そして現行車が、「手軽なスポーティクーペ」というキャラクターなのに対し、「アウディの考えるスポーツカー像」を具現化した存在だからである。

 3.2リッターの狭角V6DOHC24V(250ps/320Nm)を搭載した上級版3.2クワトロのライバルはポルシェ・ボクスターやBMW・Z4。自慢のクワトロ(4WD)システムにより、路面状況や速度を問わず圧倒的な安定性を見せつけ、ワインディングロードでのフットワークも一級品だった。
 トランスミッションは6速DCT。0〜 100km/h加速は5.7秒で駆け抜けた。

 メカニズム面の注目点は、ASF(アウディ・スペースフレーム)。アルミ69%、スチール31%のハイブリッド構造の導入で、大幅な軽量化と剛性アップ、そして前後重量配分の適正化を実現した。
 空力特性も高水準である。ボディはCd値0.30のエアロフォルム。さらにリアエンドに可変式リアスポイラーを装着し、超高速域でも優れた安定性を確保する。1st・TTは高速域のダウンフォースが不足し、対策として後にリアスポイラーが装着されたが、2ndモデルは当初から完璧だった。

ラウンディッシュな造形はクリーン&モダン タイムレスなデザイン
ラウンディッシュな造形はクリーン&モダン タイムレスなデザイン
ボディは適度にコンパクト リアゲートに可変式スポイラーを内蔵 Cd値は0.30  クワトロシステムは走行状況に応じ前後駆動力を調節
ボディは適度にコンパクト リアゲートに可変式スポイラーを内蔵 Cd値は0.30 クワトロシステムは走行状況に応じ前後駆動力を調節

気持ちのいい爽快な速さ。クルマとの一体感が味わえる

 そのスポーツカー性能を、現在の評価軸で測るとどうか。2007年モデルを連れ出した。取材車はSラインパッケージ装着車。フライハイト(Freiheit)製マフラーに交換されている以外は、オリジナル状態をキープした車両である。

 乗り込んで、すぐに実感するのが絶妙なサイズ感。全長×全幅×全高4180×1840×1390mmのボディと、適度にタイトな2+2キャビンの組み合わせは「人車一体感」抜群。街中はもちろん、ワインディング路でも自信を持ってドライビングが楽しめる。

 パフォーマンスは鮮烈。3.2リッターユニットは、全域パワフルで右足の踏み込みに即答する。マフラーが快音を奏でることもあって、瞬時にドライバーを非日常の世界へと誘う。
 6速DCTも絶品である。カタログで「わずか 0.2秒でシフトチェンジ」と謳うように、変速はシャープ。パドル操作に即応するレスポンスは「快感レベル」。走りの楽しさを盛り上げる大きな要素になっている。

 2nd・TTは、気持ちのいいスポーツカーだった。クワトロ・システムの開発を主導し、アウディを牽引したピエヒ博士はTTをこよなく愛したといわれるが、その理由がわかった気がした。

3188cc・V6DOHC24V 250ps/6300rpm 320Nm/2500〜3000rpm 全域でスムーズなレスポンスと豊かなパワーを提供 0〜100km/h加速は5.7秒 パワーウェイトレシオ5.88kg/ps
3188cc・V6DOHC24V 250ps/6300rpm 320Nm/2500〜3000rpm 全域でスムーズなレスポンスと豊かなパワーを提供 0〜100km/h加速は5.7秒 パワーウェイトレシオ5.88kg/ps
245/40R18タイヤ+9Jスポークアルミ装着 足回りはスポーツサス仕様 硬めの引き締まったセッティング 最低地上高145mm
245/40R18タイヤ+9Jスポークアルミ装着 足回りはスポーツサス仕様 硬めの引き締まったセッティング 最低地上高145mm
リアスポイラーは120km/hで自動的に上昇 80km/hで格納
リアスポイラーは120km/hで自動的に上昇 80km/hで格納
取材車はフライハイト製マフラー装着 魅惑的なV6サウンド発生
取材車はフライハイト製マフラー装着 魅惑的なV6サウンド発生
室内は機能的な造形 各部の作りは上質 ステアリングはDシェイプ アクセルペダルはオルガン形状 操縦性は適度にシャープな設定 高速クルージングからワインディングまで楽しめる
室内は機能的な造形 各部の作りは上質 ステアリングはDシェイプ アクセルペダルはオルガン形状 操縦性は適度にシャープな設定 高速クルージングからワインディングまで楽しめる
キャビンは2+2構成 バケット形状の前席は電動調節式 本革とファブリックのコンビ仕様 左右分割可倒式の後席はタイト 乗車定員4名
キャビンは2+2構成 バケット形状の前席は電動調節式 本革とファブリックのコンビ仕様 左右分割可倒式の後席はタイト 乗車定員4名
速度計は280km/hスケール 6500rpm以上がレッドゾーン 中央にマルチディスプレイ装備
速度計は280km/hスケール 6500rpm以上がレッドゾーン 中央にマルチディスプレイ装備
6速DCTの変速はシャープで的確 最短0.2秒でチェンジを完了 パドルシフト標準装備
6速DCTの変速はシャープで的確 最短0.2秒でチェンジを完了 パドルシフト標準装備

2007年式アウディTT3.2クワトロ主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=3.2クワトロ(2007年式)
新車時価格=6DCT 585万円
全長×全幅×全高=4180×1840×1390mm
ホイールベース=2465mm
トレッド=フロント:1560×リア:1545mm
車重=1470kg
エンジン=3188cc・V6DOHC24V(プレミアム仕様)
最高出力=184kW(250ps)/6300rpm
最大トルク=320Nm(32.6kgm)/2500〜3000rpm
10・15モード燃費=10.8km/リッター(燃料タンク容量60リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:4リンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=245/40R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=5.2m
※価格は消費税込み
撮影協力/マースガーデンウッド御殿場

2nd・TT情報:日本発売から15年以上が経過しているが、インポーターによると「部品の供給は問題ない」とのこと。ただし国内在庫がないケースもマレにあり、その場合は本国から調達するため時間がかかる。車両コンディションの把握は、ディーラーで12カ月点検を受けるのがベター。基本料金は4万3400円(Audi世田谷調べ)
2nd・TT情報:日本発売から15年以上が経過しているが、インポーターによると「部品の供給は問題ない」とのこと。ただし国内在庫がないケースもマレにあり、その場合は本国から調達するため時間がかかる。車両コンディションの把握は、ディーラーで12カ月点検を受けるのがベター。基本料金は4万3400円(Audi世田谷調べ)
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