【最新モデル試乗】すべてを刷新した新世代レクサス。NXが獲得した「未来」とは

レクサスNX450h+バージョンL  価格:THS 714万円 450hは満充電で88kmのEV走行を実現したレクサス初のPHEV 2.5リッターエンジン(185ps)と2モーター(フロント:182ps/リア:54ps)で構成 システム総合出力は309ps 駆動方式は4WD メカニズムはRAV4・PHVの改良版
レクサスNX450h+バージョンL 価格:THS 714万円 450hは満充電で88kmのEV走行を実現したレクサス初のPHEV 2.5リッターエンジン(185ps)と2モーター(フロント:182ps/リア:54ps)で構成 システム総合出力は309ps 駆動方式は4WD メカニズムはRAV4・PHVの改良版

レクサスNX 価格:455〜738万円 試乗記

新型NXは選ぶ楽しさいっぱい。4種のパワートレーンを設定

NX350hバージョンL(FF) 価格:THS 608万円 350hは販売主力モデル 2.5リッターエンジン(190ps)とモーターのHV車 4WDは27万円高で設定
NX350hバージョンL(FF) 価格:THS 608万円 350hは販売主力モデル 2.5リッターエンジン(190ps)とモーターのHV車 4WDは27万円高で設定
NX350Fスポーツ 価格:8SAT 599万円 350は新開発2.4リッター直4ターボ(279ps)を搭載したスポーツ仕様 GRヤリス譲りの専用4WDシステムを組み合わせる
NX350Fスポーツ 価格:8SAT 599万円 350は新開発2.4リッター直4ターボ(279ps)を搭載したスポーツ仕様 GRヤリス譲りの専用4WDシステムを組み合わせる
NX250バージョンL(FF) 価格:8SAT 543万円 ベーシックな250の2.5リッター直4(201ps) はスペック以上にパワフル 4WDは27万円高
NX250バージョンL(FF) 価格:8SAT 543万円 ベーシックな250の2.5リッター直4(201ps) はスペック以上にパワフル 4WDは27万円高

欧州勢を凌駕するフットワーク。走りを語りたくなる本物

 フットワークはズバリ「本質で勝負」した印象。基本性能を徹底して磨き上げたうえで、レクサス独自の「スッキリと奥深い」走りがプラスされている。ステアリング切り出しのスッキリ感、リニアな応答性、サスペンションのスムーズな動きは、競合するる欧州プレミアムブランドと比して遜色はない。「高性能を気負いなく、誰でも実感できる」という部分は、欧州勢を超えている。

 抜群に高い基本性能は、NX共通。しかもパワートレーンによって「味」に違いがある。 450h+はバッテリー搭載の影響で車重は2tを超えるが、低重心化と前後重量配分の適正化が図られた。バネ上の振動の収まりのよさとしっとりとした乗り味は上質で心地いい。RXを超えるアタリの優しさとフラット感を実感している。
 ハイブリッドの350hは軽快でキビキビした動きが印象的。ただしFFはリア回りが軽くなった影響か4輪がドシッと接地している感覚は薄め。一方、4WDの乗り味は450hに近い。上質性を重視するなら、4WDだ。

 スポーティな350はさすがの完成度。専用のボディ補強に加えて、GRヤリス譲りの4WDシステムを搭載する。フットワークは450h+のドシッとした接地感と350h(FF)の軽快なキビキビ感、そして4WDの積極的な駆動力制御が見事に融合。走りは「クルマの無駄な動きは抑えるが、足はシッカリ動かす」というポリシーが貫かれた。ワインディングではSUVに乗っていることを忘れるほどだった。「スッキリした操舵フィールを手に入れた視線の高いIS」と表現したくなる。ユニークなのは4WDの制御。コーナー進入時は「4WDを感じさせない」素直なノーズの動き、コーナー脱出時は「4WDならでは」の後輪の蹴り出しが実感できる。これこそレクサスの「スッキリと奥深く」を実現した4WDだ。
 250は、350h以上に軽快なハンドリングが味わえる。快適性とのバランスは優秀。基本性能の底上げを最も実感できる。

 新型NXは室内の作り込みや、きめ細かな「おもてなし装備」も印象的。すべてに隙がない。中でも動的性能の進化は目を見張るものがある。純粋に「走り」を語りたくなる1台だ。

450h+は外部給電機能標準 アウトドアシーンでも頼りになる。グランピングのパートナーに最適
450h+は外部給電機能標準 アウトドアシーンでも頼りになる。グランピングのパートナーに最適
スピンドルグリルはレクサスの個性 NXは下部にスリットを配置したデザイン
スピンドルグリルはレクサスの個性 NXは下部にスリットを配置したデザイン
パワーユニットは全車横置きタイプ 写真の450h+は床下に総電力量18.1kWhのリチウムイオンバッテリー搭載 車重は350h比190㎏重い
パワーユニットは全車横置きタイプ 写真の450h+は床下に総電力量18.1kWhのリチウムイオンバッテリー搭載 車重は350h比190㎏重い
450h+は200Vと100Vの普通充電に対応 200V時に約5.5時間で満充電になる
450h+は200Vと100Vの普通充電に対応 200V時に約5.5時間で満充電になる

ライバルは欧州プレミアム。メルセデスが競合車の筆頭か!?

 ライバルは海外のプレミアムブランドだ。新型は「ガチンコで比べられるレベルに到達」している。これまでのレクサスは内外装はともかく、走りの部分はトヨタ車との違いを明確に出すことができていなかった。新型は違う。TNGAという「強い武器」を活かしてレクサス独自の「走りの思想」を強く主張した。基本性能が高いうえに、上質性や快適性という面でもブランドの強みを活かしている。

 メルセデス・ベンツGLC/GLBと比較すると、走りはGLCにも負けていない。パワートレーンの洗練度という意味では勝っている部分が多い。GLBはコンパクトサイズに3列シートの魅力があるが、NXと比べると総合力で格下感は否めない。
 昨今、プレミアムブランドは個性の明確化が求められている。新型NXは「より繊細」、「より精緻」といった「日本らしさ」を一段と実感できるようになった。これは、レクサスが今後「何を目指すのか」が明確になった証拠だ。プレミアムブランドは性能に加えて、「そのブランドに共感できるか」という点が重要である。新型NXは「誰かを追う」ではなく、「己の道を行く」クルマに仕上がっている。

インパネは直感的に操作できる機能設計 手綱1本で意思疎通を図る人と馬に着想を得た「TAZNAコンセプト」を採用 センターディスプレイは高機能14.1インチタイプ
インパネは直感的に操作できる機能設計 手綱1本で意思疎通を図る人と馬に着想を得た「TAZNAコンセプト」を採用 センターディスプレイは高機能14.1インチタイプ
バージョンLは本革シート標準 シートは表皮の固定位置をパッド側に引き込んだ「深吊り構造」 優れた乗り心地と良好なサポート性を両立 シートカラーは写真のブラック&リッチクリームに加え黒/ダークローズ/ヘーゼルを設定する
バージョンLは本革シート標準 シートは表皮の固定位置をパッド側に引き込んだ「深吊り構造」 優れた乗り心地と良好なサポート性を両立 シートカラーは写真のブラック&リッチクリームに加え黒/ダークローズ/ヘーゼルを設定する
Fスポーツのシートは本革の専用形状 適度にタイトな座り心地 前席はヒーター&ベンチレーション標準
Fスポーツのシートは本革の専用形状 適度にタイトな座り心地 前席はヒーター&ベンチレーション標準
TFTメーターは情報が瞬時に理解できる バージョンLはヘッドアップディスプレイ標準
TFTメーターは情報が瞬時に理解できる バージョンLはヘッドアップディスプレイ標準
セレクターはシフトバイワイヤ式 コンソールはワイド形状
セレクターはシフトバイワイヤ式 コンソールはワイド形状
カメラ映像を合成しシースルー表示可能なパノラミックモニター(op9万5700円)を設定
カメラ映像を合成しシースルー表示可能なパノラミックモニター(op9万5700円)を設定
ドアはワンモーションで開閉できる電気制御式「eラッチ」
ドアはワンモーションで開閉できる電気制御式「eラッチ」
ラゲッジ空間は後席使用時520リッター/最大1411リッターの大容量 後席は6対4分割
ラゲッジ空間は後席使用時520リッター/最大1411リッターの大容量 後席は6対4分割

レクサスNX450h+ 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=450h+バージョンL
価格=THS 714万円
全長×全幅×全高=4660×1865×1660mm
ホイールベース=2690mm
トレッド=フロント:1605/リア:1625mm
最低地上高=185mm
車重=2010kg
エンジン=2487cc直4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=136kW(185ps)/6000rpm
最大トルク=228Nm(23.2kgm)/3600~3700rpm
モーター最高出力=フロント134kW(182ps)/リア:40kW(54ps)
モーター最大トルク=フロント:270Nm(27.5kgm)/リア:121Nm(12.3kgm)
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池
総電力量=18.1kWh
EV走行換算距離=88km
WLTCモードハイブリッド=19.8km/リッター(燃料タンク容量55リッター)
(市街地/郊外/高速道路=17.5/21.2/20.1km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/50R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.8m
主な燃費改善対策:アイドリングストップ/プラグインハイブリッド/電気式無段変速機/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御
主要装備:レクサスセーフティシステム+(プリクラッシュセーフティ+レーンディパーチャーアラート+レーントレーシングアシスト+全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール+ロードサインアシスト+発進遅れ告知機能+ドライバー異常時対応システム+プロアクティブドライビングアシスト+アダプティブハイビーム)/ブラインドスポットモニター/eラッチドアハンドル/先読みエコドライブ/アクティブコーナリングアシスト/クリーナー付き3眼フルLEDヘッドライト/20インチランフラットタイヤ&アルミ/パワーイージーアクセスシステム/インテリアイルミパッケージ/リモートエアコン/ドライブモードセレクト/レクサスクライメイトコンシェルジュ/TFT液晶メーター/カラーヘッドアップディスプレイ/ステアリングヒーター/本革シート/14インチディスプレイオーディオ(コネクテッドナビ対応)/ETC2.0ユニット/レクサスNXプレミアムサウンドシステム/アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)/ハンズフリーパワーバックドア/イモビライザー&侵入センサー/アッシュ・ドアトリムオーナメントパネル/ITSコネクト
装着メーカーop:パノラミックビューモニター+パーキングサポートブレーキ(後方歩行者)+緊急時操舵支援+フロントクロストラフィックアラート+レーンチェンジアシスト9万5700円/LEXUS Teammateアドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物)13万9700円/別体型ディスクプレーヤー18万1500円/ルーフレール3万3000円/デジタルキー3万3000円/ムーンルーフ11万円/おくだけ充電1万3200円/充電ケーブル(AC200V用・15m)8800円/デジタルインナーミラー4万4000円/寒冷地仕様1万8700円
ボディカラー:ソニッククロム
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万3150円

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