【最新モデル試乗】必見の内外装と加速フィール! すべてが新世代のBMW、iXの気になる方向性

BMW・iX・xドライブ50 iXはシステム出力385kW(523ps)の50と同240kW(326ps)の40(1070万円)の2グレード構成 駆動方式は4WD 50の1充電走行距離は650km 0〜100km/h加速は4.6秒で駆け抜ける
BMW・iX・xドライブ50 iXはシステム出力385kW(523ps)の50と同240kW(326ps)の40(1070万円)の2グレード構成 駆動方式は4WD 50の1充電走行距離は650km 0〜100km/h加速は4.6秒で駆け抜ける

BMW・iX・xドライブ50 価格:1280万円 試乗記

iXから、BMWの新たな電動車戦略がスタート

 BMWがi8とi3を送り出してわれわれを驚かせてから、早8年。ひさびさにiシリーズのニューモデル、iXが登場した。車名に数字がつかないのは、現時点における「iシリーズの象徴として、頂点に位置づけられる」からだという。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4955×1965×1695mm。X5並みに大柄で、斜め後方から眺めるとXモデルとの共通性を感じる。凹凸のない特徴的なデザインのフロントは、ひとたび目にすると脳裏から離れないほど個性的だ。
 iシリーズといえばカーボンモノコック構造だが、iXもすべてではないがボディにカーボンを多用している。ちなみにサッシュレスウィンドウはXモデルとしては初採用となる。

 インテリアも従来のBMW車とは一線を画している。インフォテインメント系は全面的に刷新されて、未来感のあるものとなった。機能としては次世代型iDriveに注目だ。もはやダイヤルやスイッチが不必要なほど音声対話機能が進み、階層などのロジックも洗練されている。寒い時期でも温風をできるだけ使わずに済むよう、シートヒーターやステアリングヒーターだけでなく、アームレストやひざの周辺など寒さを感じやすい部分を温めて電気の消費を抑えるという新しいアイデアも見られる。

デザインは個性的 ライバルを圧倒する強い存在感を放つ
デザインは個性的 ライバルを圧倒する強い存在感を放つ
全長×全幅×全高4955×1965×1695mm ボディサイズはX5と同等 ボディはカーボンを多用した強靭設計 車重2530㎏
全長×全幅×全高4955×1965×1695mm ボディサイズはX5と同等 ボディはカーボンを多用した強靭設計 車重2530㎏

先進と伝統を併せ持った走り。駆け抜ける歓びの新解釈

 走りは絶妙な仕上がりだった。高性能モデルの「50」には111.5kWhのバッテリーが搭載され、システム最高出力は385kWを発揮。1充電走行距離は実に650kmに達する。加速フィールは、力強く伸びやか。発進時の立ち上がりがいいだけでなく、アクセルを踏み込むほどにリニアにスピードを高める。あたかもエンジンの吹き上がりに似た感覚を与えたのがBMWらしい。スポーツモードを選択すると、レスポンスがいっそう素早くなり、ブーストされるかのような盛り上がりを味わうことができる。

 音による演出も面白い。システム起動音や、アイコニックサウンド機能をオンにしたときには、まるで未来の乗り物のようなサウンドが楽しめた。
 乗り心地は快適。カーボンならではの減衰感があり、路面に対する感度がいい意味で鈍い。「50」に標準装備されるエアサスの効果もあって、フラットな走りを実現している。
 ハンドリングは軽やかだった。車重が2.5tもあるとは思えない。近年BMWが力を注いでいる前後輪統合制御の巧みな4輪操舵が、軽快な操縦性に効いているに違いない。

 iXは、BEVというだけでなく、「これからのBMW」を体現したすべてが新しい意欲作だった。「駆けぬける歓び」を掲げるBMWは、電動化の時代も独自の個性を放つ存在であり続けている。

iXのキドニーグリルはクローズ形状 スポーツパッケージは専用パターン入り
iXのキドニーグリルはクローズ形状 スポーツパッケージは専用パターン入り
足元は21インチ標準 写真の275/40R22タイヤ+アルミはオプション(15万8000円)
足元は21インチ標準 写真の275/40R22タイヤ+アルミはオプション(15万8000円)
急速充電時150km走行分の電力を約10分でチャージ可能
急速充電時150km走行分の電力を約10分でチャージ可能
インパネはシンプルで開放的なデザイン 14.9インチセンターディスプレイと12.3インチのメーターで構成するデジタル仕様
インパネはシンプルで開放的なデザイン 14.9インチセンターディスプレイと12.3インチのメーターで構成するデジタル仕様
キャビンはアトリエ/スイート/ロフトの3タイプを用意 写真はスイート シートはオリーブの葉の抽出液でなめした本革を使用する
キャビンはアトリエ/スイート/ロフトの3タイプを用意 写真はスイート シートはオリーブの葉の抽出液でなめした本革を使用する
ラゲッジ容量は後席使用時500リッター 最大1750リッターに拡大する
ラゲッジ容量は後席使用時500リッター 最大1750リッターに拡大する
液晶メーターは多彩な表示モードが選べる ヘッドアップディスプレイ標準
液晶メーターは多彩な表示モードが選べる ヘッドアップディスプレイ標準
最新設計のiDriveはAI音声会話システムを搭載 各種コントロールは対話で可能 アマゾン・アレクサとの統合機能付き
最新設計のiDriveはAI音声会話システムを搭載 各種コントロールは対話で可能 アマゾン・アレクサとの統合機能付き
各種コントロール系は室内中央部に集約 走行セレクターはトグル形状 iDriveコントローラーはクリスタル調
各種コントロール系は室内中央部に集約 走行セレクターはトグル形状 iDriveコントローラーはクリスタル調
シート調節はドアに配置 ドアオープナーは電子タイプ
シート調節はドアに配置 ドアオープナーは電子タイプ
パノラマガラスサンルーフは調光仕様 スイッチ操作で透明度を調節できる
パノラマガラスサンルーフは調光仕様 スイッチ操作で透明度を調節できる

BMW・iX 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=xドライブ50
価格=1280万円
全長×全幅×全高=4955×1965×1695mm
ホイールベース=3000mm
トレッド=フロント:1660×リア:1690mm
最低地上高=200mm
車重=2530kg
モーター型式=HA0002N0/HA0001N0(交流同期電動機)
モーター定格出力=フロント:70kW/リア:95kW
モーター最大出力=フロント:190kW(258ps)/8000rpm/リア:230kW(313ps)/8000rpm
モーター最大トルク=フロント:365Nm(37.2kgm)/0〜5000/リア:400Nm(40.8kgm)/0〜5000rpm
一充電走行距離=650km(WLTCモード)
交流電力量消費率=190Wh/km
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池
駆動用バッテリー総電力量=111.5kWh
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=255/50R21+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=6.0m
主要装備:ドライビングアシスト・プロフェッショナル(トラフィックサインアシスト+アクティブクルーズコントロール+ステアリング&レーンコントロールアシスト+車線逸脱警告+レーンチェンジアシスト+レーンチェンジウォーニング+レーンキーピングアシスト+前車接近警告+後車衝突警告機能+衝突回避・被害軽減ブレーキ+エマージェンシーストップアシスト)/BMWコネクテッドドライブ・プロフェッショナル/パーキングアシスト・プラス/エレクトリックxドライブシステム(電子制御前後駆動力配分4WD)/ドライビングパフォーマンスコントロール/インテグレイテッドアクティブステアリング/4輪アダプティブエアサスペンション/BMWインディビジュアル・チタニウムブロンズ・エクステリアライン/コンフォートアクセス/LEDヘッドライト/BMWライブコクピット(12.3インチマルチディスプレイメーター&14.9インチワイドコントロールディスプレイ&HDDナビゲーション)/BMWナチュラルインタラクション/BMWアイコニック・サウンドエレクトリック/ハーマンカードン・サラウンドサウンドシステム/センサテックシート/ヒートコンフォートパッケージ/4ゾーンオートAC
装着メーカーop:ファーストクラスパッケージ(ソフトクローズドア+インテリアスタイリング〈クリア&ボールド〉+スカイラウンジパノラマガラスサンルーフ+サンプロテクションガラス+クライメートコンフォートガラス)63万5000円/ラウンジパッケージ(マルチファンクションシート+Ⓕアクティブベンチレーションシート+インテリアデザインSuite)65万2000円/テクノロジーパッケージ(BMWレーザーライト+インテリアカメラ+Bowers & Wilkinsダイヤモンドサラウンドサウンドシステム)75万8000円/22㌅エアロダイナミックホイール(1020)15万8000円/スポーツパッケージ(フロントエプロン&リアバンパーデザイン&ブルーブレーキキャリパーなど)22万円
ボディカラー:アヴェンチュリンレッド(op31万5000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万3170円

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