【最新モデル試乗】BEVだからこその先進性。アウディの新たなフラッグシップ、RS・e-tron・GTのスーパーな実力

アウディRS・e-tron・GT RSは標準モデル比85kW/190Nmパワフルなモーターを搭載 足回りは3チャンバー式アダプティブエアサス仕様 0〜100km/h加速は3.3秒で駆け抜ける トップスピードは250km/hに到達
アウディRS・e-tron・GT RSは標準モデル比85kW/190Nmパワフルなモーターを搭載 足回りは3チャンバー式アダプティブエアサス仕様 0〜100km/h加速は3.3秒で駆け抜ける トップスピードは250km/hに到達

アウディRS・e-tron・GT 価格:1799万円 試乗記

時代を先駆けるアウディは、実はポルシェに近い存在

 アウディはe-tronのネーミングで、これまでHVやPHEVを含め、さまざまな電動車両を手がけてきた。
 純BEVとしては、1年あまり前に登場したSUVタイプの2台があるが、e-tron・GTはそのモデルとはまったく別のクルマである。プラットフォームやパワーユニットはポルシェ・タイカンと共通性が高い。試乗車は、標準のe-tron・GT比で車両価格が400万円高いRS(1799万円)だ。

 全長×全幅×全高4990×1965×1395mmの低くワイドで伸びやかなシルエットは、「タイカンよりもスタイリッシュ」と評価が高い。大きく張り出したフェンダーが目を引く。バッテリーの積載方法を工夫して後席の居住性を高めており、乗車定員はタイカンの4名に対し、アウディは5名となる。

 コクピットは、ドライバーを包み込むようなモノポストデザイン。本革を使用しないレザーフリーパッケージの設定や、リサイクル素材を積極的に用いるなどマテリアルでもサスティナビリティに対応しているのが特徴だ。

 駆動用バッテリーは93.4kWhの大容量。そして市販EVとしていち早く800Vテクノロジーを採用した。これにより電流値を下げ、熱の発生を抑制。ハーネスを細くして軽量化を図っている。

スタイリングはスポーティ 圧倒的なパフォーマンスを具現化した印象
スタイリングはスポーティ 圧倒的なパフォーマンスを具現化した印象
ボディタイプは4ドアクーペ メカニズム面はポルシェ・タイカンと共通性が高い 1充電走行距離はWLTCモードで534km
ボディタイプは4ドアクーペ メカニズム面はポルシェ・タイカンと共通性が高い 1充電走行距離はWLTCモードで534km

0→100km/h加速は3.2秒でクリアー! まさに激速

 パフォーマンスは鮮烈である。RSのモータースペックは475kW/830Nmと強力そのもの。0〜100km/h加速は3.3秒と俊足だ。タイカン・ターボSの2.8秒にはかなわないが、同ターボの3.2秒と同等の実力。リアには2速のトランスミッションを備えており、普段は2速発進だがローンチコントロールでは1速を使う。これにより瞬発力が高まり、ダイレクト感も増す。

 足回りは、アダプティブエアサス仕様。オプションの4輪操舵や可変レシオステアリング、21インチタイヤを装着した仕様をドライブすると、そのダイナミックな走りに感銘を受ける。タイヤが路面をガッチリと捉える感覚があり、回頭性は極めてシャープ。約2.3tの車両重量を意識させない、まさしく意のままの走りを実現しているのには恐れ入る。さすがはRSと名が付くだけのことはある。
 ブレーキも強力無比。より高性能なセラミック仕様が選べるほか、ダストを低減するコーティングを用意するなど新たな試みもみられる。

 アウディは「将来的にEV専門ブランドになる」と宣言している。RS・e-tron・GTの走りは「BEVでもここまでできる」というよりも、「BEVだからこそ、ここまでできる」先進性を知らしめるかのような、非常に印象的な仕上がりだった。

フロントフロントマスクは存在感抜群 取材車はセットオプションのレーザーライト仕様
フロントフロントマスクは存在感抜群 取材車はセットオプションのレーザーライト仕様
ボディ各部はエアロ処理を徹底 リアエンドはディフューザー形状
ボディ各部はエアロ処理を徹底 リアエンドはディフューザー形状
写真のフロント265/35R21/リア305/30R21タイヤ+フロント9.5J/リア11.5Jアルミはオプション(26万円)
写真のフロント265/35R21/リア305/30R21タイヤ+フロント9.5J/リア11.5Jアルミはオプション(26万円)
充電リッドは普通と急速の独立タイプ フロントフェンダー左右に配置
充電リッドは普通と急速の独立タイプ フロントフェンダー左右に配置
インパネは太いセンターコンソールで左右を明確に分けたデザイン 視界はワイド 車両感覚を把握しやすい 4輪操舵システムと可変レシオステアリングを備えた試乗車の操縦性はシャープ
インパネは太いセンターコンソールで左右を明確に分けたデザイン 視界はワイド 車両感覚を把握しやすい 4輪操舵システムと可変レシオステアリングを備えた試乗車の操縦性はシャープ
写真はファインナッパレザーシートなどをセットしたRSデザインパッケージ(40万円)装着車 着座位置は低くスポーティ 乗車定員は5名
写真はファインナッパレザーシートなどをセットしたRSデザインパッケージ(40万円)装着車 着座位置は低くスポーティ 乗車定員は5名
メーターは大画面フル液晶 地図をはじめ多彩な表示モードが選べる 視認性に優れた設計
メーターは大画面フル液晶 地図をはじめ多彩な表示モードが選べる 視認性に優れた設計
コンソール部にシステム起動スイッチをレイアウト 走行セレクターはボタン操作式
コンソール部にシステム起動スイッチをレイアウト 走行セレクターはボタン操作式
インフォテインメント機能は充実 通信機能を備え情報取得がリアルタイムで可能
インフォテインメント機能は充実 通信機能を備え情報取得がリアルタイムで可能
ACCは全車速対応&車線維持機能付き 操作部はコラム配置
ACCは全車速対応&車線維持機能付き 操作部はコラム配置
パドル操作で回生ブレーキの強さを調節 アクティブに走れる
パドル操作で回生ブレーキの強さを調節 アクティブに走れる
前後にラゲッジスペースを用意 前方は深いが容量は少なめ 後方も350リッターとさほど広くない トランクスルー機構は未装備
前後にラゲッジスペースを用意 前方は深いが容量は少なめ 後方も350リッターとさほど広くない トランクスルー機構は未装備

アウディRS・E -tron・GT 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=RS・e-tron・GT
価格=1799万円
全長×全幅×全高=4990×1965×1395mm
ホイールベース=2900mm
トレッド=フロント:1700×リア:1665mm
最低地上高=90mm
車重=2320kg
モーター型式=EBG-EBE
モーター定格出力=250kW
モーター最大出力=475kW
モーター最大トルク=830Nm
一充電走行距離(WLTCモード)=534km
交流電力量消費率=200Wh/km
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池
駆動用バッテリー総電力量=93.4kWh
サスペンション=前後ウィッシュボーン
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=フロント:245/45R20/リア:285/40R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
主要装備:アウディプレセンスフロント&ベーシック/アウディサイドアシスト/リアクロストラフィックアシスト/エグジットワーニング/サラウンドビューカメラ/アダプティブクルーズコントロール/ターンアシスト/アダプティブエアサスペンション/プログレッシブステアリング/ブレーキタングステンカーバイドコーティング/LEDヘッドライト+ダイナミックターンインジケーター/へクラグレーシングルフレームグリル/パノラマサンルーフ/20インチタイヤ&アルミ/ダイナミカ&アーティフィシャルレザー・スポーツシートプラス/前席ヒーター/MMIナビゲーション/Bang & Olufsenプレミアムサウンドシステム/3ゾーンオートAC/アウディコネクト/バーチャルコックピットプラス/ドアシルトリム(アルミニウム)/ハンズフリー(ブルートゥース)
装着メーカーop:21インチタイヤ&5スポークアルミ26万円/RSデザインパッケージ・レッド(ファインナッパレザー・スポーツシートプロ+ナッパレザー・インテリアエレメンツ&レッドステッチ・ステアリングホイール+レッドシートベルト&エクスプレスレッドステッチ・フロアマット+前席シートベンチレーション)40万円/ダイナミックパッケージプラス(オールホイールステアリング&プログレッシブステアリングプラス)21万円/カラードブレーキキャリパー(レッド)7万円/カーボンパッケージ(カーボンルーフ+カーボンスタイリングパッケージ+エクステリアミラーハウジングほか)129万円/テクノロジーパッケージ(Audiレーザーライト+アコースティックガラス+プライバシーガラス+e-tronスポーツサウンド+ワイヤレスチャージング)41万円
ボディカラー:タンゴレッドメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万3670円

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