アストンマーティンのV12ヴァンテージが復活! 333台の世界限定販売はすでに予約受付を終了

アストンマーティンのV12スポーツカーのファイナルを飾る新型V12ヴァンテージが登場。5.2リットルV12ツインターボエンジンは最高出力700ps、最大トルク753Nmを発生

 英国アストンマーティンは2022年3月16日(現地時間)、同ブランドの主力スポーツカーであるヴァンテージ(Vantage)に新しい「V12ヴァンテージ」を設定し、世界限定333台で発売すると発表した。ただし、予想をはるかに上回る需要のため、予約受付はすでに終了。ユーザーへの納車は本年第2四半期からを予定している。

▲アストンマーティン・V12ヴァンテージ 全長4514×全幅1962(ミラー含)×全高1274mm ホイールベース2705mm 最低装備重量1795kg 乗車定員2名 販売台数は世界限定333台
▲アストンマーティン・V12ヴァンテージ 全長4514×全幅1962(ミラー含)×全高1274mm ホイールベース2705mm 最低装備重量1795kg 乗車定員2名 販売台数は世界限定333台

 アストンマーティンのV12スポーツカーのファイナルを飾る新型V12ヴァンテージは、驚異的なストレートスピードと魅惑のハンドリング、印象的なルックス、そして誰もが羨むエクスクルーシブ性を高度に融合させて、パフォーマンスに対するアストンマーティンの情熱を大胆に体現したことが特徴である。

▲5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドにマウント。圧縮比は10.5に設定し、最高出力は700ps/6500rpm、最大トルクは753Nm/1800~6000rpmを発生
▲5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドにマウント。圧縮比は10.5に設定し、最高出力は700ps/6500rpm、最大トルクは753Nm/1800~6000rpmを発生

 注目のパワーユニットは、5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドにマウント。圧縮比は10.5に設定し、最高出力は700ps/6500rpm、最大トルクは753Nm/1800~6000rpmを発生する。組み合わせるトランスミッションは、専用セッティングのZF製8速オートマチックギアボックスをリアミッドに搭載。リアドライブの駆動系にはメカニカルLSDやアロイトルクチューブ、専用カーボンファイバー・プロペラシャフト、ブレーキを使用したトルクベクタリング(TVB)などを組み込んで高出力化に対応した。
 一方で車両の軽量化も徹底追求。フロントバンパーやクラムシェルボンネット、フロントフェンダー、サイドシルにはカーボンファイバー材を、リアバンパーとデッキリッドには複合素材を採用し、さらに軽量タイプのバッテリーや厚さ1mmのステンレス材で仕立てたエキゾーストシステムなどを組み込んで、最低装備重量を1795kgに収めた。前後重量配分も52.2:47.8と、FRレイアウトとしてほぼ理想的な数値を成し遂げる。性能面では、最高速度が322km/h、0→100km/h加速が3.5秒の俊足を実現した。

▲トランスミッションには専用セッティングのZF製8速オートマチックギアボックスを搭載。ファイナルドライブは2.93:1に設定
▲トランスミッションには専用セッティングのZF製8速オートマチックギアボックスを搭載。ファイナルドライブは2.93:1に設定

 足回りに関しては、既存の前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式の懸架機構をベースに、強化したアンチロールバーやブッシュ、さらに新開発のスカイフックテクノロジー付アダプティブダンピングシステム(ADS)を採用。また、スプリングレートはフロントで50%、リアで40%ほど高め、トップマウントの剛性も13%引き上げる。テンダースプリングを配した新しいアンチロールバーは、フロントが5%ハードに、リアが41%ソフトに設定し、コーナリング性能と乗り心地の両立を図った。
 シューズにはサテンブラックまたはサテンブラック切削仕上げの2タイプの専用21インチアロイホイールを設定。8kgの軽量化を果たすライトウェイトホイールもオプションで用意する。タイヤは前275/35R21、後315/30R21サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4 Sを装着した。
 制動機構にはカーボンセラミックブレーキを標準で装備。フロントにはΦ410mm×38mm厚ディスクと6ピストンキャリパーを、リアにはΦ360mm×32mm厚ディスクと4ピストンキャリパーを組み込む。さらに、エレクトリックパーキングブレーキも標準で採用した。

▲足回りには強化したアンチロールバーやブッシュ、さらに新開発のスカイフックテクノロジー付アダプティブダンピングシステム(ADS)を組み込む
▲足回りには強化したアンチロールバーやブッシュ、さらに新開発のスカイフックテクノロジー付アダプティブダンピングシステム(ADS)を組み込む

 エクステリアについては、押出接着アルミニウムボディ構造の2ドアクーペスタイルを踏襲したうえで、パフォーマンスの向上を狙ってワイドトレッドシャシーを採用。ボディ幅は既存モデル比で40mmほど拡大する。また、フロントグリル開口部を25%拡大し、合わせてクラムシェルボンネットにホースシュー型のエンジンベントを追加して、パワーユニットの冷却効率を引き上げた。
 空力性能の向上も見逃せない。フロント部ではカーボンファイバー製のフロントバンパーと呼応するフルワイドスプリッターを装着して、ダウンフォースの強化と空力パランスの最適化を実施。サイドビューでは、有機的な形状に仕上げた専用シングルピースシルを配して整流効果を高める。そしてリアセクションでは、専用設計の新しいバンパーと一体型ディフューザーを組み込んで最適な前後空力バランスを確保。ディフューザー内にはセンターマウントの軽量2本出しエキゾーストシステムを設置した。また、大型化したリアウィングは最高速度での走行時に204kgの強大なダウンフォースを発生。控えめなルックスを好むユーザーに向けて、ウィングレス仕様も用意している。

▲パフォーマンスの向上を狙ってワイドトレッドシャシーを採用。ボディ幅は既存モデル比で40mmほど拡大
▲パフォーマンスの向上を狙ってワイドトレッドシャシーを採用。ボディ幅は既存モデル比で40mmほど拡大
▲専用設計の新しいバンパーと一体型ディフューザーを組み込んで最適な前後空力バランスを確保。ディフューザー内にはセンターマウントの軽量2本出しエキゾーストシステムを設置
▲専用設計の新しいバンパーと一体型ディフューザーを組み込んで最適な前後空力バランスを確保。ディフューザー内にはセンターマウントの軽量2本出しエキゾーストシステムを設置

 内包するインテリアは、既存のヴァンテージのスポーティかつ上質なコクピットを基調に、“ウィング”キルトとパフォレーションパターンを施したセミアニリンレザー表皮スポーツプラスシートを標準で装備。オプションでツイルカーボンファイバーシェルと6ウェイマニュアルアジャスト機構を組み込む新しいカーボンファイバー・パフォーマンスシートを設定する。また、グロスブラックのトリムインレイやサテンシルバーのアクセント、インテリア同系色の本革巻きスポーツステアリングホイール、エッジベゼルを備えたロータリーおよび8インチのセンターディスプレイで構成するインフォテインメントシステム、専用アルマイトシルバーシルプレート付アルミニウムトレッドプレートなどを標準で組み込んだ。

▲操舵機構には可変制御電動パワーステアリングを採用。ステアリングレシオは13.09:1、ロック・トゥ・ロックは2.27回転に設定
▲操舵機構には可変制御電動パワーステアリングを採用。ステアリングレシオは13.09:1、ロック・トゥ・ロックは2.27回転に設定
▲“ウィング”キルトとパフォレーションパターンを施したセミアニリンレザー表皮スポーツプラスシートを標準で装備。オプションでカーボンファイバー・パフォーマンスシートを用意
▲“ウィング”キルトとパフォレーションパターンを施したセミアニリンレザー表皮スポーツプラスシートを標準で装備。オプションでカーボンファイバー・パフォーマンスシートを用意

 なお、アストンマーティンではV12ヴァンテージに多様なオプションおよびオプションパッケージ(コンフォートパッケージ、軽量パッケージ、カーボンファイバー・インテリアパッケージ)やアクセサリーを用意するほか、ユーザー独自の注文に応えるQ by Aston Martinによるビスポーク・パーソナライゼーションも提供するという。

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