日産の新型軽EVが「サクラ」の専用ネーミングを冠してデビュー。発売は本年夏を予定

2022年5月26日新車ニュース大貫直次郎

日産がリーフ、アリアに続く第3の電気自動車「サクラ」を発表。軽自動車規格のボディに47kW／195Nmを発生するモーターと総電力量20kWhのリチウムイオン電池を搭載。航続距離はWLTCモードで180kmを実現

　日産自動車は2022年5月20日、軽規格の新型電気自動車「サクラ（SAKURA）」を発表し、本年夏に発売すると予告した。

▲日産サクラG　価格：294万300円　全長3395×全幅1475×全高1655mm　ホイールベース2495mm　車重1080kg　乗車定員4名　最小回転半径4.8m　一充電走行距離はWLTCモードで180km　写真のボディカラーは冬の雪をイメージしたホワイトパール／チタニウムグレー 2トーン

車種展開は以下の通り。
S：233万3100円
X：239万9100円
G：294万300円

▲日産サクラX　価格：239万9100円　全長3395×全幅1475×全高1655mm　ホイールベース2495mm　車重1070kg　乗車定員4名　最小回転半径4.8m　一充電走行距離はWLTCモードで180km　写真のボディカラーは秋の紅葉をイメージした暁－アカツキ－サンライズカッパー／ブラック 2トーン

　日産にとってリーフ、アリアに続く第3の電気自動車となるサクラは、日産と三菱自動車の合弁会社NMKVで商品企画を手がけた新しい軽EVで、同日に発表された三菱eKクロス EVと基本コンポーネントを共用する。生産は2車ともに岡山県倉敷市に居を構える三菱自動車の水島製作所で行う。一方、三菱自動車が新型軽EVをeKクロス・シリーズの1モデルに据えたのに対し、日産はデイズやルークスとは別展開の、独立したシリーズとしてラインアップした。ちなみに、車名のサクラは「日本の電気自動車の時代を彩り、代表するクルマとなってほしい」という願いから、日本を象徴する花である桜に由来。社内公募によって決定したそうだ。

*▲車名のサクラ（SAKURA）は「日本の電気自動車の時代を彩り、代表するクルマとなってほしい」という願いから、日本を象徴する花である桜に由来*

　肝心のパワーユニットは、最高出力47kW/2302～1万455rpm、最大トルク195Nm/0～2302rpmを発生するMM48型モーターと減速機、DC／DCコンバータをフロントに、総電力量20kWhを確保したユニバーサルスタック構造のリチウムイオン電池をフロア下に配備して前輪を駆動。一充電走行距離はWLTCモードで180km、交流電力消費率は124Wh／kmを実現した。

▲パワーユニットは最高出力47kW/2302～1万455rpm、最大トルク195Nm/0～2302rpmを発生するMM48型モーターと減速機、DC／DCコンバータ、総電力量20kWhを確保したユニバーサルスタック構造のリチウムイオン電池で構成

　急速充電および普通充電ポートは右後部に配し、2.9kW普通充電器を標準で、6kW普通充電器（壁掛型）を別売りで設定する。また、充電ケーブル（コントロールボックス付、200V 7.5m用）をオプションで用意。フル充電に要する時間は、2.9kW／6kW普通充電で約8時間、急速充電で0→80％までを約40分でこなす。充電モードは、ただちに充電を開始する「即充電」、指定の時間で充電開始／停止する「タイマー充電」、携帯電話やパソコンから充電開始操作ができる「リモート充電」の3タイプが選択可能だ。

*▲急速充電および普通充電ポートは右後部に配置。2.9kW普通充電器を標準で、6kW普通充電器（壁掛型）を別売りで設定する*

　走行面では、「Eco」「Standard」「Sport」の 3 つのドライブモードを設定。また、アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできるe-Pedalに、新たにクリープ機能を組み込んだe-Pedal Stepを採用し、加減速を繰り返す市街地走行、なめらかな減速が必要な雪道などでの運転を、さらに扱いやすいものとした。

　エクステリアに関しては、静けさの中に潜む力強さを全体で表現しながら、次世代の日産らしさを感じさせるフロントフェイスと光るエンブレムを採用し、落ち着いた大人の雰囲気を感じさせるデザインに仕立てる。フェイス自体はシールドタイプのほか、最上級のGグレードにクリアブラックシールドを装備。また、軽自動車初となるプロジェクタータイプの3眼ヘッドランプを配して、先進的かつエレガントなフェイスを創出した。一方、バックドアには格子をヒントにしたワイドなLEDリアコンビネーションランプを組み込み、テールランプ全体を美しく光らせるとともに、広いゲートと開口部を確保する。足もとには、日本の美意識を感じさせる水引デザインを取り入れた新造形の4.5J×15アルミホイール＋165/55R15 75Vタイヤと、4.5J×14アルミホイール＋155/65R14 75Sタイヤを装着した。

*▲フロントフェイスはシールドタイプ（写真・上）のほか、最上級のGグレードにクリアブラックシールド（同・下）を装備*

▲日本の美意識を感じさせる水引デザインを取り入れた新造形の4.5J×15アルミホイール＋165/55R15 75Vタイヤ（写真・上）と、4.5J×14アルミホイール＋155/65R14 75Sタイヤ（同・下）を設定

　ボディカラーについては、四季の彩りを想起させる2トーンのシーズンズカラー4色を設定したことがトピック。春は桜をイメージしたブロッサムピンク／ブラック 2トーン、夏は青い空をイメージしたソルベブルー／チタニウムグレー 2トーン、秋は紅葉をイメージした暁－アカツキ－サンライズカッパー／ブラック 2トーン、冬は雪をイメージしたホワイトパール／チタニウムグレー 2トーンで彩る。ほかにも、2トーンのスパークリングレッド／ブラック、チタニウムグレー／ブラック、フローズンバニラパール／ブラック、ソルベブルー／ブラック、ホワイトパール／ブラック、モノトーンのブラック、スターリングシルバー、スパークリングレッド、アッシュブラウン、ソルベブルー、ホワイトパールをラインアップし、計15色の展開とした。

*▲夏の青い空をイメージしたソルベブルー／チタニウムグレー 2トーンのボディカラー*

　内包するインテリアは、インターフェースに7インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイ採用のメーターと、大画面の9インチナビゲーションの2つのディスプレイを水平方向にレイアウトし、合わせてドライバーの視線移動に合わせた形状に仕立てて、使いやすく、かつ見やすい設計とした統合型インターフェースディスプレイを配備したことが訴求点。また、NissanConnectナビゲーションシステムでは充電を考慮したルート設定機能や緊急時のSOSコール、Apple CarPlayワイヤレス接続など、カーライフを快適にする多彩な機能を用意した。
　内装の仕様としては、高品質なファブリックを広範囲にしつらえ、シートには座り心地の良いソファデザインを採用することで、ワンランク上の質感を演出。また、カッパー色のフィニッシャーを水平ラインに配することで、室内をモダンで広がりのある空間へと仕立てる。さらに、飲み物のぐらつきを軽減するホールド力の高いカップホルダーやスマートフォンおよび財布などの小物が置ける横長のインストセンターロアトレイなど、日常のあらゆるシーンで便利に使える豊富な収納スペースを設置。ステアリングにはスポーティさを演出する2本スポークステアリングを装着し、抗菌仕様も施した。
　内装カラーは、シックなブラックと明るく開放感のあるベージュのほか、ブラックを基調にベージュシートを装備したプレミアムインテリアをオプションで用意。シート表皮はブラックとベージュがトリコット、プレミアムインテリアが合皮／トリコットを採用している。

▲内装カラーはシックなブラック（写真・上）と明るく開放感のあるベージュ（同・中）のほか、ブラックを基調にベージュシートを装備したプレミアムインテリア（同・下）をオプションで設定

▲7インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイ採用のメーターと、大画面の9インチナビゲーションの2つのディスプレイを水平方向にレイアウトした統合型インターフェースディスプレイを採用

*▲軽ハイトワゴンクラスのトップレベルのラゲッジ容量を確保。フロア下にはアンダーボックスを配備*

　先進安全運転支援システムの拡充ぶりも見逃せない。高速道路の単一車線での運転支援技術「プロパイロット」の採用に加えて、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロットパーキング」を軽自動車において初搭載した。

▲駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロットパーキング」を軽自動車で初搭載

　なお、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金（55万円となる見込み）を活用した場合のサクラの実質購入価格は、約178万円（消費税込み）～となる予定。また、販売店での商談に加え、ビデオチャットを通じたオンライン商談や、顧客に合った購入ステップを案内するウェブサイト「SAKURA shopping navi」、自宅からでも契約できるオンライン注文などを用意している。